表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
すみません、妻です  作者: まんまるムーン
29/120

29




「仕事上、うちで働いてもらう人は常識ある人じゃないと困るんだ。」


「そんなこと言わないでください! 私一生懸命働きます! 絶対雇って良かったって思ってもらえるように仕事しますから…」


彼女は目に大粒の涙を溜めて俺に懇願した。


か細い肩は小刻みに震えていた。


「やっと私にもチャンスがやってきたんです。絶対に損させませんからお願いします!」


大粒の涙がボテッボテッと落ちていた。


なんだか少し可哀そうになってきた。


事務所の掃除もあれだけがんばってくれたし、もう少しだけ来させてやろうか…。


「わかった。今回の事は目を瞑る。だけど変な事はしないでくれよ!」


「ありがとうございます!」


彼女はぐちゃぐちゃになった顔でクシャ~っと笑った。





「おはようございます!」


次の朝も彼女は定時にやって来た。


今日は深緑の襟無しのブラウスに黒のパンツ、高くも低くもない黒のパンプスを履いて、軽く巻いた髪を後ろでルーズに一つ結びにしてスカーフ風のリボンを巻いていた。


すごく上品で俺の好みと一致していた…外見だけは…。


昨日、駅前広場でガスマスクと防護服を着てパフォーマンスをしていた女とは到底思えない。


あれは悪い夢だったのか…? 





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