表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワンダラー放浪記  作者: 島隼
第四話 呪われた剣
42/42

第四話 【07】

 クレストの街の聖堂へと戻ってきた四人は、聖堂の扉を叩いたが何も反応が無い。

「誰も出て来ないな」

 扉を叩いたカイトが首を傾げると、横でジェイルが扉に手を掛けた。

「開いてるぞ」

 ジェイルは扉を開けるとそのまま中へと入ってしまう。

「おいおい」

 仕方なくカイト達も中へと入ったがやはり静まり返っている。

「……いい予感はしないな。クリフ殿の部屋に行ってみるか」

「ああ。そうだな」

 カイトは前を歩き始めると、ジェイルは最後尾に立った。部屋の端から廊下に出ると突き当りの部屋の前に立つ。

 カイトは扉を叩いたが、やはり返事はない。しかし、カイトは中の気配を探ると、頭だけでジェイルの方を振り向き頷く。ジェイルもそれに合わせて頷いた。

 カイトは扉を小さく開けると中を覗いたが、そのまま大きく開いた。

「なるほど。ジェイルのカンの当たりだ」

 カイトは中に入ると、エマも入り、ミーファはカイトの陰に隠れながら入る。そして、最後にジェイルが入った。

「なっ。言ったとおりだろ」

 ジェイルはまたも面倒そうな顔をしている。中にはクリフがいたがその首にはダガーが突きつけられており、クリフとダガーを突きつけている男を挟むように壁際に六人の傭兵と思われる者達が同じくダガーを片手に立っていた。そして、クリフの前には老人が膝を付いた状態でクリフ側を向いて震えている。

 ダガーを突きつけている男はドイズ・ゲルマン本人だった。

 そのドイズ・ゲルマンが口を開く。

「ふふふ。ご苦労。君達が瘴創剣を探していると聞いてね。そろそろ持ってきてくれるのではないかと待っていたんだよ。さすがにワンダラーのことはワンダラーがよく知っているようだ。さあ、その剣を渡してもらおう」

 ドイズ・ゲルマンは空いている手でカイトの持つ剣を指さした。

「ダメですっ!! 渡さないで下さいっ!!」

 クリフは止めさせようとするが、ドイズ・ゲルマンがダガーをクリフの首に食い込ませる。血は出ていなかったが、今にも皮膚を突き破りそうな程食い込んでいた。

「よせ」

 カイトは静かに言うと、ジェイルに視線を送る。ジェイルはその視線を受けるとエマとミーファを隠すように前へと出た。カイトもエマと並ぶように一歩下がる。

「政治家さんよ。そんなことしたら立場上まずいんじゃねぇのか。選挙控えてるって聞いたぜ」

「余計な心配だ。しゃべる人間がいなければよいだけのことだ」

 ドイズ・ゲルマンはダガーに力を込める。

「心配するなお主達には相応の報酬をやろう。それで街から出て行けばよい。どのみち根なし草だろう?」

「そのつもりには見えねぇが――」

 ジェイルは両脇にいる傭兵達に視線を向ける。傭兵達はその顔に笑みを張り付かせていた。その後もジェイルは雑談のような話を続けていく。

 カイトはその隙にジェイルの後ろに隠されたエマとミーファに小声で指示を出す。

「エマ、正面の男のダガーを持つ手を弓で狙えるか?」

「この距離で外すことは無い」

 エマは音を立てないように背中に背負った組み立て式弓をすばやく組み立てる。

「よし。ミーファ、両脇にいる傭兵達を風の魔法あたりで足止め出来るか? 一瞬でも構わない」

「足止め? なるほど。まかして。ちょうど試したい魔法もあるし」

「あんまり変なことするなよ」

「大丈夫だって」

 カイトは若干の不安を覚えたが、準備が出来たことを伝えるためにジェイルの背中を軽く突くとジェイルは後ろを向かずに軽く頷く。

「――ってことで、準備完了らしいぞ」

「ん? 何を言っている?」

 ジェイルは一歩横にずれるとエマは既に弓を構えており、ドイズ・ベイルのダガーを持つ手に向けて矢を放つと同時に他の三人も動く。

「なっ!!」

 カイトは矢を追うようにクリフに走り寄りドイズ・ゲルマンの矢が刺さった手を弾くとクリフを抱え込む。ジェイルは左側にいた傭兵に突っ込むと同時に、後ろにいたミーファの魔法が炸裂する。

