堕落
何となくで結婚して半年が経った。
後の祭りだが失敗だったかもしれない。自由な時間というか、一人の時間がない。息が詰まる。やはり俺には結婚何てものは合わなかったのかもしれないと思い始めていた。
「ちょっと飲みに行ってくる」
「また?一昨日も行かなかったっけ?最近行き過ぎじゃない?」
最近じゃ、こうして文句を言われる。ほっとけよ。
「今日は久しぶりに昴と会うんだよ」
「昴?なら私も一緒に行っても良い?知らない人じゃないし」
「男同士で話す事もあるんだから遠慮してくれ」
「何それ。まあいいよ。分かった。あんまり遅くならないでね」
息が詰まる。
定期的に昴とは連絡を取っている。何となく気まずかったが、結婚した事も報告した。内心どう思っているのかは分からないが、祝福の言葉はもらった。
家に居たくないので昴を利用したって所もあるが、わざわざそんな事言う必要もないし普通に羽を伸ばしたかったので今回誘ってみた。
いらっしゃいませの声を聞き店内を見渡すと、手を振ってる昴を見つけた。
「悪い悪い。遅くなった」
「んにゃ俺もさっき来たばかりだ」
付き合いたてのカップルの様なやり取りをして、飲み物とツマミを注文した。
「珍しいな克己から誘ってくるなんて」
「たまには昴とも飲みたくなってな」
心にもないことを言う。まあ親しき仲にも礼儀ありだろう。
酒も入ったからか、いつの間にか俺も饒舌になり言わなくて良い事をペラペラと話し出してしまっていた。
「何か最近家にいても息が詰まってさ。俺結婚何かしなけりゃ良かったとマジ思うよ。」
「ずっと一緒にいればそういった気持ちになる事位あるだろ」
「まあそうかもしれないんだけどさ。刺激というか張り合いというかがたりないんだよな。適当に遊びてぇな」
この一言が余計だった。言ってしまった俺自身もやっちまったと思ったよ。
「お前それマジで言ってんのか?」
「昴も結婚とかすりゃ分かるって」
「ふざけんなよ?澄香がどんな気持ちでいるのか考えた事あんのか?」
なんだ?こいつもしかして澄香の事まだ好きなのか?
「何キレてんだよ。あれ?もしかしてお前まだ澄香の事好きだったりすんの?やろうか?」
「お前・・・マジひくよ。悪いけど俺帰るわ」
そういって金を置いて帰ってしまった。
何やってんだろ?俺