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徹甲弾装填完了、照準OK、妹よし!  作者: 犬尾剣聖


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81話 依頼

遅くなりました!





 まず俺達はハンター協会へ行くためにアシリアの街へと戻ってきた。


 買取所で戦利品を買い取ってもらったり、ハンター事務所で討伐褒賞をもらったりと、以外とやることは多い。

 そして俺は再び拉致されることとなった。

 今度はハンター事務所にだ。




「そうか、だいたいの話は理解できた。それとこのたくさんの写真のだが、ピントがぶれてなければ結構な情報料を払えたんだが、これじゃあ全く払えんな」


 今俺はハンター事務所の別室で所長と話をしている最中だ。

 ここの所長というのはなんと女性だ。

 口調はまるで男なのだが、身長140㎝くらいしかないちっこい女性だ。

 確か所長は25歳だと耳にしたことがある。

 実際に見てさすがにちょっと驚いたけど10歳前半の女の子にしか見えん。


 俺の目の前には軍から返してもらった写真がテーブルに多数のせられている。

 しかしオーク軍を撮った写真、つまりソーヤとタクが撮影した写真だけピントがブレていて、映っている戦車や武器がはっきりわからないのだ。


 あれ、でも軍の士官からは何も指摘されなかったぞ。

 どういうことだろう。

 聞いてみるか。


「このピンぼけですけど、軍の士官からは特に何も言われなかったんですけど」


 俺が質問すると、所長はその辺に関して説明してくれた。


「我々ハンター協会よりも軍の方が情報を沢山持っているからな。多分、そのピンボケ写真の情報はすでに手に入れてたんだろうな。写っている戦車の種類や火砲の種類はもう把握してるんだ思う。我々の情報網では軍の情報網にはかなわんからな」


「だったら軍からその情報を聞けばいいんじゃないですか」


「そうできれば良いのだがな、我々ハンター協会と軍とではそれほど中が良くないんだ。だからほしい情報は自力で調べるか、内通者に金を払って聞き出すしかないんだ」


 大人の事情ってやつらしい。

 

 でも偵察にソーヤとタクを行かせたのはまずかったみたいだ。

 写真くらい撮れると思ったが無理だったようだ。

 でもケイが撮った撃破証明の写真は上手く撮れてるんだけどな。

 タクとソーヤのセンスの問題なのかもしれない。


 所長には情報料を請求したんだけど、逆にちゃんとした情報を集めてこいという話になった。

 もう一度写真を撮って来いというのだ。


「あの、それって仕事依頼ということですか?」


 俺が尋ねると鼻を鳴らしながら所長が返答する。


「ふん、そうだな。指名依頼と言うことにしてやろう」


 まさかの指名依頼だ。

 4等級のハンターが指名依頼など聞いたことがないけど、戦時下ということなんで特別なのかと思う。

 指名依頼はどうでもいいんだけど、肝心なのは依頼料金だ。


「それでお幾らでの依頼なんでしょうか」


 俺が恐る恐る聞いてみると所長は少しだけ考えてから答えた。


「そうだな、1人につき1,600シルバ――」


「お受けいたしましょう!!」


 俺の早い返事に所長の目はカッと見開いたままだ。

 凄い、指名依頼ってこんなにもらえるんだ。

 ここから2時間かからない場所での仕事なのに通常の2倍以上だ。

 うまくやれば半日で終わる依頼でこの金額は美味しいぞ。


 所長は話を続ける。


「そ、そうか。受けてくれるか。足りない弾薬と燃料は補充を許可する。後で受付で申請書類を提出してくれ。それですぐにでも出発してもらいたいんだが」


 なんと弾と燃料の補充も受けられるとは。

 どんだけ待遇が良いんだよ。

 あ、でも軍で補充したばっかりなんだよな。

 それでも予備としてもらえるものは貰っておくけどね。

 しかしすぐに出発は無理だ。


「直ぐに出発は無理なんですよ。自走砲の旋回に不備があるんです。修理しなくちゃいけません」


 すると所長。


「そうか、それならハンター事務所の整備工場で見てもらえ。所長に言われたと言えばわかるようにしておく。最優先で修理してもらえ。修理代もハンター事務所が持つ」


 なんかすごくね。

 至れり尽くせりだ。

 俺はとっとと契約書にサインして部屋を出た。


 よし、俺でも良い仕事を取ってこれる事を早速エミリーに自慢しよう。

 集合地点のハンター事務所の待合ホールへ行くと、すでにチームの皆さん集まっていました。


 俺が自慢げに話を切り出した。

 

「すげえ美味しい仕事を見つけてきたぜ」


 所長との話の流れを説明し終わり、どうだとばかりに見回すと、エミリーだけがため息を漏らして呆れ顔だ。

 俺は何か変な事言ったか。

 

 するとエミリーが俺の見せた契約書を見ながら口を開く。


「お兄ちゃん、この依頼の意味が解ってるのかな」


「は?」


「これって敵陣営の戦力を偵察してきてねっていう依頼でしょ。それもゴブリンじゃなくてオークの本隊よ」


 そこまで聞いて俺はリスクを想像してみた。


 さっきは廃墟の街は占領されたばかりだったから守備隊も配置してない状態で無事に帰ってこれたけど、時間がたった今ではちゃんと歩哨も立ってるはずだ。

 侵入するのは大変だと予想できる。

 それに敵はゴブリンではなくオークだ。

 見つかったらゴブリン相手のように簡単に蹴散らして逃げてこれるほど簡単ではない。

 1日で行って帰って来れる訳がない。


 やばい依頼受けちゃったのか。

 そうだ、今すぐ断りに行ってこよう。


 俺が慌てて契約書を持って行こうとすると、エミリーが俺の腕を捕まえた。


「お兄ちゃん、指名依頼は一回受けたら断れないよ」


「まじですか……」


「うん、それにね、指名依頼を失敗すると凄くハンター評価に響くからね。4ランクハンター程度だと一発で5ランクへ降格もありうるからね」


 どえらい依頼を受けちまったようだ。

 

「エミリー、どうしよう」


「そんなのもう、やり遂げるしかないじゃない。覚悟を決めてがんばりましょ」


 これでますますエミリーには頭が上がらなくなる俺だった。









ちょっと投稿が苦しくなってきました。


しばらく1日おきくらいの投稿になりそうです。




次話投稿は明後日の予定です。


よろしくお願いいたします。


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