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28.ボーナスタイム その2





 さて、最後にパラメータの上昇だ。


 《操作》を上げようと思っていたのだが、現状縛りプレイの最中らしい。

 固有能力ユニークスキルで成長微チートだったのは良いが、マイナス要素があるのは困りものだ。

 『通常の3倍』の成長といえば、凄い部類に入るのだろう。


 ――――だが、イメージはあまりよろしくない。



 ライバルに差を付けられたり、恋人を殺されたり、天才だと思っていたら実は凡才でしか無かったりと散々な人生だったりする。

 また、ロリコンでマザコンというアンチテーゼも抱える可能性もありそうだ。


 そもそも通常とはどのような状態を指すのだろうか。

 この世界の住人そのものを指しているのか、特殊な職業に就いていない者を指すのか。

 天職を得るとパラメータが変わるとか聞いたから、これを得ると変わるのかもしれないし。


 正直な話、通常+2という数字が凄いのかどうかすらわからない。

 精神的余裕を得るために、とりあえず自分はSUGEEEEと思っておくことにしておこう。




 refinePointの振り分けをする前に、まずはスキル・魔法構成の考察だ。


 固有能力ユニークスキルは現在のところ成長系にしか関係がないため、この場合考慮する必要はない。


 スキルだが、パッシブ重視したために、《肉体強化》《速度》を上昇させれば効果的だろう。


 魔法については現在は残念ながら、《操作》が封印処置を受けている。だから選択肢は少ない。

 【ウィンドカッター】を重視するなら《魔力》と《速度》を。

 【ブースト】なら満遍なく、【ヒール】ならば使用回数と効果を上げるために《魔力》を……といった感じだろうか。



 もう一つ気になる事もある。

 パラメータは存在強化ではなく、自分が実際に鍛えたりすると上昇することもある。

 実際、訓練や、アルバイト――雑用系依頼でも上昇したことから明らかだ。


 どこまでrefinePointを使わず上昇可能なのかは不明だ。

 《魔力》が35から40になったから、上限はかなり上に設定されているのかと思えば、実は0から5に上がっただけだったという。

 最終的に最強な自分というものを作るなら、ポイントは貯めておいて成長限界になってから使うのが正しいのだろう。


 だが、成長限界というのがどの程度なのか不明である。

 人の一生で最大値まで上がるのだろうか?

 また途中で1上昇させるのに掛かるポイント数が増える可能性もある。



 ゲームだと2ndキャラ育成というものがある。

 1stキャラで装備を揃え、不必要なステを一切振らない特化キャラを作るというモノだ。

 たとえば、攻撃力は全て装備任せで、回避と攻撃速度を極めるというのもある。

 凄い防具を集め、防御力特化の壁キャラというのもある。

 本来ソロができない魔力特化の魔法使いが、特殊装備でそれを可能にできる場合もある。


 安全プレイ――もとい生活をするならば、《速度》と《肉体強化》を重視するべきだろう。


 致命傷を受けたら終わりだからな!


 だが、《速度》がいくらあっても、《操作》の反射行動が伴わなければあまり意味はないだろう。

 やはり、ポイントは依頼の難度に合わせて振り分けるのが一番だろうか。


 今の階級ランクでは正直……戦力過多と言っていい。

 だが、平均以下のパラメータがあるというのは面白くないので、《攻撃力》に1だけ振ることにした。





===========================================


   自己能力ステータス

 名前:コロナ・パディーフィールド

 存在強度:22

 種族:渡界人とかいじん

 職業:探索者サーチャー探検家スペランカー

 天職:発掘調査

 HP:572+1700

 SP:131

 パラメータ

  攻撃力:20+10

  肉体強度:26+12+5

  魔力:(5+35)

  器用:31

  操作:(10)

  速度:13-25



 refinePoint:65

 AbilityPoint:2

 SkillPoint:11


固有能力ユニークスキル>

・スキル >

・魔法 >



===========================================

固有能力ユニークスキル

         【異界の旅人】  Active!!

         【魔力の補助輪】   10

         【好奇心旺盛みようみまね】  Active!! 

         【???】 ver7.0

         【???】

===========================================

・スキル

         【魔刃】      ver2.0

         【盾術】      ver5.0

         【回避上昇】    ver9.0

         【刺突剣の心得】  ver9.0

         【解体の心得】   ver3.0

         【物理耐性】    ver9.0

         【恐怖耐性】    ver5.0

===========================================

・魔法

         【ウィンドカッター】ver1.0

         【ヒール】     ver9.0

         【ブースト】    ver3.0

===========================================

所持金 ¥16,000

装備

 ・《刺突剣》 エペ +10

 ・《鎧》チープレザーアーマー +11

 ・《盾》ウッドバックラー +5

 ・《靴》レザーブーツ +1

===========================================




 うん、大分強くなったような気がするな。


 にやにやしながら眺めていると、ふと調べていなかったものに気付いた。


 ――――そう、天職だ!


