村長の説法
ラージュ達は昼の休憩時間に村長につかまって簡単な説法を聞いていた。
「その昔、混沌の瘴気の時代に……
「村長またその話ですか?」
ラドックはめんどくさそうに言うとミルフィがラドックにまぁ落ち着けとアイコンタクトで静止する。
「コホン」
村長はそう言って続けた。
村長の話、要はこの世界には6人の神がいて、この世界にはびこる瘴気を振り払ってこの世界ル・シルガを作ったという。
うんざりしながら村長の話を聞いているラドック、ラージュ、ミルフィの横でウィレッドが目を輝かせてその話を聞いていた。
「一番力の強い聖の神は加護、つまりエレメントを鍛えていない人々にも力を与え、マナの暴走たる混沌の瘴気から守ってくれるありがたい神であり……」
そう、聖の神その話も有名だ、聖の神は加護を鍛えずエレメントを使えない人間にも魔に当てられない加護を与えてくれる。
「そして、人間のマナが暴走しにくいのは、魔族と神々の戦争第一次神魔戦争で人間の功績を神がたたえマナを扱えない人間にマナを扱う術である強いエレメント(加護)を与えたからであって、第一次魔神戦争の時に神に与えられた」
「魔族の魔法に対抗するために神が与えた技がエレメント(加護)なんですね」
ウィレッドがそう言うと、村長はそうじゃと納得したような顔で言った。
「説法はここら辺で終わりじゃ、また聞きたいならいつでも話してやろう」
小一時間同じ話を聞いて目を輝かせるウィレッドとぐったりしたラドック、ラージュ、ミルフィを残して村長は去って行った。
「ウィレットって本当におとぎ話が好きね」
ミルフィはあきれたようにそう言った。
「ええ、姉さん特に中央大陸の魔剣ファルメールの話とか大好きなんです」
ウィレットはとても楽しそうに話す。
「あれだろ?ライオなんとかってやつが」
「ラドックさんライオなんとかじゃなく、ライオ・ガリゼルです。カーリン・バーン帝国との激しい戦いの末に魔剣が暴走して中央大陸が魔物の大陸になったって話ですよ」
嬉しそうに語るウィレッドにラドックは「よくそんな話うれしそうに話せるな……」
あきれた顔でそういった。