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薄倖姫 ~世界一幸運な男が世界一不幸なお姫様に転生!?~  作者: 鍋さーもん
第1章 王宮生活編
4/6

第三話 魔術

三日に一回くらいのペースで投稿しようとと思います。

前回までのあらすじ!

俺の名前は姫路 幸多。運がいいだけの普通の高校二年生だ!だがある日持っていた運を全て使い果たしてしまった!そして運を使い果たした俺は、あっという間に死んでしまったのである。そして気が付くと、体が縮んでしまっていた。ん?あれれぇ~?なんかどっかで聞いたことあるような...まぁそんなことは置いといて、俺は今、異世界のお姫様の体になってしまっている。しかもなにより前世に引き続いて運はすっからかんだ。そして俺は、五年の間に異世界の言葉を覚え、運が尽きていることに気付き、このままでは遠くないうちに最悪の不幸が次々に襲ってくることを確信した。そのうえで対策もある。そのうちの一つは、他人に媚を売り、困ったときに助けてもらうこと。そしてもう一つは...



王宮の食堂の朝食後


「今日からキャリーに家庭教師をつける。用意はできておるか?」

「あい!できてます!」


よっしゃ!ついに今日から家庭教師だ、これで俺も魔術を覚えられる。

ハーゲンノに詳しい時間や予定を聞いて、その時間までは準備等をしているように言われた。


「あ~魔術かぁ...どんなことができるんだろう...」


基本的に誰かが見ているときは年相応で、ついでにとてつもないあざとさをアピールして得点を稼いでいる俺だが、一人の時は素で話す。さすがに独り言まで五歳の女児では精神年齢二十二の俺にはきつすぎる。さて、必要なものはなにかな。髪はまだ肩にかかるくらいだからヘアゴムはいらないな。といあえず動きやすい服とタオルくらいでいいかな。なんだか緊張してきたぞ。いったいどんな人が来るんだ。



三時間後


さて、そろそろ時間だし、指定された場所に向かうか。確か場所は、中庭の広場だったよな。

家庭教師かぁ。どんな人が来るんだろう。

家庭教師とはいうが、それがどんなものなのか説明いなければならない。

この世界にも軍隊と呼べれる者は存在するが、それは俺の知っている軍隊とは少し違う。まずは魔術の存在だ。この世界には魔術が存在し、それを使って戦うものを、魔闘師と呼ぶ。そしてこれから先生になる魔闘師は、きっと凄腕なのだろう。


「う~ん...あんまり怖い人じゃなきゃいいんだけどな」

中庭に着き、辺りを見回してみたが、人影はどこにもない。まだ来てないのか?王族相手に遅刻って...どんな根性してるんだ...。ん?あれか?


「いや~ごめんねぇ。少し迷っちゃって。ここさすがに広いね~」


なんだこいつは。なんかパッとしないやつだな。このパッとしないやつの名前は、モーデストというらしい。間延びした喋り方だし、遅刻するし、それに見た目も茶色い髪に茶色い瞳で中肉中背、着ている鎧は高価なものに見えるが、あまり使われてはいないみたいだ。ついでに頭もあまり良くなさそうだ。


「あの~、あなたがあたちの先生なんですか?」

「ん?え?あ~うん。一応そうだよ。よろしくね~」


う~ん...人は好さそうなんだがいまいちパッとしないんだよなぁ...ほんとにこの人で大丈夫だろうか。お世辞にも強そうには見えないし。ここでも俺の引き運の悪さが出てしまっているのか...いや、まだこの人が外れだとは限らない。魔術のことについて俺はまだ何も知らないんだ。もしかするとこんな弱そうな人でも魔術を使えば一騎当千の戦闘力を発揮できるのかもしれない。


「先生って、強いんですか?」

「いや、弱いよ」


いや弱いのかよ!なんだこいつ。なんでこんな奴が王族の家庭教師なんだよ。あのハゲ親父後で絶対文句言ってやる...。なんでもモーデスト先生(先生って呼びたくない)曰く、今は空いている魔闘師はかなり少ないらしく、王族の家庭教師になる最低水準をぎりぎりクリアして、なおかつ暇なモーデスト先生が来たというわけらしい。やっぱり引き悪かったんだな。でもまぁいないよりはましだ。前向きにいこう。


