偽の愛を呟くか、気づきながら見て見ぬ振りをするか。どちらが辛いか?
これは私の実体験の話になるのですが__。
中学生時代。私は特に好きな人はいませんでしたが、仲のいい異性はいました。
ある日その友人と話をしていましたが、いつの間にか恋愛の話になっていて、お互いの好きな人を当てようという話になってしまったのです。いつもならばそんなことは口にしませんがその日は席替えがあり、好きな人と席が近くなって舞い上がっていたのです。つい言ってしまって友人と私は好きな人当てゲームをし始めました。
どちらも好きな人を当てれなくて残り5人になりました。しかし私は人には言えない秘密がありました。それは私の好きな人が同性だということでした。その秘密はどうしても言いたくない。バレて広ませてはいけない。しかし、あまり変な人を選ぶとそれはそれで広まってほしくない。そうすると必然的にその友人に決まってしまったのです。
残り3人。
残り2人。
とうとう2択になってしまい友人が言った答えを否定すると友人は解り易くびっくりし、ゆっくりと「じゃあ・・・?」と友人は自分自身を指し私に聞いてきました。私は肯定の意味で首を縦に振りました。その時私はこの時この友人を口止めしなければ。と思っていました。
それは美形でもない私が学年全体にこのことが知られたくなかったからです。本人の目の前で本人が好きな人だと言えばそれはもう告白と変わりはありませんから。しかしこの友人はとても頭が回るので口止めなんて事はできないと思いました。なので私はこの友人と付き合って口止めをしようと考え私は混乱しているであろう友人に追い打ちをかけるように、
「よかったら付き合ってください。」
そう声を掛けました。すると友人は自分はずっと前から私のことが好きだった。と言ってきました。友人とはお互い図書館の常連なだけだと思っていたが相手は好意を持っていた、そんな恋愛漫画みたいなことが本当に起きるのか。しかし、私は友人のことが好きではない。そんなことで私達は友人から何か欠けている恋人へと関係を変えた。私の初めてのお付き合いは好きではない人でした。
最初は少し好きになっていたかもしれません。まさか恋愛に興味無さそうな私が付き合ったと知ったらまだ恋人がいない陽キャの1軍はさぞびっくりするだろうと優越に浸り、頭がいい恋人が好きでした。しかしそれは3ヶ月ほどで冷めました。元々好きではありませんでしたので。最初は毎日トークアプリで「好き」なんて言える心を持っていましたが、段々とそんなことを言える心は軋んで欠けていきました。その心はどんなに直そうとしても直りませんでした。
段々と思うようになってきました。私はロボットか?相手からの愛に「嘘」の愛を送り返す。そんな決まった動作しかできないから。学校だって行きたくない。会いたくない。
毎日送っていた「好き」は段々と見なくなりました。返信も遅れたりと明らかに好意がないと思う対応をしていました。しかし恋人は何も言ってきませんでした。これは鈍かっただけなのか、それともわかって何も言わなかったのか。
ここまでしか私は記憶がありません。
今私は結婚していません。このことからこの恋人とはどうなったのかは容易に想像できます。
貴方の理想にピッタリ合う人なんてあまり会えません。しかし、決してこれだけは忘れないでください。
「嘘はつかないこと。嘘をついてまで無理に付き合わないこと。」