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影殺しの零  作者: 篠宮菜月
第壱幕 零入隊編
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第捌話 庇護の就任と零会議

愛花がアルカディアに連れ拐われたを受け、全員広場に集められた。会議を始めた直後に健太が俺に一発ぶん殴る。胸ぐらをしてまで暴言を浴びせた健太に何が起きたのか分からなかった。


「結局救えないじゃねぇか!! 影一体殺しただけで何が出来るんだよ……」


「お前の言うとおりだよ。俺は、零にいる価値などない。だから、罪を償うしか…」


「言い過ぎだ、健太」


途中から話を割った陽仁。少し溜息を吐いてから鞘から刀を抜き、健太の肩に置く。少しでも動けば出血を起こす。悠斗を嫌っていた健太が震えていた。言葉を失ったかのように口を動かしても言葉にならない。


「何の、真似だ。陽仁、本気じゃ…」


「本気に決まってるだろ。よく考えてみろ、素人が影を目の当たりしても刀を持てば一目瞭然。影に隙を与えず殺した悠斗に零の資格を持つ価値などない。とは、言わないよな?」


刀を投げ捨て、悠斗に近付き手を添えて深く土下座をした健太。俺と健太は、和解したところで会議を再開したのであった。庇護の空席、愛花の奪還、アルカディアについて話し合った。


最初に庇護の空席についてだ。駿太の裏切りによって庇護が一つ空席となる。そこで、誰が就任するのか決まってないのでこの会議で決めようと考えたのだ。すると、陽仁が


「零の庇護、やってみないか? 悠斗」


と俺に声を掛けた。まだ心の準備も出来てない。でも、愛花を助けられなかった後悔を償い俺は、


「零の庇護、佐藤悠斗。ここに就任する!!」


約束したんだ。一度、交わした約束から諦めきれないのが俺の癖なんでね。これで一つ目の件は、終わった。


次に愛花の奪還についてだ。連れ拐われた場所の見当は、ついてる。だが、ここから問題だ。ここは、京都。東京の浅草まで数時間掛かる。どうやって行くべきか。もう、あれで行くしかない。


「列車ならどうだ?」


「列車だと!? 馬鹿か、お前!! 庶民にバレたらどうすんだ!?」


後から分かったことだが零は、政府から認められてない武装組織だった。零を知ってるものは、極一部の人間しか知らない。庶民も利用している列車にどうやってバレないで行くか新たな疑問が出て混乱しそうだ。


「変装して行くのは、どう?」


健太の提案と俺の提案が正に一石二鳥となり、着々と課題が消えていく。残るのは、一つ。アルカディアについてだ。奴は、何人殺したのか知らないが生かしておける訳がない。記憶操作で以前から居るよう書き換えられていたのだ。とんだ化物だ。何より俺の家族を殺した張本人。たった一つしかない命を奪った奴に許すとでも思うか。


「アルカディアは、俺が殺していいか? 俺の家族は、アイツに奪われた。罪を償ってもらいたいんだ」


「悠斗に任せる。だが、絶対死ぬなよ」


「勿論だ。もし俺が暴走したら全力で止めてくれ」


俺達の影殺しは、まだ始まったばかりだ。そして、時は同じくアルカディアも動き出したのだ。

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