第85話 キュウと みんなで おまつりじゅんび
<<キュウ視点>>
リアラのところで、ロンのせなかにはる、しっぷづくりのおてつだい。
かわいたくさから、ちいさなはっぱをとって、あつめてく。
それをいちにちやったら、リアラにあたまをなでられた。
「よくやったのじゃキュウ。おかげで、湿布の材料は十分集まったのじゃ」
「もおっと、できうー」
「ふふふ、やる気十分じゃのう。じゃが、こっちはもう大丈夫じゃよ。なにせ、今ある湿布用の薬草の葉は全部むしり終わったのじゃ。続きは、干しておる薬草の乾燥を待たねばならぬ」
「ロンのぶん、たりう?」
「足りる足りる。ロンだけでなく、今いる患者すべてに行きわたってなお余裕が出るのじゃ」
「ほかーに、おてつだい、あう?」
「そうじゃのう」
おててで、じぶんのあごをなでたリアラは、まどのそとのほうをみた。
「明日からは、料理のほうの手伝いをしてみてはどうじゃ? あっちは祭りの準備で、リスの手も借りたいぐらいじゃろう」
ということで、つぎのひにいったのは、しょくどう。
おくにある、ちょうりばで、カエデのおてつだい。
カエデは、あさからいそがしそうに、ちょうりばのなかをあっちこっちあるきまわってる。
いろんなひとに、いろんなやくめをつけて、しじをだしてる。
わたしは、こむぎこを、こねこねするやくになった。
これが、パンのもとになるらしい。
こねこね、こねこね。
こむぎこに、おみずをまぜて、こねこね、こねこね。
こむぎこをこねこねしてるうちに、さいしょはかたかったのが、だんだんぐにぐにになっていくのが、たのしい。
「キュウさーん。そっちにあるのは、こね終わったパン生地ですよね」
「あい」
「持っていきますねー」
さっきまでこねこねしてた、こむぎこのかたまりを、カエデがもっていく。
「カエデー。あっちの窯の火力調整、終わったよー」
へやのおくから、ユニがでてきた。
はなのさきっちょが、くろっぽくよごれてて、ちょっとこげたにおいがする。
「あら早い。ありがとうございます」
「一応、試してみてね。細かい火加減のことは、よくわかんないから」
「わかりました。もう少ししたらお肉が届くと思うので、それを焼いてみましょう」
カエデが、ユニをみながら、じぶんのはなをゆびさす。
「それと、手と顔を洗ったほうがいいですよ。ちょっとススがついてます」
「ありゃー、わかったー」
ユニがそとにでると、いれかわりで、へいしのひとがはいってきた。
「カエデ様。先日のカブトイノシシのうち一頭分の解体が間もなく終わります。予定通り、こちらに運んできてよろしいでしょうか」
「あら、そっちも早い。肉の仕込み班の皆さーん、そちらの大机はもう空けられますか?」
「すぐに空けます!」
となりのつくえが、どんどんかたづけられていく。
「はい。ではイノシシ肉をこっちに持ってきてください。念のためですが、そのイノシシは例の呪いに汚染されてないものですよね?」
「もちろんです。呪いに汚染されたカブトイノシシは、すでにムスタ様が持って行っちゃいましたよ」
「なら混ざる心配もなさそうですね。解体のほうは他に問題ありそうですか?」
「今のところ順調ですが、数が多いですからね。やはり今日中にすべて解体するのは難しそうです」
「それは仕方ありません。予定通り可能な分だけ解体して、残りは引き続き保存です」
「承知しました。解体班に伝えます」
へいしのひとがでていった。
「さあ、もうすぐカブトイノシシ肉の塊が来ますよ。こっちに来たものは、今日中に全部処理して冷温室に保管しますからね」
「「「ハッ!」」」
カエデがいうと、おにくしこみはんのひとたちが、げんきなこえでへんじする。
「アエデ。おにく、ぐりぐり、すーる?」
「ぐりぐり? あぁ、コロッケ用のひき肉作りですか。そうですねー。今はまだやらなくて大丈夫です。お肉をぐりぐりするのは、お祭りの日の朝ですね」
「おあつり! わあった!」
カエデとわたしが、おまつりのことをいうと、みんながえがおになる。
みんな、たのしみ。
わたしも、たのしみ。
おまつりのひには、ロンもうごけるって、リアラがいってた。
ロンと、はじめての、おまつり。
だから、すごく、たのしみ。
「今はもうちょっと、パン生地作りをお願いします。コロッケと違って、パンは日持ちしますからね。今のうちにたくさん作っておきたいのです」
「わあった!」
「飽きてきてるかもしれないけど、もうちょっと頑張ってくださいね」
「あきない! たのしい!」
「ふふ。キュウさんは本当に良い子ですね」
カエデが、にっこりわらう。
パンきじ、どんどんつくろう。
カエデにやいてもらって、おまつりのひに、ロンにたべてもらうんだ。




