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混線  作者: ゆにお
8/8

(完結)

ラストです!お読みください^_^

理由はわからないがハマってしまう作品。


それは、自分の無意識を投影している。


なぜそんな願望を持つに至ったのか理由すら分からない。でも、繰り返し選んでしまうモチーフ。


しかし、あまり浸りきるのはよくない。

また、あんな混線が起きてはたまらない。


瑞稀はそれ以降、『恋の罪』を見ないようにした。


そして、平日の明るい時間――その日も、書泉ブックタワーへ営業回りをしに寄った帰りだった――男に追いつめられたあのブロック塀の角へと行ってみた。

恐いもの見たさで。


十五時の太陽に照らされたそこは、あんな淫らなことが起きる場所にはまったく見えなかった。

何の変哲もない、単身者用とおぼしきマンションのごく狭い駐輪場の片隅。


あそこで自分は、見知らぬ男に抱きすくめられ欲情された。そして、頭や眼球の裏にタナトスの映像を見た。瑞稀は不思議な感覚に襲われた。


自分は一体、深層で何を望んでいるのか。


どんな種が自分の中にあるのか。


自分の何が、あの男の意識とつながり合い、彼を呼び出し、あの行動を取らせたのか。



――わからない。わからないけれど……。



瑞稀は、いつの間にか肩からずり落ちてた営業鞄のハンドルを、再び肩にかけ、そのヒールの足で力強く歩きだした。


秋葉原の改札をくぐり抜け、エスカレーターをあがり、飯田橋へと戻る黄色い電車に乗り込んだ。

目の前の座席が三つ空いていた。

そのうちの一つに、座った。



――あまり入り浸らないほうがいいのだろう。深追いしてはならないのだろう。そして何より、望んではいけないのだ。



私は普通に幸せで、普通に生きている。

だから、これ以上でも、これ以下でも望むことは愚かなことである。


瑞稀はすでに全てが満ち足りている。


何よりも、この明るい太陽の下で、真っ当に生きていかねばならないのだから。


【完】



過去の体験をもとに書きました!

最後までありがとござました〜

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