打たれ弱い
怒られた。
怒られて、頭を叩かれて、肩を叩かれた。
もう中ニの冬。
自分は来年度から、受験というものに向けて勉強をしなければならない。
すでにやりたいことを決めているくらいが無難なのに。
なのに。
なのに、何もしない自分。
怒られて当然だ、とは思うけれど少しだけ口を開きたかった。
でも、そんな権利世界の果てまで行ってもどこにもありゃしないことなど知っていた。
これが中二病の末路か。
あ、叩かれた。
相手の目から自らの視線をそらし、現実からもそらす。
そらしたい。いや、そらしていた。
声が尖って聞こえる。そのわりにはどこか冷めた自分には尖った言葉は刺さらなくて、嘲笑っているようだった。
「そんなの、しらねーよ」
聞こえた。自分の温度のない、言い訳。
私がやりたいことは何だろう?
何もない。
私は何をすべきなんだろう?
そんなのは決まっている。勉強だ。
それをしっかりしているのだろうか?
しっかりなど全然してない。本当に全くだ。
なのに、しないのは何故だ?
何故なんだろう。こちらが聞きたい。
すべて御託だ。こんな戯れ言、誰が耳を貸す。
右の方から聞こえるテレビはお笑い番組が流れている。
笑えない。ネタは面白いはずなのに、私は笑えない。
自分は何のために生きているのか、なんて考えるほどの頭さえない。
期待しないでくれ、は言わない。
そもそもこんなことを思うやつが期待されない。
今後社会を担うなど、こんなクズに出来るのだろうか。
出来るどころか、しない。たぶんしない。
聞こえる説教もお笑い番組も音量は変わらないのに、だんだん遠くに行く。
行ってくれやしないのに、何故かそう感じる私はイカれてしまっている。
何だろう。何なんだろう。
これも考えているわけではないんじゃないんだろ?
振りをしているだけじゃないのか?
真っ白になって、真っ黒になって。
生きている意味が無いのなら、死んでしまえばいいなんて思うのに。
死んでもいいとか思うのに。
少し怖いし。
死んでもいいけど。
生きるのは本当になんのためなんだろうか?
それがわかったところで私がしっかりするはずもなくて。
結局、何も分からずじまい。
生まれ持ってくるもの間違えたかな。
生れてから道、間違えすぎたかな。
こんなにひん曲がって、何もしないクズ。
自分のせいで自分がこうなったのにね。
「だから、そんなのしらねーよ」
まだ逃げたい。逃げるってなんだ?
助けてほしい。
何でこんなことを思うのか。
どうせ打たれ弱い自分のせいだった。