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第一話 日記

第一話 日記


この話は俺がどう生きてどう死んでいくのかについての話である。

どうかこの日記に書いてある情報が日記を拾った者に参考になればいい。


俺の名前は真。

真と書いて「まこと」と呼ぶ名前だ。

今の世になって名前や苗字はどうでもいいだろうけど、少なくとも日記を拾って読む人に少なくとも俺の名前くらいは残してほしい。



そこまで書いた途端、真はノートに書くのをやめた。


「くだらね~」

「日記なんて書いても誰も見ないだろうし、時間の無駄だろう。

どうぜ、この世界には俺しかいないからな。」


その日、その事件が起きるまでは彼はこく普通のニートだった。


まあ。。。

事件とも言えるもんだろうかな。


どんな事故かあったのか、どんな理由なのかは真は全く知らない。

確かにわかることは一つだけ。

みんないなくなって、彼一人になってしまったことだ。


正直、真がこの異変に気付いたのは遅かったかも知れない。

なぜならば、ニートだからこそできる贅沢、昼に寝て、夜に動く生活を続いていたせいで気付くのが遅かったからだ。

正直、その直後に気付いたかも知れないし、1-2週くらい後に分かったかも知らない。

現実的には事件が起こったのは食料を買って帰った日から2-3日の間くらいだろう。


最初に真が異変に気付いたのはキャキャと窓辺で毎朝いつもうるさかったカラスが鳴らなくなったことだ。

真が借りて住んいる3階のマンションはあるネズミ王国に近い海の辺だから、たまに風が強い日や雪が降る日などにもカラスはならなかった日もあったから、そんなに気にもしなかった。

しかも昼に寝るために窓などを黒い張り紙を張っておいて部屋から外を見ることがあんまりなかったし。

なので真は気のせいにして気にもしなかった。


もちろん真はニートだけど完全封鎖系の引きこもりではなかった。

生活には食料を買いに出なければならなかったから、夜のコンビニ生活だけでなく、昼頃にに人がいるスパーくらいは出かけてた。

どうしても通販やア〇ゾンとかでは食料は完全に解決できなかったんだし。


まわりの住民と愛想よく付き合ってはなかったが、少なくとも近所迷惑などのことを聞くことはしない。ゴミを出す日はちゃんと分別して出す。挨拶を先にはしないが挨拶をするとちゃんと返事をする。まわりからの彼の認識はちょっと変わったお隣さんくらいだった。

ただ、まわりとの交流が少ないだけ。。。


とにかく、真が異変を完全に気付いたのはそれからも1日が過ぎた2月13日のことだった。

深夜のコンビニは人と関わりたくない、関わりもない真には便利で数えるほどの関りがあるところであろう。


真のマンション近くにあるコンビニは朝頃は出勤する人などの客が結構あるそうだが、深夜にはなぜか客がいない。

周りが住宅が多すぎてみんな寝てるかもと2年くらい前からずっとバイトをしていた店員さんが聞いてもないのに話したのを覚えている。


客がいないからといいながらコンビニの前で自分のバイクを修理したりする人だった。

金色に髪を染めて、いつも俺が来る前までコンビニの前に自分のバイクをいじりながら「いつかはアメリカにこのバイクで行く」みたいなことを聞いてもないのにレジで会計をしながら話していた。

とっても真が言えるところじゃないが、その働き方は大丈夫かと思うくらいだった。

でもなぜか2年も続いて深夜のバイトをしていたのを見れば意外と誠実な人だったかも。。。


いつものようにコンビニの前に店員さんのバイクが散らかしているのを見ながらコンビニに入る。

雑誌をすらっと見ようとしたら、まだ先週の週刊誌が並べている。


「まだ、今週分が来てないか」


真は一人ことをしながら、飲み物やお菓子を選んでいく、最後に弁当を選びながら価格を見る。


「え?」


真は違和感を感じた。

彼がいつも弁当の価格を見るのは買ったすぐに食べちゃうので賞味期限が近く割引がついているものを探す心理もあった。

でも、今彼の眼の前の弁当の価格表の賞味期限は2月11日までになっている。

今日は2月13日、3時をちょっと過ぎている。

ありえない。


店員さんがさぼったから?

もしや、さぼったとしても昼のバイトがそのままに賞味期限切れの弁当をほっといているわけがない。

しかもさっき話したが、意外と金髪のバイトさんは品揃いや掃除などははっきりしていたのだ。

やっと今になって気付いたがその彼の姿が見えない。


バイトさんの名刹をいつも見ていたのに名前がはっきり思い出せない。

杉田?杉浦?

とにかく読んでみる。


「バイトさん、バイトさんいませんか?会計をお願いします。」


返事がない。

おかしい。


コンビニ前にバイトさんのバイクも散らかしているままだし、トイレでも行ったのかなと無理やり俺はかってに考え始めた。

でも5分、そしてまた5分、総10分を待ちながら、いくら仕事を好き勝手にする杉なんとかさんでもその確率は限りなく少ないと確信をするたけだった。


結局、真は弁当を取らず、飲み物やお菓子だけをもらって自分のマンションに帰る。

もちろんレジの上に丁寧に誰もなかったので、買い物をした分よりおつりが出るくらいの千円札を置いてきたのは言うまでもない。


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