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36.腐ってやがる……遅すぎたんだっ!

 




 再びコロナは引きこもった。

 二度目の恥辱・・もレイニーに見られてしまったコロナは、深くダメージを負った精神の回復に数日を要した。

 外から聞こえるレイニーの慰める言葉がまた、自分の情けなさを強調させられている気分になり、より深く沈むことになったが……。


 ――それはいけない! 早く立ち直らないと駄目っ!!


 レイニーの声により身体の一部が、特にお尻がコロナに警告を訴えてきていた。

 しかし、身体の声など無視を決め込み、布団を被り部屋から一歩も出ることはなかった。

 食欲もなかった。お腹がグーグーなろうが、食欲などないのだ! と自分に言い聞かせ、籠城を決め込んだ。




 それから三日経った。

 食事も取らないコロナを心配したレイニーは決意した。


(もう、コロちゃんったら……。そんなにこれ・・が恋しいのかしら)


 ある物・・・を手に持ち、ここのところ日課になっているコロナの部屋に向かい、呼びかけた。


 コンコンコン


「いないよぉ~。はいってないよ~。

 現在コロナさんは留守にしています。ご用の方はピーと・・「竹。好きですよね、コロちゃん?」 は、はいィ! 今開けます!!」


 バサッ、ドタドタドタ……ガチャ


「はいはい、何の用ですか!?

 そんな物騒な物はさっさとしまうべきですよ。レイニーちゃん」


 レイニーが持つ物騒な物――竹を見たコロナは顔を青ざめ、なんとしても彼女の手からそれを手放させようとした。


「そうですか? 私にはこれが必要だと思ったので用意したのですが……。

 せっかく用意したので、使ってみたい気持ちもいっぱいなんですよね。コロちゃんどう思いますか?」

「いいいいいいいい、いらないです! 必要ないとおもいます」


 しかし、レイニーは両手でそれを持ち、何かを想像・・・・・をするかのように突き刺す。


 ビシュ ビシュ ビシュ


 実に見事な――刺突。コロナに見せつけるようにそれを繰り返す。

 それを見て、真っ青だった顔をさらに青くする。


「ふぅ~。どうですか、コロちゃん?

 こうやって身体を動かさないと不健康ですよ。食事も取らないで、何時までもそんな生活は……わかってますね?」

「は、はい! 明日から・・「明日?」・・いえ、すぐにでも身体を動かします!」

「すぐに……というのは行き過ぎですね。食事を取ってからにしてください」



 コロナは結局、レイニーの脅しによって引きこもり生活を終えることになる。

 そしてそれから四日間、彼女に一風変わったスキルを紹介され扱きを受けることになる。しかしそれはまた別の話。


 そのときの経験をもとに、コロナによるコロナのための『俺Tueeeプラン』は練り直されたのだった。





 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





 それから4日後。

 レイニーの扱きにより、身体のなまりと、ある程度のスキルを取得を終え、再びギルドへと赴いたのだった。


「お久しぶりです! コロナさん大活躍でしたね」

「あぁ、久しぶりだなアーシャ。活躍って?

 それよりなんで、ここにいるんだ?」


 声を掛けてきたのはアーシャ。彼女は珍しくアイテム買取の窓口にいた。

 本来彼女は総合窓口におり、この場にいるはずのない人物だった。


 強制依頼の時に手に入れたアイテムを売りに、窓口に行くとそこにアーシャがいた。それに疑問を覚えるのも無理はないことだろう。



 ちなみに総合窓口を主に利用するのは傭兵ソルジャーたちだ。

 彼らは依頼を受けるついでに、ちょっとしたアイテムも精算する。そのために作られたような窓口なのだ。

 ――精算とはいっても、素材の買取のことではない。依頼されていた素材の納品である。彼らには討伐系以外の素材を売ることは自由にできないのだから。もっとも自分たちで使う分は問題無いのだが……。



 ダンジョンに籠もるようになり、アーシャとは接点がほとんどなかった。

 にもかかわらず、あのとき――【狂犬】状態のとき伝言を頼んだのは当然理由がある。

 他の受付嬢カーチャンでは、【狂犬】の影響に耐えきれないと思ったからだ。知り合いならば、その姿を見せたくないと気合いを入れられるはず……と。


 その目論見は見事成功し、大衆の面前で恥をさらすようなことにはならなかった。

 だが、レイニーに思いっきり見られてしまったのは仕方がないことだろう。


『冷静に考えて、救護室へ駆け込めばよかったのです』


 とレイニーにと言われたときは、思わず……ほろりと涙をこぼしてしまった。


(悲しくないのに涙が出ちゃう……だってつらいんだもん)




 さて、アーシャが買取窓口に何故居るかというと、それは――


「あ、それは私の今日の当番がここだからですよ?」

「へ? アーシャって総合窓口係だろ?」

「ええ、そうですよ。だからここにもいるんですけど……コロナさんどうしました?」


 訝しげなコロナの様子に気付いたアーシャは、思わず混乱してしまう。


(何か変な事いったかな?)


