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徹甲弾装填完了、照準OK、妹よし!  作者: 犬尾剣聖


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144/282

144話 無双

短めです







 俺は隠れていた場所からゆっくりと出て行き、近くにあった棚らしき上に登り仁王立ちした。


 ゴブリン歩兵が俺を見て唖然としたまま固まっている。


「さてと、休憩時間はここまでだ」


 そう言って短機関銃を構えると容赦なく引き金を引いた。


 正面で固まっていた1匹のゴブリンの顔面に弾丸が集中し、跡形もなくなる。


 右に3匹。

 そのまま引き金を引きっぱなしで銃口を右へと滑らせる。


 我に返った3匹が逃走しようと背を向けるが、その背中に均等に2発ずつの弾丸が命中して緑の悪魔たちを粉砕する。


 マガジン内にはあと数発残っているはずだが、早めに弾倉交換をする。

 マガジンチェンジをしながら横っ飛びして瓦礫の隙間に入り込む。

 いつもなら大切に持ち帰る弾倉を惜しげもなく投げ捨てる。


 マガジンチェンジ終えると、物陰に隠れたゴブリンへと牽制射撃を加えつつ移動する。


 物陰から突如ゴブリンが手榴弾を投げようと腕が現れるも、その手首に弾丸が命中。

 手に持っていた手榴弾がその場に落ちる。

 手榴弾を落としたゴブリンが、爆発から退避しようと物陰から飛び出したところに、俺の短機関銃の銃口が待ち構えていた。

 短機関銃の弾丸と手榴弾の破片のダブルパンチ。

 見るも悲惨な姿へと変貌した。


 俺が移動した先には大きな瓦礫がり、その後ろに身を隠す。


 上の階がちょっと騒がしくなり見上げてみる。

 すると俺のいる場所目掛けて3階から手榴弾がいくつも落ちてきた。


 ただラッキーなことに、ことごとく瓦礫の隙間に落ちてしまい、手榴弾の破片は俺に届かない。

 俺へ届いた唯一の攻撃は、鼓膜を痺れさせるほどの爆音。


 しかし上から攻撃されるのは不利だ。

 牽制用に手榴弾を3階へと投げ上げて、その隙に別の場所へ移動して一旦避難した。


 う~ん、何とかして3階へ上らないと。

 しかし2階から3階へと上がる階段が崩落してしまったから、上階へ上るのが難しい状況。

 倒れた柱を使えば上がって行けない事はないが、敵から丸見えで射的の的になってしまうだろう。

 間違いなく集中砲火の射線上に身を置くことになる。


 時計を見る。

 あと5分で始まっちまう。

 そう、あと5分したら味方がこのビルへの攻撃を開始する時間になるのだ。

 ここにフラッグが無い場合は俺が発煙筒を焚くのだが、その合図がない場合は攻撃が開始される手はずとなっている。


 隠密奪取が無理そうだ場合は、その攻撃に乗じてフラッグへ近づく作戦だったのだが、すでに敵に見つかってしまっている。

 それに3階へ上がれない、つまり3階にフラッグがあったとしても近づく事もできない。


 そんなことを考えていたら、3階の敵に俺が隠れている場所が見つかった。


 3階のゴブリン共から俺の隠れている場所に、一斉に銃弾が撃ち込まれだした。

 拳銃弾が飛んでくる中に、時折凄まじい威力の弾丸も撃ち込まれる。

 くそ、生身の人に対して対戦車ライフルを使うなよ。


 しまいには火炎瓶まで投げてきた。

 手榴弾と違ってコンクリートにぶつかっても跳ね返らず、ぶつかった瞬間に瓶が割れて発火するので、瓦礫の隙間に入り込むこともない。

 それに火炎瓶はしばらく燃え続けるのだ。

 非常に厄介極まりない。


 ただ、仕返しもしてやった。


 投げ放たれた瞬間に火炎瓶に弾丸を当ててやった。

 空中で瓶と一緒に炎も四散して、投げたゴブリンに炎が降りかかる。

 一瞬にして火だるまだ。


 するとゴブリン歩兵が遂に本気になったのか、次から次へと火炎瓶を落としてきやがった。

 さすがに連続で落とされると俺も逃げ惑う。

 

 そこへ別のゴブリンが拳銃で狙い撃ちしてくる。


 だが上からの攻撃ばかりではない。

 俺が今いる1階にも、数は少ないようだがゴブリン歩兵がいるのだ。


 そこで時間が来た。

 味方の攻撃の始まりだ。


 戦車砲が次々にこのビルに撃ち込まれる。


 「なんだよ、俺がいるってのに全然遠慮しねえじゃねえか!」


 しかし逃げる訳にもいかない。

 この砲撃で敵が混乱している隙になんとか3階へ移動しないと。

 俺は倒れた柱を使って3階へ行く決断をした。


 よし、一気に走り抜ける。

 

 俺は短機関銃を背負い、代わりに腰に吊っていた拳銃を取り出し、スライドを引いて射撃準備する。

 スライドが「シャキンッ」と心地よい金属音を響かせる。


 そして大きく深呼吸したのち俺は一気に走り出した。

 そして倒れた柱の上にひょいと飛び乗る。


 ゴブリンが1匹、俺を指さして叫んでいる。

 俺はそれに構わず柱の上をひた走る。


 しかし思ったより柱が欠けたりしていて走りにくい。

 

 それでも走ることに集中し、あと少しで3階フロアにたどり着くというところで左脚に激痛が走った。


 「やばい、撃たれたっ」と思った時には自分の左脚では踏ん張る事もできずに、一気に体制が崩れていく。

 そして自分の意思とは関係なく、柱の上で前のめりに倒れ込んだ。


 しかしそれでも俺に向かってまだ、激しい銃弾が撃ち込まれてくる。


「くそ、あと少しなのに!」


 だが、ここで止まっていればさらに銃弾を浴びることになる。

 足を引きずりながらも3階フロアに倒れ込む。


 そこでまず俺の視界に入ったのは、中央の壊れたテーブルの上に置かれた『フラッグ』だ。

 そして次に目に入ったのは、その周りにいるゴブリン歩兵6匹だった。


「あ、どうも……」


 思わず挨拶をしてしまった。


 当然の如くゴブリン達は俺に向かって銃口を向ける。


 「やばい」そう思った時だった。


 先ほどの2階が滑落かつらくした時と同様にビルが激しく振動し、物凄い衝撃音が聞こえたのだった。


 

 












主人公の得意分野である近接戦闘です。

CQBとか言われる奴ですね。


ちょっとしたゴブリン無双です。

少しだけやられちゃいましたけどね。







という事で次回もよろしくお願いいたします。








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