「それじゃあさっそく授業始めようか」

「あ、あい」


急すぎるだろ。普通初日は挨拶とかだけして解散とかの流れじゃないのか。俺がゆとりなだけなのか?これが普通なのか?わからん。


「じゃあまずは、魔術の種類についてから」


先生の話によると、魔術は一般的には二種類あるらしい。まず一つは戦闘型。もう一つは生活型だ。

戦闘型の魔術は大きく分けると三種類存在する。近距離タイプ、中距離タイプ、その他だ。

まず近距離タイプは、自分に魔術を発動するか、触れているものに発動するタイプだ。次に中距離タイプは、物を飛ばしたり、作ったりするする魔術だ。その他というのはこの二種類のどれにも該当できない特殊なタイプの魔術になるらしい。


「せんせー、その人がどのタイプなのかどうやって調べるの?」

「それは簡単。これを使うんだよ」


そういって取り出したのは、透明な拳大の水晶玉のような形のものだった。名前はグラージェの水晶という。これに手触れて、魔力を流すとどのタイプに属するのかわかるという。


「それじゃぁ、早速やってみよっか」


そういって水晶を手近な台に乗せ、早く早く、と手招きしているが、まだ魔力の扱い方を教わってないぞぼけ。ちゃんと説明せんかい。


「あ~そうだったごめんごめん。今から教えるね~」


本当に大丈夫だろうか、こいつ。

教えてもらった内容として、魔力は生まれた時からほとんどの生物が持ち、魔力の量や、扱える技量は努力次第でどうにでもなるとのことだ。ただ、産まれながらに魔力が百の人間と、一万の人間ではどうしても差は開いてしまうとのことだった。魔力はある程度コントロールするだけなら一日で可能なレベルだから、今日中にはできるだろうとのことだ。


「ここまでは簡単。今から実際に魔力を操作してもらうよ」


ついに実践か。え~とたしかまずは、目を瞑り、体をリラックスさせて、深呼吸を数回行う。それから自分の体内に意識を向けて、魔力を探す。魔力はエネルギーの塊だから、物理的に探るのではなく、感覚的に探る。多分これだな、魔力は。そして見つけたら、自分の体と一体化するように薄く広げていく。なるほど、これが魔力か。微熱があるときみたいに体がポカポカするな。


「お、できたみたいだね。よかったよかった」

「なんでできたってわかったんですか?」

「魔力は使うと体の表面に現れるんだよ。キャリーノ様は鮮やかな白ですね」


魔力を発動しているときは、体の表面に湯気のようなものが見えるらしい。この魔力の色はひとそれぞれで、強さや、性格によって変わるらしい。ちなみに先生の魔力の色は紺色らしい。地味だな。


「よし、それじゃあ今度こそやってみよっか」


あんたのミスだろ。なんでこっちが悪いみたいな言い方と顔をするんだ。まぁいい。今はそんなことより自分がどのタイプなのか調べるのが先決だ。

そして水晶に手を触れ、さっきやったように魔力を流すと...。


『はい、あんた近距離タイプ』

「えっ喋るの!?」


まさか喋るとは...。思わず素が出てしまったぞ。普通こういう時って色が変わったり、文字が浮かび上がったりするものだろう。頭の中に声が聞こえるとかならわかるが、水晶から音が出て喋るなんて...。


「そりゃあ喋るよ。この水晶は昔、グラージェって魔女が作ったものだからね」


なんでもグラージェという魔女は、魔道具を作ることにおいては右に出るものがいないほど優秀だが、作ったものは大抵一癖あるものが多いらしい。なんだそれ、優秀な物を作れるならもっと扱いやすいものを作れよ。



それからしばらく授業をしていると、日が傾き始める時間になっていた。


「今日はここまでにしよっか。次の授業は三日後ね」

「あい!ありがとうございました」


こうして、俺の初めての授業は何事もなく終わったのだった。

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