不審者達と接触、そして一掃
ついに戦闘シーンです。
我は毎朝6時に起きる。そして、洗面台へ行き顔を洗い、リビングで朝食を摂るのである。
朝食を食べながら朝のニュースを見ていると、最近この近くで子供の誘拐事件が増えていることをニュースキャスターの女性が紹介していた。
「最近物騒ね。しかもこの近くじゃない。下校中は気をつけるのよ?」
「うん、分かっているよ母さん。しかし本当に増えてきたな、誘拐事件。私のクラスメイトも無事ならいいがなあ。」
昨日我に襲いかかってきた男の放ってきた電撃は気絶させる程度の威力しかなかったので、明らかに我を誘拐する気満々だったな。
ということは少なからず、昨日の男たちはこの事件と関わりがありそうだな。だとしたら、門限に遅れてでも捕らえてなぜ襲いかかってきたのか情報を聞き出せばよかった。
まあ、奴ともう一人の魔力はもう覚えたので次会ったら、必ず捕らえて情報を聞き出すとしよう、それも徹底的に。
そう考えている間に朝食を食べ終え歯磨きを済ませてから我は学校へと向かう。
自分のクラスにつく間、昨日のやつらの視線は感じなかったので、主に周囲が暗くなってから行動しているのだろう。
そう思っていると風季も登校して我のところに来たのだ。
「おはよう拓良くん。昨日はありがとう。」
「構わんよ。私も久しぶりに二人と話せて楽しかったしな。ところで登校中には何か変わったこととかはなかったかい。」
「えっ?特になかったけど急にどうしたの?」
いや、気にしないでくれ、と言った風に話しているとホームルームの時間になり、先生が教室へ入ってきた。
我は自分の席に座り、風季も自分の席へと戻っていった。
さて、一時間目はなんだったかな......。
そんなこんなであっという間に帰りのホームルーム。 先生が帰る前に、
「昨日近くの学校で一人、生徒が行方不明のようです。なのであまり暗くなるまで外で遊ばないようにして、下校の時はなるべく人気のないところに行かないようにしてください。」
と先生がそのようなことを言っていた。 ふむ......やはりこの近くで昨夜のようなことがあったのか。
だとすればますます昨日のやつらを捕まえなければならんな。 よし、ならば風季にこれを渡しておくか。
「風季、これを渡しておこう。」
そう言って我は風季に手のひらサイズの赤い石を渡した。
「わあ〜綺麗。いいの?」
「ああ。最近物騒だしな。それを持っていればお前の居場所がすぐにわかるし、お前の魔力を少し消費して私の持っているもう一つの石だけだが、通信して会話することも可能だ。ただし、会話時間は3分だから使いどころは間違えるなよ。」
「うん、ありがとう!大事にするね。」
我が風季に渡したもの、それは魔石を加工して作った通信魔道具である。我が家の近くにある森を散歩していた時、偶然手に入ったものだ。元は一つだったものを我が二つにし、魔力加工をすることで出来上がった簡易の魔道具である。
因みにこの世界には電話という通信手段があり、家で内部の仕組みを調べたのだが、魔力が一切使われていないということがわかっただけだったが......。
まあ、これで大丈夫だろう。そうして我は帰路に着いたのだがそこで例の視線を感じたのだ。
気づかれないよう視線を動かしてみれば、あの男がいた。奴はまだ我が気づいたことに気づいていないようだ。
「すまない風季。私は今日大事な用事がある。だから今日は一緒に帰れそうにない。すまない。」
幸運なことにどうやら目的は我のようだからこのまま我だけに注目させて風季から完全に注意をそらそうと思ったのだ。
風季も昨日遊んだからだろう。渋々言う事を聞いてくれたのでここで別れることにする。案の定、奴は我しか追ってきていない。このまま場所を変えるとしよう.......。
そうして我が向かったのは人気のあまりなさそうな廃ビルである。その中に我は入ったのだ。
相手も気づいたのだろう、我が入ってしばらくしたらやつが姿を現した。
昨日はあまり気に留めていなかったが、大柄で引き締まった体格ををしているのが見て取れる。そして男が入ってきたと同時に、何人もの気配に気づいた。 男は、入ってきたドアを閉めて我を真正面から見下ろしてきた。
「昨日は私にいきなり襲い掛かってきてくれてどうもデカブツ。」
「その分じゃあ俺の気配に最初っから気付いていたみていだな。てめえ何者だクソガキ。」
「おや、それを私が言うと思っているのか?それに随分と私のことを警戒しているようだな。昨日よりも多い」
「......チッ。やっぱり気付いたか。こりゃあ貧乏くじを引いちまったのかもしれねーな」
そう言って男が合図をするとそれまで隠れていた他のやつらが一斉に現れた。全員最低限の装備をしているな。
「ふむ、お前たちはどっかの戦闘員か?ただの素人には見えないしな。」
「おいおい、そこまでわかるのかよ。本当に小学生か?だがまあいい、痛い思いをしたくなければおとなしくついてきてもらおうか。この数じゃあ昨日みたいに能力はあまり効果ないんじゃないか?」
「はっ、昨日のアレを能力だと思っている時点でたかが知れているな。」
「あ?ちげえのかよ?」
「ああ、全然違うな。」
我はそう会話しながらも、後ろから襲い掛かってきた敵の攻撃をかわし、後ろ回し蹴りを胴体に叩き込み、その瞬間に電撃を流して気絶させた。情報を吐かせないといけないしな。
「まず一人。さあ、なにをしている、さっさとかかってこい」
我を不意打ちで倒せると思っていたのだろう。
一瞬全員が呆気にとられている隙に、我は真正面の男以外の者どもに向かって何本もの光線の魔術を放つ。
光線の魔術には予め、『気絶』の概念魔法を付与していたので光線に貫かれた他の者どもは全員気を失い倒れた。
「さて、あとはお前だけだな」
「なめやがって!」
男は我に向かって麻酔が塗られているであろう針を何本も放ってきた。どうやら昨日の電撃は跳ね返されるのを恐れて使わないらしい。
あの程度の針など小型結界で十分なのだが、我はあえてそれらを空間魔法で別次元に仕舞っていた銀のナイフ一本で全て撃ち落とした。
男がそれに驚いているうちに我は一瞬で男の懐に潜り込み、両目を緑と金の瞳孔が縦に割れたオッドアイの竜眼にして男の両目を見る。
男が我と目を合わせた瞬間、体が硬直し、石のようになったのだ。
「な!?か、体が動かねえ!?てめえ俺の体に何をした!?」
「何、体を麻痺させただけだ。......さてそれでは色々聞かせてもらおう。」
我はそう言って男の頭に触れ、新たな魔術を発動させる......