夢野いつき編 私の夢は"幸せを手に入れること"でした。
広大な青い海。空を見上げれば、空のほとんどがまるで青い海のような景色が視界いっぱいに広がっている。この世界は不思議なものだ。そんな景色を今、この景色を見られない人がいる。でもそれが面白い。私はこの景色を独り占めにしたいと思ったことがある。
例えば漫画やアニメに出てくる最強の主人公が、世界を救ったりハーレム、逆ハーレム状態になったりするけれど、そんなの私は関係ないや。と、自分には絶対に起こらないことを考えてしまう。
私は極度のオタクで、よく乙女ゲームをプレイすることがある。特に好きな乙女ゲームは『初恋のピンク髪』で、その作中で出てくる主人公ちゃんのセリフ「私はあなたに幸せにしてほしいんです!」というセリフがなかなか頭の中から離れない。
ついさっきまで、友達と明日の学校の話をSNSで話していたのにも関わらず、乙女ゲームのせいか、もう話した内容は全て忘れてしまった。
道の端を下を見ながら歩いている。その道の途中で、飼い主と散歩している犬に吠えられても、私は何も動じない。世界が、私を幸せにしてくれない。私が唯一幸せと思える空間が乙女ゲームで、私がオタクモードになるにつれて、未来は幸せで包まれていると感じる。だが、ゲームを終わるとそれはもう見えなくて、まるで私の心が枯れたように涙がこぼれ落ちる。
そんな時だった。私の家に一通の手紙が届いていた。普段手紙なんて回覧板か広告しかこないから、中身を開封するのにドキドキしていた。中を開けると、招待状と書いてあった。すると、文章を見た瞬間、一気に私の体の力は抜けた。ふわふわした。そして私はそのまま、意識を失った。
長文が書けない…。