 二人の意味はかみ合っておらず、ともに混乱するしかなかった。

 


 コロナは"総合窓口"担当と思っており、アーシャは"総合"窓口係といったつもりなのだ。

 言葉の意味は難しく、性格に相手に伝えると言うこともまた難しいのだ。

 アーシャはスキル【口述】を持っているが、このスキルは綺麗な発音をするに過ぎない。だから意味を伝達するのはまた別の話になるのだ。


 そもそも"総合"窓口係というのは、窓口なら何処でもやっていいよ。むしろ忙しい部署を見つけて、率先してやりなさいという役職なのだ。

 だからアーシャがここにいても何の問題もない。

 そして早朝の買取窓口は、最も忙しい部署でもあるのだ。

 ――前日の窓口の閉鎖以降まで、ダンジョンに潜っていた人がこぞってやってくるために。


 故に、何のことはない。二人がここで会ったのは、単なる偶然にしかすぎないのだ。朝通学して、たまたま下駄箱で会った、その程度にすぎない。

 もっとも列の段階で、整列をしていた別の受付嬢カーチャンが、気を利かせてアーシャの窓口にコロナを先導したのだが……。


「…………」

「…………」

「……まぁ、いっか」

「そうですね。どうでもいいことですし」


 結局二人は、混乱するだけなので、なかったことにする……という答えだした。


「それよりもです! 活躍ですよ、活躍!」

「活躍って?」

「何を言っているんですか! 聞きましたよ。

 【狂犬】にかかりながらも、おぶって三人も救出しただけではなく……《魔女ニャンター》まで倒したって!」

「あぁ…。そんなこともあったな……」


 コロナは遠いところを見るような目をして、アーシャに答えた。

 彼にとってそれは、既に過去のことなのである。

 それほど【狂犬】によって蝕まれていたことは鮮烈な記憶となり、他のことなど塗りつぶしてしまっていた。

 そもそも最後の少年をどうしたかなど覚えていないのだから。


「そんなことって――

 先輩が言ってましたよ。他に救援を遅れなかったからちょっと心配だって……。

 でも、コロナさんは見事やり遂げてくれたんですね。普段、救助隊は6人以上で結成されるんですよ。

 なにせ、人を運びながら、周りも警戒しないといけませんからね!

 評価としてみれば、今回の場合……救助対象の武器など持って帰ることができなかったのと、救助後の扱いが悪かったのはマイナスですね。

 ですが、たった一人で成し遂げた――ということで問題にはならないそうです」


(やっぱりか! やっぱりあのババァ、俺一人にやらせたのか!!)


 コロナは救助隊というからには、複数で編成されると思っていた。そして事実その通りだったということが、アーシャの言葉から判明し憤った。

 ――増員も派遣しなかったことにも。

 しかし、その言葉はさらに聞き逃せない言葉があったことに気が付く。


「マイナス? そんな話は聞いていないぞ!

 そもそも俺はダンジョンから出てきて、疲れたままで行かされたのだからな!

 だいたい、そんなことまで気にする余裕などなかったぞ!?

 救助したやつにしても覚えているのは、モヒカンのやつくらいだ」


 口ピアスのことも覚えてはいたが、ここは覚えていないことにするべきだと、彼の本能が告げていた。

 それに従い、最初の一人以外は覚えていないことにした。


「そいつにしたって、武器とか気にしてる余裕はなかった。

 ただ運びやすい棒みたいなのが近くにあったから、それにくくりつけて運んだだけだし……。

 ――そういえば、結びつけていたあのロープ、俺のなんだが、どうなった?

 別にあれくらいはなくなってもいいのだが、物を大切にしないのは……よくないことだからな」

「ロープですか? うーん……、多分もうありませんよ。

 モヒ――グレッグさんの手元にあるか、捨ててしまったかですね」


(モヒカンっていいかけたな)


 コロナは少し笑いそうになりながらも、現状の把握に努めた。

 本当はロープ代すらケチりたい。回収したくてたまらない。だから聞いたことなのだが、それも無駄だったようだ。

 ――わざわざ、『なくなっても構わない』と発言したのは、かわいい男の意地に過ぎない。



「まぁ、仕方がないか。それよりマイナス……というのはどういうことだ?」

「それはですねぇ。マイナス点というものを査定しまして、それと依頼料を差し引きしてた額が報酬になるのですよ。

 酷いときには罰金という形で……お金を払って貰うことになりますね」

「救助のための強制でもか!?」

「ええそうなんです」


 あきれてものも言えないとは、このことだろうか。

 コロナは開いた口が塞がらなかった。それはやがて怒りへと変わる。


「それなのに一人で行かせたのかっ!!

