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「麗子ちゃんは君の事を心配して来てくれてるんだろ! 君だって本当は分かっているはずだ! 麗子ちゃんが来てくれるのを、本当は嬉しく思っているんだろ? 本気で心配してなきゃ、こんなに毎日来るわけないじゃないか! もう何年通っていると思ってるんだ!」
麗子は目に涙を溜めていた。
「あんたはいいわよね。これからいくらだって未来があるんだから。」
「晴香さんだって、これから何だってできるよ!」
「私がはもう無理なの! こんなに長いブランクあったらもう踊れないし、人前に出る事すら怖いんだから!」
「怖がらないで、一歩踏み出そうよ! 私、何だって協力するから!」
晴香は麗子をじっと睨みつけた。
「何だってするの…? じゃあ就職してみなさいよ! これだけブランクあったらかなり難しいわよ。あんたどうせ何の特技も無いんでしょ。叔父さんにちょっと怒鳴られたくらいで辞めてしまうんだから、どうせもし就職できたって長続きするわけないわ。」
「わかった! がんばってみる!」




