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先の見えない日々

「お疲れっしたー」

俺は車の整備の仕事についた。もともとバイクなんかをいじっていたし、一人で黙々と出来るしで性に合っていた。

「疲れたな。明日は休みだしパチンコでも行くか」

丁度今日は給料日だという事もあり、たまにはなんて気持ちで行ったのが運の尽きだった




「くそっ!なんなんだあの店はボッタクリじゃねーか!」

人生そんな上手くいくわけがない。かなりの金額をすってしまい、今月どうしようという状況になってしまっていた。まいった。本当にまいった。あそこで当たっていたら、あそこで止めていたらなんて事を考えるが、全ては後の祭り。


意気消沈しながら歩いていると、見知った顔が向こうから来た。俺的には会いたくなかった奴だ。


「おー克己じゃね?久しぶりじゃん」

無事大学に受かったとは聞いていたが、こんな所で会うなんてな。丁度良い。少したかってみるかな?

「久しぶりだな。昴。しっかり大学生してるみたいだな」

「まあな。克己は整備士?だっけか?やってるんだろ?どうだ?仕事は慣れたか?」

「ぼちぼちやってるよ。てか悪いんだけど少し金貸してくれね?パチンコで結構やられちまってよ」

「パチンコ?お前パチンコなんかやりだしたのか?やめとけやめとけ。ありゃ店側が儲かる様に出来てんだ。」

「ほっとけ。良いから金貸してくれよ。来月給料入ったら返すし」

「あー俺もあんま金ねーんだわ。親からの仕送りもそんな多くねーし。悪いな」

使えない奴だ。無いなら用はない。帰るか。

「あっそ。なら良い。じゃーな」

「ちょっと待てって。お前最近澄香と連絡取ってんのか?克己の事気にしてたぞ?大丈夫かな?なんて言って」

相変わらずあのお節介女は、お節介女らしい。

「余計なお世話だって言っとけ」

俺は悪態をつき手をヒラヒラさせながらその場を去っていった。




その日の夜、スマホが鳴り着信相手をみて俺はゲンナリするが嫌々出る事に。

「なんだ?」

「克己元気だった?今日昴と会ったんだってね?」

野郎、いちいちお節介女に報告しやがったらしい。

「まあな。用はそんだけか?他ないなら切るぞ」

俺はこいつと話していると間違いなく面倒になると思い、早々に電話切ろうとした。

「ちょっと!何で克己は私を避けるのよ。気になってたんだよ?元気なのかな?って」

「別に避けちゃいないよ。ただ面倒臭い」

「何よ!面倒臭いって」

やはり俺はこの女が苦手だ。まあ百歩譲って心配してるだろう事は理解するが、それにしたって他人に干渉しすぎだ。

「あー悪い悪い。物のついでと言ったらおかしいが少し金貸してくれ」

こうなったら利用してやろう。

「え?克己お金ないの?お給料とかは?貰ってるんでしょ?」

「貰ってるけど、無いからなー」

「何よそれ。全く仕方ないな~。私もそんな無いけど少しなら良いよ」

やはり馬鹿な女だ。まあ有り難い。今月はこれで何とかなりそうだ。

「悪いな。来月の給料入ったら返すよ」

「分かったよ。でもあんまり無駄遣いしたらダメだよ?ご飯食べてるの?」

あー面倒臭い。ほっとけよ。本当、こいつは何でこう人に入り込もうとするんだろう。理解出来ない。まあ余計な事言ってへそを曲げられてもいけないから無難に対応しておくか。

「ああ、大丈夫。有り難う」

「なら良いけど。私これからバイトなんだ。たまには連絡してよ。心配だからさ」

「分かったよ」

まあねと手を振りながら人混みに消えて行くのを見送り、俺はこれからどうするのか考えるのであった。

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