その代償は、身をもって・・
マネージャーは、京子に向き直り、言った。
「そういう子供の空想や、言うことってカワイイよね!まぁ、嘘は、よくないけど自分の思ったことや、考え付いたことを、ただ、そのまま言っているだけ・・じゃあ、大人は、違うのか?そうでは、ないわ。大人だって、自分の思うことを、好き勝手に述べたり、思ったことを口にする・・子供よりも、知恵がある分、言うことがキツかったり、いただけないことが多いかも・・」
「はい・・」
そう、呟く京子にマネージャーは、笑顔で言った。
「京子ちゃん、今回の準主役に、どのくらいの力を注いだの?」
「それは、もうベスト オブ ベストですよ!今回だけでなく、いつも、そうですけど!」
マネージャーが満面の笑みで言い返す。
「そうよね!そう言うと思った!!いつも、京子ちゃんを見てるから、きっと、そうだと・・だったら、誰かに何を言われても堂々としていて!そして、今日は、あなたの頑張りが直に感じ取れる日なのよ・・」
その時に、スタッフから俳優陣に声が掛かった。
京子は、マネージャーに見送られて、ドキマキに誘導された。
「それでは、この映画の俳優さんたちの登場です!」
勢いよく、アナウンスが流れ、京子は、慣れない花道に出ていく。
その途端、俳優陣に観客席から、声援が飛んだ。
二番手の京子にも、その声は届いた。
「橋元さーん!」
「京子さん、いつも見てます!」
花道からは、観客席は、暗くて見えづらいが、そんな大きな声援が、確かに京子に届いた。
(えー、こんな声援、本当に私に!?)
一気に、心のモヤモヤが吹き飛んだばかりか、心臓の鼓動が自分でも聞こえるくらいだ。
(私、この仕事してて、本当に・・)
一番に、それを伝えたいマネージャーを見たくて、今出てきた舞台の袖口を見ると、マネージャーが、ハンカチで目元を覆っているのが見えた。
(終わり)




