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俺はあくまで王子様の友人ポジションなんだが、いつのまにかハーレムできてた  作者: 青春詭弁
第4章 王子様の友人ポジション
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手綱くんのこと好きだよね……?

 そんなこんなで翌日。


「ぬーん」

「手綱? おーい? どしたー?」


 目の前で冴島が変顔を始めているが、今の俺はそれを鼻で笑ってやることもできない。

 脳裏に浮かぶのは皇のことばかり。とにかく、皇が気になって仕方がない。


 重縄はあんなことを言っていたが、実際のところ俺をどう思っているのか。


「ぬーん」


 そんな感じで午前の授業は過ぎ去り、昼休み。

 うわの空で考え事をしながら歩いていた折、人気のない校舎裏で姫金と皇が一緒にいる場面に遭遇してしまった。


 咄嗟に建物の陰に隠れてから、「そういえば」と思い出す。昨日、姫金に皇と話して欲しいと言ったのだった。姫金は約束通り、皇と話をしてくれているわけか。


 姫金は秘密にされていたこと怒っているわけではないと言っていたし、おそらく円満に仲直りで終わるはず。とはいえ、さすがにちょっと心配なところもある。


「こそこそ」


 というわけで、俺は2人の会話を盗み聞きすることにした。

 刹那、頭の中に赤髪ツインテールの後輩が、「仲間!」と嬉しそうに肩を組んでくる光景が目に浮かんだが――頭を振ってそれを追い払った。


「あのさ……皇ちゃん。今までごめんね? 避けちゃったりして……でも、勘違いしないで欲しいの! あたし、皇ちゃんが女の子なの隠してたから怒ってるとかじゃないの!」

「姫金さん……」

「ただ、自分の中でどうすればいいか分からなくてさ。それで、いろいろ悩んで……でも、悩むくらいなら、あたしは自分の気持ちを正直に、伝えることにした」


 はて? どういうことだろう?

 俺が盗み聞きしながら首を傾げていると、姫金はおもむろに口を開いた。


「あたし……手綱くんのことが好き」


え。


「え? あ、うん……知ってた」

「そ、そうなんだ? あたし、そんなに分かりやすかったかな……?」

「いや、そもそも2人は……」

「ん? あたしと手綱くんが?」


 姫金が先を促すも、言いにくいことみたいで、皇は「ううん。なんでもない」と口を噤んだ。


「そう? まあ、えっと……それでさ? 皇ちゃんも……手綱くんのこと好きだよね……?」

「え? あ、ぼ、ボク?」

「うん。そうだよね?」

「え、あ、え……ううん! ぜんぜん! ボク、別に手綱くんのこと好きじゃないよ!?」

「え?」


え?


「いやいや、隠さないくてもいいって! あたし気づてるからさ!」

「いやいや、ぜーんぜん好きじゃないよ! セクハラ大魔神だし! かっこつけだし! 背高いし!」

「最後だけ褒めてない?」

「と、とにかくボクはぜんぜん好きじゃないから! ほんとに! 2人の邪魔をするつもりとか、これっぽっちもないからさ! うん!」

「え、あ、えっと」

「だから、牽制とかしなくても大丈夫!」

「け、牽制? 一体なんの話してるの?」

「いや、ほんといいから! うん! と、というわけで、ボクは2人の邪魔をしないようにするからさ! そ、それじゃ!」

「あ、皇ちゃん!」


 皇は逃げるようにその場を離れ、取り残された姫金は「あ、あるうぇ~?」と頭上に疑問符を浮かべていた。

 一方、とんでもない話を盗み聞きしてしまった俺はというと――。


「あるうぇ~?」


 姫金とまったく同じ反応をしていた。


 姫金が俺のこと好き? しかも、皇は別に俺のことが好きじゃない? おいおい、頭が混乱してきたぜ!


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― 新着の感想 ―
[一言] よーしよしよし。 朴念仁ハーレムルートに無事遷移しましたね! ・・・で、この後どーなるの?
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