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薄倖姫 ~世界一幸運な男が世界一不幸なお姫様に転生!?~  作者: 鍋さーもん
第1章 王宮生活編
1/6

プロローグ

初めての書き物です。よろしくお願いします。


いつも通りの日常だ。

いつも通り朝起きて、いつも通り学校に行く。何の変哲もない、いつもの毎日。

俺の名前は姫路 幸多(ひめじ こうた)。運がいいだけの普通の高校二年生だ。

朝は登校中にツチノコの親子を見つけ、昼はクラスメイトとジュースを賭けてじゃんけんをした。まぁ、もちろん俺が勝った。これでじゃんけん総合勝率は3000戦3000勝だ。

そういえば先週はスーパーの福引でハワイ旅行を当てた。まぁ、俺は学校があるから両親に行ってもらったが。


そして今はこれだ。


「...はぁ」


家に帰り自分の部屋に入ってからまず鞄からあるものを取り出した。

俺の手の中には今、宝くじがある。学校の帰りに、一枚運試しにと、人のよさそうなおばあさんに貰ったのだ。察しのいい皆様ならもうお分かりだろう。

そう。俺は運がいい。宝くじの一等も一度や二度ではないのだ。

きっとまた当たりだろうと、当選番号を見てみると、案の定一位の当選番号と寸分たがわず同じだ。


「...はぁぁ...」


きっと皆さまはこう思っているだろう。なぜ宝くじが当たって、なぜ運が良くてそんな重苦しいため息などついているのかと。

考えても見てほしい。何をするにも運がいいから、運ですべて解決だもんな。などと言われ続ける人生を。

そりゃあ運がいいのはありがたい。とても助かっている。だが、これほど運がいいと別の悩みがいくつか生まれるのだ。


「これだけ運が良すぎると、後が怖いんだよな...」


これは俺の持論だが、人にはあらかじめ、人生で使える運の総量が設定されていて、本人の意思とは無関係に幸運を垂れ流しているのではないか。俺は今までの人生で悪運という者とは無縁だった。つまり、数量限定の運をバンバン湯水の如く使ってしまっている状態だと言えばわかりやすいだろうか。

ここまで長々と俺の持論を語ってみたが、つまるところ何が言いたいのかというと、ビビっているのだ。これほどまに幸運な人間が、突然全く運がなくなる。どんな恐ろしい目に合うのか…考えるだけでも恐ろしい。


「事故とか起こらないよな...」


その時、遠くから聞き覚えのない物音が俺の耳に入ってきた。

何の音か疑問に思い音のする方向の空を窓から見てみると、三つの赤い石が空から一直線にこの部屋めがけて飛んできているところだった。


「隕石が三つもある...珍しいなぁ」


俺はこの時直感した。隕石を引き寄せるのにすべての運を使い果たしたのだと。

つまり自分の幸運で引き寄せたこのあり得ない確率の三つ揃った隕石を回避する運は、もう残っていないのだということを。


そして俺は、三つの隕石が同時に直撃して死んだ。


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