異世界転生(破壊神が)
気づいたら我は、暗い意識の中にいた。何日この場所にいたのかは、分かってはいないが我は勇者の剣で死んだはずである。普通死んだら意識はなくなると思っていたのだが我の自我はちゃんと残っている。
いくらなんでもおかしいとまた考え始めた時、急に視界が明るくなった。
そして、
「おめでとうございます。男の子ですよ。」!?
まず目の前にいたのは、白いローブのような服を着た男だった。そして、体をぐるんと体を回転させられ、女性と対面させられた。そこにはベッドに黒髪黒目の美人な人族が横になっていた。
「ああ、よく生まれてきてくれたわね拓良。」!?
女性はそう言って我を抱き上げたのだ。いや、あまりの事態に思考が止まってしまった。
どういうことだこれは!?
我って死んだはずだよね!?
なんで人族が二人も目の前にいるの!?
というかここどこ!?
「......あのう先生、この子泣かないのですが....」
「お、おかしいですね」
そう言って白いローブの男は焦った様子で女性から我を受け取った。
というかさっきから、我の体軽々と持ち上げたり抱き上げたりしてるってどういうこと?
我そんなに軽くないよ?
と、いきなり男が我の背中を叩き始めたのだ。 イタイイタイ!?ちょっとやめて!?
「オギャアギャア!?」
だが我の口から出たのなんとも可愛らしい赤ん坊のような声のようなものだった。
......ゑ?赤ん坊?
「あのう先生?いくらなんでも短くないですか?」
「そ、そうですね。お、おかしいなあ。」
その時、我は見えてしまった。壁に鏡があり、そこに映る自分の姿に呆然としてしまっていた。
そこには生まれたばかりの人間の赤ん坊がいたのだ。そしてその赤ん坊が我だったのだ。
「お....」 「「お?」」
『オギャアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!』
「おお!大きな声ですね!ちょっと元気すぎませんかね!?」
「さすが、わたしの息子ですね」
うっそでしょ!我、赤ん坊になってるんですけど!?why!?
いや、この部屋もよく見るとあちこち変な道具などがたくさんある。それらは、500年以上を生きたこの我でも見たことがないものであった。
まるで別の世界のようである。
.....え、 別の世界.........我、赤ん坊........。
「じゃあ改めて、生まれてきてくれてありがとう、拓良。」
そして我を抱きながら、愛のこもった目で見つめてくるこの人は我の......。
この日、異能に溢れた現代世界に異世界の破壊神が転生したのであった。