(6)
次の次で最終話になります。
完結までお付き合いください^_^
男がそのまま瑞稀に覆い被さってくる。
スーツ越しに男の体温が伝わる。
荒い息で瑞稀の髪の毛の匂いを嗅ぐ。
「ねえ、お姉さんって人妻?」
瑞稀は答えない。
男の陰茎がスーツの中で勃起していた。
瑞稀のスカートの奥の太ももや、恥丘の膨らみにそれが時々当たる。
それはまるで鉄の棒のように、硬くて熱かった。
男は瑞稀の首筋にそって、吸い付くように音を立てて唇を這わせ、次は唇にキスをしようとあごを掴んだ。
瑞稀は顔をしかめ、口を堅く閉じた。
その目で、男の顔を盗み見る。瞳孔が開いている。
瞳の奥に、青白くゆらめく炎が見えた。
その時、瑞稀の頭の中に映像が見えた。
まるで、おでこのあたりの頭蓋骨の内側がスクリーンになって、そこに映写機で写されるような映像だった。
ザザーーーッという砂嵐。そこにゆらりと浮かび上がり、ピントを結ぶ荒い画質の映像。
ホテルの部屋。白いシーツの上。裸の自分。
首に赤黒い痣がある。
そして、顔と股間が埋もれている場所に、丸くて黄色いシミがあった。
それらはおのおの、吐瀉物と失禁によるシミらしかった。
映像には第二波があった。
今度は、そのスクリーンがおでこから眼球の裏に移ったようだ。
目の奥に、ダイレクトに飛び込んでくる砂嵐。
そして、像を結ぶホテルの部屋と横たわる瑞稀の肢体。
シーツにできた2つの歪なシミ。
見えるものは、さっきと同じだった。
自分の肢体は微動だにしない。
呼吸をしている気配もなかった。
そのヴィジョンが、男の顔の上に重なって見えた。
真っ暗な場所だというのに、映像の光で目が痛かった。
チカチカと、眼球のつけ根に刺さるような感覚がした。
続きます!