 おっとすまない。……アーシャに怒っているつもりではないのだが。

 ……あのヒルダ某とかいうババァ、クソォーッ!!」


 思わずアーシャに怒鳴り散らしてしまったことを咄嗟に謝る。

 せっかくギルド内の好感度があがったというのに、こんな事でまた株を落としてはたまったものではない。


「ははは…。他にいなかったんですし、緊急性の高いものだったのだから、やむを得ない判断だったと思います」


 乾いた笑いがコロナの耳に届く。アーシャとしては同じ受付嬢カーチャンの立場としては、そう答えるほかないのだろう。


「周りに、俺より上位の階級ランクのやつが居たが……何故そいつらには頼まない?」

「えっ? D階級ランクの階層には、他の層の階級ランク人は入れない決まりだからですよ?」


(な・ん・だ・と!?

 とんでもない新事実だ!

 緊急の救助なのに、決まりを優先しているなどあってたまるか!

 そもそも、そんな話は聞いていないぞ。やはり、まだまだ罠が潜んでいたわけだ……)


 とコロナはそれを聞いて愕然がくぜんとなった。


 それと、その決まりからすると、ネトゲの基本である『格下乱獲』は許されないらしい。

 コロナはそのことにも舌打ちをしたくなる。

 眉間に皺が寄るのを感じながら、アーシャに更なる質問をしていく。


「緊急と追い立てられて、流石にそれはどうなんだ?

 ――二重遭難したらどうするつもりだったんだ?」

「そのときはそのときで、諦めることになりますね。

 救助隊の者と連絡が付かなくなった場合には、連絡板に『この度の救助隊は全滅しました』と告知するだけですね」

「…………」


 今度こそ開いた口が塞がらなかった。

 もはや舐めているとしか思えない。


(悪意――そう、悪意だ! 明らかに、俺など死んでもいいと思ってるんだな……)


「それはあ、「おいっ! いい加減にしろ! いつまでやっている! こっちはずっと待っているんだぞ!」……そうだな、アイテムの査定を頼む」

「はい、わかりました。それと後ろの方々、どうもすみませんでした」


 そう頭を下げて、作業に取りかかるアーシャ。


(激高してアーシャに襲い掛かってしまうところだった……)


 後ろの男のおかげで、それを耐えることができたことは感謝すべきことだろう。

 しかし、やり場のない怒りがこみ上げてきているのをコロナは感じていた。



 ちなみに、アイテムの買い取り価格に色が付けられるようなことは一切なかった。





 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





 そして依頼窓口――


 俺は受付嬢カーチャンカードを渡して用件を告げた。


「強制依頼を受けたんだが、それの報酬を貰いに来た」

「コロナ・パディーフィールドさんですね。少々お待ちください。

 ……………………はて? 確かに強制依頼は受けられたみたいですが。無料で……となっていますよ?」

「何? たしかに、あのヒルダとかいう受付嬢カーチャンに依頼を受けたはずだぞ」


 受付嬢カーチャンと呼ぶことに、いつの間にか恥ずかしさを感じなくなっていた。

 ――感慨深いものはあるが、この状況でそんなことを気にしている暇などない。


「たしかに依頼はヒルダ・エコーミックとなってますが、頼みという形で処理されてますね。

 これは金銭契約の手続きはされてませんので、残念ながら今回はボランティアだった感じになってます」


 ボランティア……これほど嫌な響きはあるだろうか? いや、ない!

 善意からやるのは良しとしよう。しかし、金が貰えると思ってやった仕事が、ボランティアになるなどあってたまるかーーー!


「……せめて、――ポイントに色はつけて貰えるのだろうな」

「指名依頼というわけではありませんし、上のランクの強制依頼でもありませんし、普通に20ポイントですね」


 こいつら殺してやろうか……なんて思ってしまった。

 この受付嬢カーチャンには罪はない。そのことで思いとどまったと言ってもいいだろう。


 そもそも、それぞれファンクラブみたいなものが存在する。……あのババァにもいるくらいだ。

 もし暴力を奮おうものなら、そいつ等が黙っていないはず……。俺よりも実力が上位のものなど、いくらでもいる。



 ――――クソォ! 諦めるしかないのかよ――――



 泣く泣く諦めるしかない俺は、せめてもの報いとして――


「お前らは俺を殺すつもりだったんだな……よくわかった」


 俺は大きく息を吸い込み、この場にいる全ての者に聞こえるような大声を出した。


「"おい! ここに居るみんな! どうやらギルドの上層部はお前等の命なんてどうでもいいらしいぞ!

 遭難したものの救助に金を払いたくない。規約の方が大事だからってな!

 こいつらはお前らを食い物にしている。きっと買い取り価格も半額以下だろうさ! どのくらいギルドが懐に入れているかもわかったもんじゃねぇ!