「嵐よっ!!」

「どぅわああああっっ!!」

 ミーファが広げた両手から水分を含んだ重い風が吹き荒れ、クリフ達の両脇にいた傭兵たちをジェイルもろとも吹き飛ばす。ジェイルは風に飛ばされながらもしっかりと近くにいた三人の傭兵を巻き込み、膝と両手で傭兵三人を壁に叩きつけた。

 叩き付けられた傭兵たちはそのまま気を失う。

 逆側の三人も壁に叩きつけられ、気絶こそしていなかったが既にカイトが剣を突きつけており、動けない。

「ミーファッ!! 何しやがんだっ!!」

「しょうがないじゃんっ!! 邪魔なとこにいたんだからっ!! 慣れない魔法で都合よくジェイルをかわせる程制御出来るわけないでしょっ!!」

「慣れない魔法をこんな場面で使うんじゃねぇよ……」

「ミーファ、混成魔法を使えるようになったのか?」

 混成魔法とは複数の自然魔法を同時に使う高等技術であり、今のは水の魔法と風の魔法を同時に使い、風に水分を含ませて重くしていた。ミーファは混成魔法は使えず、以前の仕事で悔しい思いをしている。

「まぁね~。日々成長しているのだよ、カイトくん」

「カイトくん……」

 カイトは脱力を感じたがなんとか踏みとどまる。

「き、貴様らっ!! わ、わしにこんなことをしてただで済むと思っているのかっ!! わしはこの街の議員じゃぞっ!!」

 ジェイルは傭兵たちの足を止める役をカイトと変わると、カイトは今度は剣をドイズ・ゲルマンに突きつけた。

「このことが公になれば、議員の立場も今期で終わりでしょう。聖堂を襲った者が選挙で支持されるとは思えませんが?」

「ぬぐぐぐぐぅぅぅ。貴様らのその口を――」

「おいおい。この状況でそれを言うか。俺たちの口をこんな雑魚どもで塞げると思ってんのか? こんなの何人集めても結果はかわらねぇぞ」

 ジェイルは膝をついている一人を軽く蹴ると、その男は悔しそうな表情を浮かべたが、相手の実力がわかる程度の腕はあるらしく、人質がいなくなった状況で無理を悟ったのか抵抗はしなかった。

「んぐぐぐぅぅぅ」

 ドイズ・ゲルマンは悔しそうな表情を浮かべる。

 カイトは合図を送るようにクリフを見ると、クリフは静かに頷いた。

「ドイズ・ゲルマン殿。今回の件については目を瞑りましょう」

「えっ!! ちょっ――」

 ミーファは驚くが、カイトはミーファを見ると「何も言うな」と伝えるように首を振った。ミーファは訳がわからないようだったが、とりあえず口をつむぐ。

「ただし、この件については紙に記し、友人に預けたいと思います。もし、今後あなたがまた同様のことをするのであれば、その紙を公にして欲しいとの伝言を添えて。その変わり、今後二度とこの聖堂にも瘴創剣にも手を出さないのであれば、この件を公にしないことをお約束致します」

