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僕が主人公じゃないの!?  作者: 阿兼 加門
第1章 主人公を求めて
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01 プロローグ

暇つぶしにどうぞ。

よくある主人公最強系です。


 キーンコーンカーンコーン


 チャイムの音が鳴りクラスメイト達が次々と友達とのおしゃべりを止め、自分の席に戻っていく。

 僕はあまり休み時間は席を立たないためいつものように読んでいた本を閉じ、鞄に仕舞う。

 机の引き出しから次の授業に使う教科書とノートを取り出すと、窓の外に目を向ける。

 梅雨に入ったせいか、雨は今日で3日目だ。シトシトと降る雨の音に耳を傾けていると、教室のドアがガララと開いた。


「ほら、授業を始めるぞ、静かにしろー」


 教師が入ってくると椅子を座りなおし、前を見る。

 教師の顔をみると担任の教師だ、うちの担任は現国の教師であるためこの次の授業のはずだ。

 不思議に思い腕時計に目をやると、1時間進んでいる。


 ……寝てたか。うん、いつものことだ。

 退屈な授業を聞いていると眠ってしまうのは高校生あるあるなので仕方がない。


 出していた教科書とノートを仕舞うと現国のを取り出す。

 退屈な授業を聞き流しながら、先ほど読んでいた本の内容を思い出す。

 最近流行の異世界転移物だ。


 僕も異世界転移したいなー。


 今は高校2年の6月。

 つまり異世界転移にはちょうどいい時期だと思う。夏を過ぎれば受験や進路という言葉がちらほら聞こえ始め、空気も変わってくる。だから2年の夏休みまでが異世界転移にふさわしい時期なのだ。


 僕の名前は『初宮(はつみや) 冬夏(とうか)』。春に生まれたので冬と夏の間だねってことで、冬夏という名前にしたらしい。親の顔をおもいっきりぶん殴りたい。

 成績は中の中でアニメやラノベが大好きなオタクをやっています。


 僕は常日頃から異世界に飛ばされてもいいように、いつも箸と歯ブラシを持ち歩いている。教科書や筆記用具を忘れることはあっても、箸と歯ブラシを入れた巾着を忘れたことはない。

 さすがに授業中は邪魔なので机の上に置いているけど。

 異世界の定番といえば中世ヨーロッパのような国。だからこの2つはきっと向こうにはないだろう。特に歯ブラシは大事だ。虫歯になっても歯医者があるとは限らないのだから!


 召喚の魔方陣とか現れないかな……。


 そんな想像をしていると教室の床に魔方陣のような光る模様が現れる。

 あ、うん、ちょうどこんな感じに……ん?

 授業を受けていた教師やクラスメイトたちが魔方陣を見て騒ぎ出す。


「こら、授業中だぞ静かにしろ。誰だこんな悪戯をしたのは」


 見当違いな教師の問いに誰も答えない。

 魔方陣が輝きだしたと思えば一瞬で教室全体が光で埋め尽くされた。


 光は消え去った後にはそこにいた教師や生徒がいなくなっていた。誰もいなくなった教室には今まで授業をしてたであろう状態で机やいす、机の上には教科書や筆記用具、机の横には鞄が残っていた。




 そしてある机の上には、箸と歯ブラシの入った巾着が残されていた。


お読み頂きありがとうございました。

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