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「このレントゲン写真に写ってるのは金属片だ」


「金属?」


 そういえば以前、病院で胴体のレントゲン写真を撮る時に「金属が写り込むといけないから、必ずブラジャーなど金属がついている下着や金属製のアクセサリーを外すように」と医師から注意されたことがあった。なるほど金属が写り込むと、これほどハッキリとした白い影が浮かび上がるのかと驚く。


 初めて金属の影が鮮明に写ったレントゲン写真を目の当たりにして、こんなにも金属の形がハッキリ写るなら医者が言う通り、レントゲンを撮る前には必ずブラジャーを外さないといけない訳だと改めて痛感した。しかし、沖原沙織さんは何の感銘も受けなかったようで興味無さそうな冷めた目をしながら腕を組んだ。


「で、なんで獣のレントゲン写真に金属の影が写っているの?」


「このレントゲン写真は獣を写した物じゃない。オオワシだ」


「オオワシ?」


 兄の言葉を受けて改めてレントゲン写真を見ると言われてみれば、確かに鳥の骨格だと気づく。ただ、普段は羽毛によってほとんどが隠れて見えない曲げられた脚の状態。鳥の脚骨格は一見、骨だけだとまるでカエルのようだと思ってしまった。


 そして胴体もやはりフワフワした羽毛で普段は鳥のシルエットがよく分からないから、ウサギのような印象を受けてしまったのだ。だが、しっかりと見れば翼らしき両翼の骨がレントゲン写真に見切れていた。


「一体、オオワシのレントゲン写真に金属の影が写っているのが何だっていうの? ちゃんと説明して真宮くん」


「まずこのレントゲン写真に写っているオオワシだが、ここに来た初日にペンションからほど近い雪山で俺と妹はエゾ鹿の死体を見つけた。そのエゾ鹿のすぐ傍には複数のカラスの死骸と衰弱したオオワシがいた」


「そうなの?」


 兄に視線を向けていた沖原沙織さんが目を丸くして私を見た。軽く首を傾げて尋ねられたので、私は即座に頷いた。


「はい。私たちがオオワシを見つけた時には、もう動く力も残ってなかったみたいで……。すぐに倒れて死んでしまいました」


「野生の鳥たちが複数死んでいるという状況は鳥インフルエンザなどウイルス性の伝染病の可能性があり、役所や関係各所に連絡する必要がある。翌朝、俺は通報すると共に死亡していたカラスやオオワシの死骸を回収してもらった。そして、検査結果が出たら連絡をくれるよう約束を取り付けていたんだ」


「じゃあ、このレントゲン写真はあの時、雪山で死んだオオワシ?」


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