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影殺しの零  作者: 篠宮菜月
第壱幕 零入隊編
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第伍話 一騎討ち

鞘から刀を抜く悠斗。誰もが騒然となる。殺意を威圧で見せつける俺に健太は、一つも怯えない。怒りしか頭に入ってない悠斗に愛花は、止められなかった。同じく健太も、鞘から刀を抜く。


「忘れるなよ。許すつもりないから」


刀を構えた直後に目の前から健太の姿が消え、背後に近づく。気付いた時には、振り下ろす直前で健太の刀から何とか交わし逃れた。決して、気付かなかった訳ではない。何しろ健太は、一歩も動いてないのに目の前にいたからだ。


「お前。まさか、夢の庇護か?」


「それがどうした? 俺の黒夢に勝てないとでも思ったか」


黒夢に勝てない悠斗の様子を見て陽仁は、違和感を抱く。昨夜の出来事は稀なのか。黒夢を悠斗に突きつけ終わりを示した。


「これで終わりだ。最後に言い残す言葉は?」


「最後に、はぁはぁ…最後に言わせてくれ。愛花に謝れ、葛野郎」


誰もが健太の勝利しか思っていなかった。だが、一人だけ信じているものがいた。悠斗に届く精一杯の声で励ます愛花。刀を支えながらふらつくも起き上がり、愛花の言葉に応えた。


「……ありがとう。君と出会えて良かった」


もし、健太に勝てるなら愛花と居たい。俺が居なくなったら誰が愛花を守るんだよ。餓死してたまるかよ!?


悠斗の髪の毛や瞳の色が変わり、刀を構えた。見違えた別人かのように見えない速度で健太の背後から蹴りを入れた。だが、健太の黒夢は頭上に投げたことで回転の速度が上がり、悠斗の腹に激痛が走る。


「ぐふぁ!!」


それでも、黒夢を強く握りしめ立ち上がった。黒夢を握った手は、当然真っ赤だ。痛いさ、だから我慢するんだよ。健太は、黒夢から力を抜け震え上がる。息が荒くなり、遂には背中を向けた。


「お、おお、俺の負けだ。だ、だから殺さないでくれ……頼む!!」


意識は、ここで途切れた。不思議なことに昨夜と同じ光景で記憶も正直覚えてないので曖昧だった。

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