 クリフは相手が意味を汲み取れるように、ゆっくりとした口調で話す。

「ぬぬぬぬぅぅぅぅ。くそぉっ!!」

 ドイズ・ゲルマンは吐き捨てるように言うと、聖堂を出て行ってしまった。そして、その後を傭兵達が気絶した仲間を担ぎあげて後を追った。

 クリフは緊張の糸が切れたのか、膝を付きそうになったのをカイトが支え、椅子へと座らせると老人が心配そうに駆け寄った。

「ちょっと、カイト。いいの? 憲兵に突き出すんじゃないの?」

「いや、いいんだ。どの道憲兵に顔が効くみたいだからな。もみ消される可能性が高い」

「でも、これだとまた来るんじゃない?」

「大丈夫だ。権力ってのは麻薬みたいなものだ。一度権力を手に入れたものは、それを手放すことを恐れる。奴にとって、権力を維持するためにはこの件が公にならないことが必要だ。あいつが議員である限り、その立場が足枷となってここを守る。逆に議員辞職に追い込んで、ここを逆恨みされるほうが厄介だ。足枷のなくなった者は何をしでかすかわからないからな」

「え~。何か納得がいかないな~」

 ミーファは不満そうだ。その隣でエマも理解出来ないというふうに首を振っている。

「まぁ、世の中そう単純じゃないってことだ」

 カイトが誤魔化すように笑いながら言うと、ミーファは頬を膨らませた。

「みなさま。本当にありがとうございました。おかげで助かりました」

 椅子に座り老人が持ってきた水を口に含んだクリフは、少し落ち着いたのか顔を上げるとカイト達に頭を下げた。

 それに対してジェイルが答える。

「気にすんな。むしろちょうど釣り合いが取れて良かった。これで心置きなく報酬がもらえる。つまんねぇことを気にしてやがる奴がいたからな」

 ジェイルはカイトを見ると、カイトは頭を掻いた。

「ま、そうだな。大した労でも無かったしな」

「それより、瘴創剣をまた封印するんだろ? とっととやっちまおうぜ。ミーファ、いけるか?」

「まかして」

 ジェイルは後ろにいたミーファを見ると、ミーファは得意げ指を立てた。

「何から何まですみません」

 クリフは立ち上がると再度頭を下げる。

「全然気にしないで。あたしもやってみたかったし。輝石の準備は出来てる?」

「はい。言われた通り五十個程用意してあります」

「本当にそんなに輝石を使うのか?」

 カイトは不思議そうにミーファを見た。大抵の陣魔法には輝石を使うが、それでも多くても十個程度であり、五十個というのは聞いたことがない。

「うん。輝石にどれだけ魔力を蓄えられるかで、封印出来る期間が変わるからね。これだけ使えば相当持つと思うよ。私の魔力が足りれば、だけど……」

「とりあえずやってみようぜ。場所はどこだ?」

「はい。前と同じく地下になります」

 クリフは老人をその場に残し、カイト達四人を聖堂の地下にある一室へと案内した。そこはもともと瘴創剣が封印されていた部屋の隣であり、同じように何もない石壁で囲われた空間で床も同じく岩盤を直接磨いており、天井中央にあるランプが部屋を照らしていた。

「ここで大丈夫でしょうか?」

「うん。これだけの広さがあれば十分。じゃあ、さっそく始めるからみんなは壁際に寄ってて」

 ミーファは腰の革袋から魔法陣を書くための石灰石を取り出す。

「石灰石で書くのか? 彫り込まないと消えてしまうんじゃないのか?」

 前の封印の魔法陣は床に掘り込まれていた。

「平気だよ。掘り込んでたら一ヶ月くらい掛かっちゃうよ。まあ、見てて」

 ミーファは屈むと床に石灰石で魔法陣を書き始め、他の四人は書き終わるのを待った。

 

