第一話 制作開始-1
「優勝は、starry heavensの※○×※△▼○です」
ゲームコンテストの発表会で僕のチームの作品が呼ばれた。
「「「ゆうき!!」」」
仲間の笑顔が見える。
仲間の笑顔と観客の拍手の中、審査員長の前に行きトロフィーをもらう。
今までどれだけ努力をしてゲームを作ってきていたのだろう。
どんな思いでゲームを作ったのだろう。
たくさんの思いがあふれるはずだ。
大きなトロフィーをもらい、たくさんの拍手をもらい、多くの人に面白いと言ってもらえるゲームを作る。
僕の夢だ。
そう、夢だ…。
「君は何のためのゲームを作りたい?」
少女が僕にそう問いかけてきた。
僕は何のためにゲームを作りたいのだろう。
たくさんの人にやってもらいたいから?
ゲームクリエイターがかっこいいから?
なんとなく?
僕はいったい何のためにゲームを作りたいと思ったのだろう。
僕はいったい何をやりたいのだろうか?
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りりりりりりりりりり
「んん~、朝か」
さて、よくある小説みたいに自己紹介をしてみようか。
僕の名前は、八重樫ゆうき。どこにでもあるただの中学生。
将来の夢はゲームクリエイター。のはずだ。
「また、この夢か…。僕は本当にゲームクリエイターになりたいのだろうか。」
最近はずっとこのことを考えている。
やりたいことを、思いついて少しやってすぐにやめ。また思いついてはすぐにやめ。
【100人が興味を持ったら10人が実践をしてみて1人しか継続しない】というがまさに僕は実践をしてみた9人の中の一人なのである。
「そういえば」
ふと僕は思い出す。最近、夢の中に一人の少女が出てくるのだ。
僕の夢の中のゲーム制作メンバーの一人だと思うのだが、夢の中に出てきては僕に何かを問いかけては僕を惑わす。いったい、何なのだろう。
僕は、過去に一度ゲームを作ろうとしてメンバーを集めたことがあった。
結局はゲームについて話し合っただけで、いつの間にか自然消滅していた。しかし、いつも通りなら一度そうなったものは、たいていやる気がなくなり、その趣味は捨てていたのだが、思えば自然消滅をした後から僕はあの夢を見るようになっていた。僕は結局ゲームクリエイターの夢を捨てきれなかったようだ。
「とりあえず、学校へいくかあ」
僕はいつも通り朝ご飯を食べ学校へ向かった。