一組の布団(200文字小説)
ホラーテイストなのでお気をつけ願います。
200文字小説です。
彼が私の布団に入って横になっている。
彼から? それとも私からだっけ。
二組あるけど、最近は私の布団しか使わなくなって、それが当たり前に。
「ねえ、式挙げたいな」
付き合って五年。そろそろ十の位がカウントアップする年齢。
つい結婚を焦っちゃう。
「長いこと放っておくと、女って腐っちゃうんだからね」
そうしたら腐りかけが一番うまいんだー、だって。
ふん、いいわよ。
あなたが布団に入って五日。そろそろ美味しくなった頃ね。