 天職はパラメータにボーナス修正が入るということだから、かなり重要な項目らしい。



 天職の説明は――

 自己能力ステータスの構成によって、世界が理想だと判断する職業。その効果は様々。


 となっている。

 とりあえず、天職の遺跡発掘を調べてみることにした。

 関連のあるスキルとかないにもかかわらず、これが表記されているのも謎だしな。



 遺跡調査

 【???】による影響を受けた天職。ダンジョンでの罠発見率が上昇する。


 最初から表示されていたことから、【???】その2のことだろう。いずれ纏わるスキルに進化すると予想できる。


 しかしそうなると、探索者サーチャー向けの天職なのだろう。

 ある程度稼いだ後、引退して別の道に進む……という考えもあった。

 今は生活保護を受けた結果による、ギルドの束縛があるのでそれは不可能だが……。

 その考えは自分の《天職》から微妙に感じられた。


 他の天職が現れれば、また違う道もあるのだろうが……。



 ま、とりあえず現状維持だな。


 そんな事を考えていると、次第に意識が薄れてきた。

 その心地よい微睡みに身を委ねそのまま意識を手放した。





 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





 最近、コロちゃんが甘えてくる頻度が少なくなりました。

 きっと仕事が順調なのでしょう。

 面白みがないのですが、順調なのは良い事です。


 時に、コロちゃん人形をコロちゃんに見せてあげたのですが、特に反応という反応を示さなかった。

 それでそれとなく、感想を求めてみたのですが、口から魂が抜けたようになってしまいました。


 ふふっ、実に可愛らしかったですね。

 気分もよくなったので、いい子いい子してあげました。


 ――それにしても、小さくて気がつかなかったのでしょうか?

 なら今度は、等身大のを用意するしかありませんね!



 それでコロちゃんと接する時間が多少減って、暇な時間ができてしまいました。

 その暇な時間を使い、廊下のワックスを塗り直してみました。


 特に出入りの多い、コロちゃんの部屋の周りを重点的に、厚く・・



 その日、運悪く・・・コロちゃんは早上がりして帰ってきました。

 しかし、部屋に戻ろうとするも、ワックスが乾いていないために部屋に入る事ができませんでした。


 困ったコロちゃん。その表情はやはり可愛いのです。


 ある程度堪能すると乾くまでの間、時間つぶしと称してお話してあげることにました。


 ――――本当は、ステ~~ンころ~んというのを想像していたのですけどね……。



 その時、私がかつて見せたスキル【氷結剣】について尋ねてきたのですが、「女の秘密を暴こうとするなんてゲスですね」と軽くあしらってあげました。

 このスキルは種族スキルな為、教えたところで使える可能性などありませんし、

 なにより情けない顔を見られないのはいただけません!


 その言葉に少し硬直した後、それでもスキルについて私に聞いてくるコロちゃん。


 どうやらスキルの取得について、色々悩んでいる様子。


 仕方がないので、一つアドバイスをしてあげることにしました。


「私にこれ以上教えを請うと言う事は、私の弟子……ということになりますよね」

「うん? あぁ、そういうことになるかな」

「それなら師弟として、特別な呼び方をするべきだと思うのですよ」

「ん~、師匠とか?」

「それでは面白くも可愛くもありませんっ!!」

「可愛いって関係あるのか?」

「もちろんです! 可愛いは正義ですよ。

 特に意見もないようなので、私が決める事にします」

「ん、構わないよ」


 言質は取りました。作戦成功です。


「それでは私の事は『レイニーちゃん』と呼んで下さい」

「レイニー・・・・ちゃん?」


 何やら不思議な顔をしていますが、私の長年の野望の一つなので譲る訳にはいきません。



 『姫』とか『レイニー様』とか『レイニーさん』とか可愛くない呼ばれ方しか、いままでされませんでしたからね。



「それでコロナさんのことは『コロちゃん』と呼びます」

「コ、コロちゃん…だと……」

「コロちゃんです!」

「け、決定なのか? 違う呼び方じゃ駄目、なのか?」

「決定です。変更不可です」

「う、う-、あぁー」


 何やら言葉が喋れない赤ちゃんみたいになって可愛いです。


「それで、レイニーさんに教えて貰えるなら、まぁなんとか、いいかなぁ」

「つーん」

「? レイニーさん?」

「つーん」


 呼んでくれるまで、無視です、無視。ぷんぷん!


「レ、レイニーちゃん?」

「はい、何ですか?」

「それで教えてくれるのかな?」

「コロちゃんたっての望みなら仕方がありませんね」

「お、お願いするよ、レイニーちゃん」

「任せて下さい。コロちゃんをどこに出しても恥ずかしくないように、きっちりと調教してあげますからね!」

「え? 調教……?」

「言い間違えました。ちゃんと教え導いてあげます」


 おっと、うっかり本心が漏れてしまいました。

 さて、これから色々忙しくなりそうですね……。


「それではコロちゃん、いいですか。スキルというのは――」



 こうしてコロちゃんと新たな日常が始まったのです。

 

 

 

 

 

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