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僕が主人公じゃないの!?  作者: 阿兼 加門
第1章 主人公を求めて
33/129

33 選択肢


 115階層にはトリケラトプスがいました。

 何ですか? ロマン階層ですか? あの恐竜ですよ。マンモスとは違った感動を与えてくれるよね。

 マンモスは色々とタイミングが悪かったから……。


「おおー見てみて、トリケラトプスだよ、3本の角が立派だよねー」


「確か草食の恐竜だったかしら? ずいぶんと大きいわね」


「大きいということは足が弱点というわけですね」


 え? トリケラトプスを攻撃するの? みんなが大好きな恐竜だよ。


「かっこいいよね、トリケラトプス。地球では既に絶滅して見ることができないけど、こんなところで見られるなんて驚きだよね」


「地球で絶滅しているのはマンモスも同じでしょ」


 やばい、マンモスと同じ末路をたどる未来が見えてきたー。


「そうですね、初めて見ましたけどかっこいいですか?」


 駄目だ、賛成1反対2で負けてる。


「今はもう見れない光景なんだよ、ロマンを感じるでしょ?」


「確かに凄い光景なのは分かるわ、でもあれは恐竜ではなくて魔物だから」


「そうですね、ここは迷宮ですから倒したとしてもまた現れますよ」


 ……あ、そっか。迷宮だから絶滅とかはないのか。


「迷宮すごいな……、地球にも迷宮作ればいいのに」


「できる訳ないでしょ、そういうスキルでもあれば別かもしれないけど」


「スキルですか? どんなスキルがあれば迷宮が造れるのでしょうか?」


「ユニークスキルだよね、迷宮を攻略したら覚えられたりしないかな?」


「あるわけないでしょ、ほらさっさと魔物を倒すわよ」


「はい」

「はーい」


 やっぱり倒すんだね。

 委員長と天沢がサンダーランスをトリケラトプスの前足に当て、動けなくなったところを背後から攻撃している。

 トリケラトプスもゾウと同じように倒されていく。

 この戦法ははまると効果的過ぎるでしょ。

 トリケラトプス達が次々と倒されていく。


 今回のボスの未来も見えてきたな……。


 そう思っていたが……ティラノサウルスがきたーーー!