 しばらくして魔法陣が書き上がると、今度は輝石を要所に置き始める。その作業も五十個あるため、それなりに時間が掛かった。

「よし、っと。完成~」

「大分大掛かりな魔法陣だな」

 カイトは魔法陣を目で追ってみるが、複雑ということ以外はよくわからない。

「うん。封印の魔法陣は割りとね。さて、ここからが本番」

 ミーファは石灰石を仕舞い、かわりに腰に挿してあった自分の杖を手に持つ。

「よろしくお願いします」

 クリフはすがるような視線をミーファに送る。

「まかして。ジェイル、瘴創剣を中央の円に刺せる?」

「ん? そりゃ出来るが」

 カイトはジェイルに瘴創剣を渡し、ジェイルは魔法陣の中に入り中央にある小さな円の中に瘴創剣を突き刺すと、刀身の半分近くまで挿しこまれた。

「これでいいのか?」

「そ、そんなに深くなくてもよかったけど。まあ、いいや。じゃあ、魔法陣の外に出てて」

 ジェイルが魔法陣の外に出ると、ミーファは魔法陣の側で膝を付き、杖を魔法陣の端に合わせて突き立て目を閉じると深呼吸を始めた。

「めずらしいな。いつもは躊躇なくいきなり始めやがるのに」

「ああ。それだけ集中が必要なんだろう」

 ジェイルとカイトの言葉も聞こえていないのか、ミーファは何の反応も示さず深呼吸を続ける。そして、最後に大きく息を吸い込み呼吸を止めると、徐々に自分の魔力を魔法陣を送り込み始める。

 いつになく大量に発せられた魔力は、ミーファの全身を覆い揺らいで見える。その魔力が杖を伝って魔法陣に流れているのがカイト達の目からも見てとれた。

 ミーファはさらに魔力を放出すると、自分の髪まで浮かび始め、身に着けているローブもはためき始めた。

「大したものだ」

 その姿にカイトは感心する。

「……あまり体に良さそうでは無いが、ミーファは大丈夫なのか?」

 エマは表情から察することは出来ないが、ミーファを心配しているようだ。

「そうだな。ミーファの魔力の全量を知っているわけじゃないが、少し放出し過ぎに見える」

「こいつは、帰りはミーファを担いで帰る必要がありそうだな」

 ジェイルは頭を掻いた。

 ミーファはまだ魔力を放出し続けており、未だに『力ある言葉』を発さない。ここまで長く魔力を魔法陣に込めている姿は見たことがなかった。

 魔法陣は書かれた線が光を放っており、置かれた輝石は杖に近い方から順に輝きを増していく。

 そして、杖から一番離れた輝石が輝くと、ミーファはゆっくりと魔力の篭った不思議な響きのある『力ある言葉』を発し始める。

 『静かに在りし、根源たる美しき大地よ。時の経過を廃し、その美しき御姿を永劫の時の中で我らに魅せよ』

 ミーファが言葉を発し終えると、それに呼応するように輝石が目が眩むような光を一瞬発する。しかし、すぐに光は落ち着くと、僅かな光を放つのみとなった。

 ミーファも魔力の開放を止め、立ち上がろうとするが途中で膝が折れて倒れかけたところをエマが支えた。

「あ、ありがとう」

「大丈夫か? 顔色が悪いぞ」

「うん。ちょっと魔力、使いすぎたかも。でも、少し休めば治るよ……」

 エマはミーファを壁際に座らせると、そのまま眠ってしまった。

「封印は終わったのでしょうか?」

 クリフがミーファに聞きたそうだったが、起こせるような状態には見えなかったため、申し訳なさそうにカイトに目を向けた。

「終わったんだと思いますが……」

「試してみようぜ」

 ジェイルは魔法陣の中に入り、瘴創剣を片手で掴んで引き抜こうとするが、まったく動かない。

「びくともしねぇな」

 今度は剣を両手で掴むと力任せに引き抜きにかかるが、それでも瘴創剣は動かなかった。

「はぁ、はぁ、すげぇな。まったく動かねぇ」

 ジェイルは相当力を込めていたのか、顔までが赤くなっている。

「不自然なくらい動かないな」

 カイトはためにしに近くの魔石と化した輝石を軽く蹴ってみたが、まったく動かなかった。隣ではエマが石灰石の文字を足でこすっていたが、こちらも消えず、擦った後すら残らない。

