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6大事な場所
私達が、案内された小屋は、人がしばらく使っていないようです
にしては、綺麗に掃除されていました。
「いつでも知り合いが、帰ってきていいようにと掃除は、欠かさずしているんだよ…」
悲しげな表情で言う奥さんを、見ている
と…とても大事な知り合いだったことが、わかってしまう。
「そんな大事な人の帰る場所私達が、使ってしまっていいのでしょうか…?」
「いいよ…」だんだん声が小さくなって…
「もう帰ってきてくれないだろうから…」
最後のほうは小いさな声だったので、聞こえませんでした。
「それに私の知り合いあんたと似てるんだよ
顔もどことなく似ている
ような…でも似ていない………」
その時甘く美しく冷酷に歪む男の表情を、見ていたらあんな悲劇は、とめられたかも知れないと私は、あとで、後悔で…いっぱいに
なってしまう ことを、そのときは知りませんでした……