 8頭のティラノサウルスがのしのしと歩いてくる。

 まさかトリケラトプスだけでなくティラノサウルスまで見られる日がくるなんて。

 あの野性味溢れる凶悪な顔、強靭な顎、巨大な体に太い足。


 ……足、狙われるよねこれ。


「足はなしにしようか?」


「あなたどっちの味方なのかしら?」


「大丈夫ですよ、また復活しますから」


 それは分かっているんだけどね、戦わずにすむ方法はないものかな。

 ティラノがこちらに走ってくるので2人が足を狙い魔法を撃つが、かわされる。


「おぉ、見た? ティラノが魔法をかわした」


「見てるわよ、私達が撃った魔法なんだから」


「避けられましたね、足が狙い目だと思ったのですけど」


 魔法を避けて近づいてくると僕達を囲んだ。

 僕も障壁を周囲に張り、入れなくする。


「あちゃー囲まれてしまったか」


「あなた何もしてないじゃない!」


「どうしましょう」


 凄いな、こんな間近にティラノサウルスがいるんだよ。まるでジュラシックパークだよね。


「僕は迷宮が造れるようになったらティラノサウルスを飼うんだ」


「はぁ、ちゃんとしなさいよ。光魔法で胴体を狙って、弱ったところで足を狙うわよ」


 ……なんて非道な戦い方。


「はい、この距離なら大丈夫です」


 2人が光魔法で攻撃を始めたので僕はインベントリからテーブルと椅子を取り出し椅子に座る。そして飲み物を用意して飲みながら戦いを観戦する。

 2人がその様子をみてギョッとするが、スルーして魔法を撃ち続ける。

 どうせならトリケラトプスとティラノサウルスの戦いが見たかったな。そんなことを思いながらティラノサウルスが倒れていく様子を見ていた。


「所詮恐竜も人類には勝てなかったか……」


「普通に戦ってたら勝てたかどうかなんて分からなかったわよ」


「魔法に強かったり、避けたりする相手は苦労しますよね」


 苦労はするけどこちらのダメージはほとんどないから魔物からすれば悪夢だろうけどね。


「次の階層はどんな恐竜が出てくるのかなー」


 プテラノドンとブラキオサウルスは出てくるだろうなー。


「きっとないわね、この迷宮は様々なタイプの魔物が出てくるから、また恐竜の可能性は低いと思うわよ」


「ですがもしかしたら、もう1階層ぐらいはあるかもしれませんよ?」


「1階層ならブラキオでお願いします」


「さっさと次の階層に下りるわよ」


「はい」



 ◇



 116階層は一つ目の巨人、サイクロプスがいた。額には角があり手には長い棍棒を持っている。


「もう一度上の階層に戻らない? ティラノも復活してるかもしれないし」


「戻らないわ、さっさと行くわよ」


「あの魔物も大きいですよ、目が1つだと怪我したら困りますよね」


 ただの一つ目の巨人じゃない、ロマンとかないし。


「目を潰したら余裕そうだよね」


「足か目ね、ただ目は位置が高いから足のほうから攻めるのがいいのかしら?」


「それでしたらお2人が足を、私が目を攻撃するというのはどうですか?」


 ヘッドショットを持っている天沢が目か、ありかも。


「いいよ、それでいこう」


「そうね、なら私は左足を狙うわね」


 作戦を決め、いざ戦おうとするとサイクロプス達が逃げ出し始めた。

 んん? 戦ってもないのにどういうこと?


「どうしようか? まさかいきなり逃げ始めるとか」


「罠の可能性も考えないといけないわね」


「もしかしたらこちらの会話を聞いていたのかもしれませんよ」


 ……それはあるかも。人型だしもしかしたら人の言葉が分かるのかもしれない。


「たしかに会話の後に逃げ出したしタイミング的にはあるかも」


「罠だとしても進まないわけにもいかないし、行きましょうか」


「はい、大きいだけで実は臆病なのかもしれませんね」


 警戒はしながら進んでいく。ほかのサイクロプスも逃げたのか何もいない。


「このまま行くとボスだよね、まとめて相手することになりそうだね」


 遠くにサイクロプスの集団がいるのが見えてくる。


「いたわね、棍棒をこちらに向けているようにみえるけど」


 こちらに? 急いで障壁をドーム型に展開すると、障壁にバーーンバリバリッと雷の音が鳴り響いた。


「きゃーー!」


 正面と上空から同時に雷魔法を受けたようだ。障壁をドーム型にしてなければ当たっていただろう。


「罠だったみたいだね」


 次々と魔法が撃たれるので障壁を解除できない。魔法が止むまで待機かな。


「もっと脳筋キャラだと思っていたわ、意外と賢いのね」


 褒めてるのか貶しているのかよく分からないコメント。


「雷が止みましたら今度はこちらから広域魔法で反撃しましょう」


 魔法の撃ち合いか、ファンタジーだ。


「やろう、僕達の魔法の力を見せてやろう」


「相手が魔法を使ってくるってことは魔法タイプってことでしょ? 近接のほうが効果的なんじゃないかしら?」


「ではまず魔法で攻撃後、近接戦闘というのはどうでしょう?」


 遠距離から魔法を撃つのは安全だから採用。その後は魔法の効果次第で決めよう。


「エクスプロージョンからの様子見でいく、魔法の効果が大きいなら魔法で、小さいなら近接でいく」


「分かったわ」


「分かりました」


 雷が途切れたので反撃に移る。


「「「エクスプロージョン!」」」


 攻撃後、障壁を展開し様子を見る。煙がなくなると多少ダメージを負っているサイクロプスが見える。


「……効果が微妙」


「「どっち?」」


 これは選んだほうのフラグが立つ選択肢だろうか?


「もう1度魔法を撃って近接で!」


「まあいいわ」

「分かりました……」


 ……天沢の好感度が下がった気がする。



 その後サイクロプスにめちゃくちゃ八つ当たりをした。


お読み頂きありがとうございます。

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