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知ってしまった事実


私は新しく手紙を書いて、今日は屋敷にいると聞いたレクシオン様に会いに行こうとしているところ。


手紙は侍女の人に確認してもらったから、ちゃんと書けているはず。


喜んでくれるかな?

褒めてくれるかな?


……楽しみ。


ここにきて、たくさん楽しみを見つけられた。

全部レクシオン様のおかげだ。


通りかかった侍女の人にレクシオン様の行方を尋ねると、今日は1日執務室にいるということだった。


執務室まで来ると、話し声が聞こえてきた。


お仕事中かな?


「……………………それから、天候の安定化と疫病の感染者数の低下も、合わせて報告されています。」


「天候と疫病は、いつからだ?」


「数ヶ月前。ちょうど、お嬢様がこの屋敷にきた頃ですね。」


「そうか……」


「旦那様の思っていた通りになりしたね。彼女がこの国を救うための鍵になると。」


「おそらく、彼女の感情が天候の安定化や疫病の低下につながっている。彼女が生まれてからも国が安定しなかったのは、そう言うことなんだろう。そして、この屋敷に保護されて、やっと安心できる環境になった。感情も穏やかになったということだろうな。」


「そういうことでしたか。」


「彼女は、間違いなく神子だ。彼女を保護できてよかった。彼女には、国を助けてもらった。感謝してもしきれない。」


「そうですね。……………………」


私はそっと、執務室を離れた。

足音を立てないように、気づかれないように踵を返して、私の部屋に戻った。


部屋の扉を閉めて、扉に背を預けた。

力が抜けてしまって、ズルズルと床に座り込んでしまう。

ぐちゃぐちゃになった手紙が、手から抜け落ちた。


服が汚れちゃうから、立たないと。


そう思っても、足に、身体に力が入らない。


視界が揺れて、歪んでいく。

頬を涙が伝い、服にシミを作っていく。


あれ?

なんで、泣いてるの?

どうして、こんなにも胸が苦しいの?

どうして、心が痛いの?


殴られた時だって、嫌なことを言われた時だって、こんなに胸が傷んだことなんてないのに……


知ってたことなのに。

わかってたことなのに。


私を保護してくれたのは、私の力が目的だったなんて……


初めに言われたじゃない。

「力を貸してほしい」って。

「救ってほしい」って。

わかっていたじゃない。


それなのに、私は何を期待していたの?

自惚れすぎじゃない。


……あぁ、そっか。

私は期待していたんだ。

こんなにも優しくしてくれるから、特別な気持ちを持ってくれてるんじゃないかって。


……私って、馬鹿みたいに期待して、そうじゃないって分かって、失望するなんて。

なんて自分勝手で、わがままなの?

こんなんだから、みんなに嫌われるんだ。


いつの間に、こんな気持ちを抱いていたの?

ただ、力を貸してほしいがために、保護してもらってるだけなのに。

それだけの関係なのに。


初めはただ、私を守ってくれる優しい人ってだけだったのに。


いつの間に……こんなに好きになってたんだろう?


痛い……痛いよ……


失恋って、こんなに痛くて、苦しいんだね。


恋を知って、すぐに失恋するなんて。


あーあ……

本当に、馬鹿だなぁ……私って。






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