 ギルドの職員にここは安全だ。これはお得ですよ。なんて言葉は、言われても絶対信じちゃいけねぇ!

 救助依頼を出された者は、編隊を組むまでに頷くんじゃねーぞ!!"

 ――――ふんっ!」


 俺の宣言のせいか、辺りは静寂に包まれていた。


 ――――これなら全体に響き渡ったな……うん。


 思わず口端が歪むのがわかった。俺はいい仕事をした……とそんな気分の表れだろうか。


 周囲を威圧し、そのままギルドの建物から俺は出て行った。

 我慢の限界を超えた俺にとって、ギルドなど、もはやどうでもよかったのだ。

 怒りの前にはこの先自分がどうなろうか――ギルドがどう扱うか――など考える余地もなかった。





 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





 周囲のものは探検家スペランカーと弄られていた彼が男をみせ、【狂犬】を受けながらも3人も救助していたことを知っていた。

 彼が義憤によりそれを成し遂げた……。と思っていたが、まさかギルドからの援助がない結果だったとは、誰も思ってもいなかった。

 これまでギルドに言われるがまま動き、コロナの発言にギクッとしたものも中には居た。

 ギルドに救助を頼んでも『無理だった』という一言を返された者も大勢いた。


 息子、恋人、そして親、親友。


 自分の身だけではなく、親愛な者たちを諦めなければいけなかったことは未だに心にしこりを残していた。

 コロナと同じように依頼を受けさせられ、救助したのにもかかわらず――罰金を払ってしまい、借金をした者もそこにはいたのだ。



 理不尽を感じながらも、「決まりですから」の説明に泣く泣く従うしかなかったのだ。――それが正しいことなのだからと。

 しかし、ここに来てコロナは暴露した。


 ――――それは誰も考えていなかったことなのだ。


 『ギルドが自分たちを食い物にしている』などという思想は、この世界には存在しえなかったものだ。

 『ギルドはみんなのために色々してくれる』これがこの世界の常識。


 だが、言われて、よく考えてみれば頷けることが多々あったのだ。



 たとえば――


 C階級ランクに成り立てでギルドを辞め、個人的に探索者サーチャーとして未踏破ダンジョンの低層を潜っている者。

 彼らの方が、B階級ランク上位よりも稼ぎがいい。

 ――世間で探検家スペランカーと馬鹿にされているのにもかかわらずだ。


 また、生還率が低いと理由で未踏破ダンジョンを遠慮させて、攻略済みダンジョンをギルドは勧められている。

 だが、未踏破ダンジョンで致死率が高いという話も聞いたこともない。


 また情報を公開されても、それは自分たちには既に使えないものであったり、また可愛がっている後輩達にも教えることもできない。


 極めつけは、絶対に死なないと言われている場所での死亡率が20%近くあるのだ。

 そう、探索者サーチャーになってすぐ、10人に2人は絶対に死なないと言われているのに死亡者は出てしまうのだ。




 確かに救助された者も中にはいる。だがそれは遭難者の中でも5%以下なのだ。

 探索者サーチャーになるものがあまりにも多く、大したことがない数字に思えるが……実はとんでもないことだったのだ。

 それゆえに救助されたものは、救援隊の者に絶対的な信頼と敬愛を覚える。


 コロナの場合は救助の扱いが酷かったので、そのかぎりではないのだが……。




 これらの理由から、このことを切っ掛けとして、ギルドの不審を抱く者が急増した。

 怪しくなくても、怪しいと言われたら人間はそう思ってしまう生き物だ。

 ――実際には怪しいどころか真っ黒なのだが。



 一例を挙げると、コロナが¥430で買い叩かれた黒蜜。これは、実はなんと¥1,640もするのだ。販売価格ではない。食材を取り扱っている店での買取が、だ。末端価格ともなると¥2,000もするのだ。


 そして報酬価格。依頼者から¥100,000貰っているのを、受注者には23,000しか渡さない。

 さらに難癖を付けていき、酷いときには報酬料と同じ¥23,000を罰金としてせしめるのだ。


 もう分かるだろう。この世界におけるギルドとは悪徳も悪徳。血も涙もない悪魔なのである。




 この日を境に、このことに覚えがあり、かつ一線で活躍していた探索者サーチャーは、あっさりとギルドを退会していった。その数は少なくはない。


 傭兵ソルジャーは個人で依頼を受けるのが難しい為、我慢するものも多かった。

 が、特産施設の専属などを考え始める者が増えたという。

 ――慣例では一線で働けなくなってきた年老いた者がやる仕事だったのだが……。



 そしてその悪魔が、このような不利益を働いたコロナに何もしないという選択肢は存在しない。

 それをコロナはまだ知るよしもなかった。

 

 

 

 

 

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