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僕が主人公じゃないの!?  作者: 阿兼 加門
第1章 主人公を求めて
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06 ご飯食べてるとこ見てたら…


 秋人と別れ、自分の部屋に戻ってからスキルの確認や能力の使い方を検証していたら、いつの間にか夕食の時間になっていた。

 食堂に行くと既にクラスメイト達が全員揃っていた。みんな食事をとったり友達と話をしたりして過ごしている。


 全員が揃ったのを確認したのか、リーダー様が立ち上がり話し始める。


「みんな、俺の話を聞いて欲しい!」


 そう言うと騒がしかった食堂が静かになる。みんなリーダー様が何を言うのか待っている。


「俺達は今日、この世界に来た。まだこの世界のこともこの国のことも良く分からない状態だ。急に家族と離ればなれになり、暫らくはこの世界で生活していかなければならないだろう。だから皆不安を感じている思う。だからこそ俺達はひとつに纏まる必要があると思う」


 そう言うとリーダー様は周りを見渡し話を続ける。


「王女様は言っていたよな、俺達には魔王を倒す力があるって。魔王を倒せば報酬も手に入る、地位や名誉だって手に入るかもしれない、日本に帰ることだって出来る。だったらさ、魔王を倒してしまわないか?」


 リーダー様の言葉に、お調子者担当が続く。


「おおー翔がそう言うならおれっちも着いて行くぜー。それにこっちの世界って一夫多妻がありなんだってよ。魔王倒したらハーレム作り放題じゃねー?」


「まじで、ハーレムありなの?」

「ばーか、おまえじゃ相手されねーよ」

「俺も貴族とかなりてー」


 ハーレムと聞いて男子の何人かが反応し、それを女子が醒めた目で見ている。


「てかリアル王子様との結婚とかってありえるんじゃない?」

「えーまじで。帰れなくなるわー」

「貴族婦人とか、ちょっと憧れる」


 この調子でいくと賛成多数で可決されそうだね。


「どうだろみんな、俺について来てくれないか?」


 リーダー様が話をまとめはじめる。


 ていうかついてくるって話はしてなかったよね。教師もいるのに立場ないでしょ、あの人。


 教師は部屋の隅っこのほうで静かに食事をとっている。


 あの人、秋人の次にステータスが低かったから、色々諦めているのかも…


「おー頼むぜ翔」

「一条君なら安心よね」

「しゃーねーな、ついていってやるよ」


 リア充グループを中心にどんどん賛成の声が上がる。


 ここで反対の意見が出なければ話は決定だろうね。でもあの委員長なら空気を読まずに反対意見を言いそうだね。


 期待をこめて委員長を見ると、委員長は我関せずと食事をとっていた。


 委員長ーーーー!?


 まじであの人はスパイなんじゃないだろうか。こんな場所でもしっかりとよく噛んで味わって食べているし。


「ありがとう皆。皆で力を合わせたら魔王だってすぐに倒せるに違いないさ」


「「「おおーー」」」


 あ、委員長を見てる間に話が纏まったみたいだ。


お読み頂きありがとうございました。

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