 エマもめずらしく驚いていたような表情をし、カイトの方を見て首を傾げた。

「どういうことだ?」

「わからない」

 カイトは首を振るとエマと共にミーファを見たが、ミーファは眠り続けている。

「よくわからんが、とりあえず強力な封印が掛かったことは間違いないようだな」

「ありがとうございます。これで安心出来ます」

 クリフはカイト達に深々と頭を下げると、最後に寝ているミーファに改めて頭を下げた。

「これで仕事は全部片付いたってことでいいのか?」

「は、はい。何から何まで本当にありがとうございました。約束の報酬をご用意してありますので、上に戻りましょう」

 ジェイルは寝ているミーファを背負うと、全員でクリフの部屋へと戻った。

 

「こちらがお約束していた金貨五枚です」

 クリフは机の引き出しから革袋を取り出すと、中身を手の上に出して金貨を見せてから再度仕舞いカイトに渡した。

「確かに受け取りました」

「じゃあ、とっとと宿に戻ろうぜ」

「……茶葉」

「ん?」

 背中にいるミーファからか細い声がジェイルに耳に届く。

「……茶葉も」

 ミーファが目を擦りながら体を起こした。顔色はまだ悪い。

「何だ起きたのかよ。そういやそんな話してたな。おい、カイト。ミーファが茶葉ももらえとさ」

「ああ、そうだったな。クリフ殿、申し訳ありませんがクリフ殿が育てた茶葉も分けてもらえますか?」

「え? ええ、ええ。茶葉でよければいくらでも」

 クリフは部屋にあるティーカップが仕舞われている食器棚から茶葉を取り出すと、それもカイトに渡した。

「ミーファさん。一つお聞きしたいのですが、あの封印はどのくらい持つのでしょうか?」

「う~ん。結構輝石使ったから、数十年は持つと思う。石を触ってみて動くようになっちゃったら陣の更新をして」

 ミーファは弱々しい声で答える。

「わかりました。日々確認するように致します」

「もう寝てろ。後は宿に帰るだけだ」

「ん……」

 ミーファは返事をする代わりにジェイルの背中に顔をうずめた。

「ふふ。では、クリフ殿。我々はこれで」

「はい。本当にありがとうございました」

 クリフは再度頭を下げてお礼をすると、四人を聖堂に出口まで送った。

 

「何だか、楽な仕事だったような、いろいろあったような、変な気分だな」

「確かにな。大したことしたような気はしねぇが、最後だけはやたらと盛り上がったな。まぁ、報酬は良かったことだし、これで当分は食いつなげる」

「ミーファは大丈夫なのか?」

 エマはジェイルの背中にいるミーファの顔を覗きこむと、未だに眠り続けていたが、顔色は大分良くなっていた。

「魔力を使うと疲労感があるらしいからな。あれだけ大量の魔力を放出したのだから、相当なものだろう。今日はこのまま寝かせてやろう」

「うむ」

「しかし、なかなかの報酬だったな。これでしばらくは飲み代にはこまらねぇ」

「飲み代にする前に溜まっているツケを払ったほうがいいんじゃないか? ああいうのは払えるうちに払ったほうがいい」

「アホか。ツケは飲み代の残りで払えばいいんだよ。それより、ミーファを宿に連れて行ったらパーッと打ち上げと行こうぜ」

「私は遠慮する。酒場の雰囲気は好きじゃない。ミーファのことを見ていよう。二人で行ってくるといい」

「……俺も今日はちょっと疲れたな」

「嘘つけっ!! ほとんど何もしてねぇだろうがっ! カイト、お前は逃さねぇ!」

「せめて、日が変わる前には帰るぞ……」

 ミーファを連れて宿へと戻ると、ジェイルは嫌がるカイトを無理やり連れて、翌日の昼まで続くことになる飲みへと連行していった。

 

 おしまい

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