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27.ボーナスタイム その1





「おかえりなさい」

「ただいま、レイニーさん」


 宿舎に帰ったとき、レイニーの出迎えと、なにやら奇妙な物・・・・が目に付いた。


(なんだ、あれは……。――まぁ、いい。見なかったことにしよう。そうしよう、それがいい)


 レイニーが目をキラキラして、「どう? どう?」と訴えかけている。

 反応を伺っていたことからしても碌なことではあるまい。

 そもそもナイフが刺さっている人形に、どう反応していいのわからない。


「どうですか、これ? 渾身の力作ですよ」

「…………」


 ――――逃げることはできないようだった。






 レイニーの力作に、無理矢理感想を言わせられて精も根も尽きたコロナ。

 頭を撫でられ、癒されてなんとか回復し、雑談と食事を済ませ自室に戻ると、早速自己能力ステータスを表示させた。


 するとあることに気が付いた。


(《操作》が10になっている!)


「やった、やったぞぉおおお!」


 コロナは喜び勇み、思わず拳を天に突き上げてしまう。


 無理もないことだろう。これで自己能力ステータスが弄れるのだ。


(やっべぇ。誰もみてないよな? レイニーさんが覗いてるなんてことはないよな?)


 思わずとった行動に恥ずかしさを覚え、周囲を見回してしまう。

 そして誰も見ていなかったことに安堵し、深呼吸を繰り返した。


「さて、では早速――」


 そうして自己能力ステータスを弄り始めたのだった。





 そして色々試した結果、自己能力ステータス画面は触れることができるとわかった。

 相も変わらず目の前に表示されているというのは、邪魔でしょうがない。


「見辛いなぁ」


 と思わずつぶやいてしまい、邪魔なので反射的にどかそうとしてしまった。

 そしたら触る事ができたというわけだ。


 その画面は液晶タブレットくらいの大きさであり、手に持つのに丁度いい大きさではあった。

 しかし、触れられるからといって、わざわざ持つ必要もない。

 そのまま掴んでいても良かったのだが、どうせ浮かべる事ができるのだからと、ほどよい位置に調整して手を離すことにした。


 ここまでは、割とどうでもいいことだ。次の事が重要なのだ。

 液晶タブレットの画面と連想した事から項目をタッチしてみると、その項目の説明がポップアップ表示し始めた。

 

 だいたいの説明は、訓練所の窓口係に聞いたとおりだった。


(存在強度にしてもゲームの『レベル』とまるで同じ感覚だな)



 だが、ゲームと違い気を付けなければいけないことがある。


 それは――――HPだ。


 HPが0になったら死ぬ訳ではない。

 だからといってHP管理を怠るわけにもいかない。

 そもそもHPとは耐久度と思っていい。

 耐久度が0になったら壊れる。つまり装備だけではなく、身体にも耐久度があるという考えが正しいのだろう。

 『HPが増えたなぁ』と思っていたら、不意にHP表示が変わったのだ。


 HP:2272 → HP:572+1700


 これはおそらく前者が身体の、そして後者は装備の耐久度なのだろう。

 身体のは魔法で直す事も、休めば自然治癒もあり得るが、装備のはメンテナンスをしないと直らないだろう。


(この世界ではHPの真実――このことに気付かない者はいるのだろうか?

 もし気付いていないならば、戦闘を主とする業界――ギルドではおそらくやってはいけないだろうな)


 ゲームもHP計算式とか考えたりする人もいる。

 コロナはそこまでゲーマーという訳でもなかったので、そこまではしかたことはない。


 だが、これは現実だ。なあなあで済ませることにはいかないだろう。

 しかし、コロナは気にしない事にした。


(そもそも致命傷を受けたら死ぬし、そうとわかったらHPなんか目安にすぎないしなぁ)





 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





 さて、肝心のステ振り。

 この場においてはパラメータのrefinePointや、スキルなどのボーナスポイント振り分けのことだ。

 特に名称もないのでコロナはそう呼んだだけの話だが、まずはパラメータを弄るよりも、スキルや魔法の方が大事だ。

 そしてそれにかかわりのあるものを、効率よく上昇させるのがゲーム界での掟なのだからな!


 非効率的なのは遊びだから許されることだしな……。


 俺は正直はネタプレイというものは、やったことはない。

 だからこそ、いつもと同じ感覚でやればいいだけの話だ。



 とりあえず、どのようなものがあるのかと、サクッと読み流した。


 ver表記されており、どれもver1にもなっていないな。

 ――これはネトゲのように正式運用されておらず、β版以下ということなのだろうか?


 SkillPointを振らないと駄目と言われた事からも、おそらくそうなのだろう。


 ――――ならば……0.1~0.9とは何なのだろうか?


 軍曹殿も若干威力が変わるみたいな事をおっしゃっていた。……おそらくそれは熟練に相当するものだろう。

 また、スキル・魔法もverアップしていくと、上位スキル・魔法になるような事もおっしゃっていた。


 まぁ……なんにしても、まずは『安全第一』だ。……【ヒール】をあげる必要があるな




 verアップは実に簡単だった。

 この場合【ヒール】に指を合わせて、上昇を願うとver0.2からver1.0へと上昇するだけだった。


 【ヒール】 ver0.2 → 【ヒール】 ver9.0

 SkillPoint:57


 ん? 魔法が進化しないな……。

 いったいどうなんているんだ?


 それから、どんなに弄ってもそれ以上はあがらなかった。

 まるでテメェにゃはえーよ、と言われている気分になってしまった。クッソー!



 もしかしたらver9.9まで上がる必要があるのか?


 ――――あとで確認する必要があるな……


 数値があることから、そのことに考えが至る。

 そもそもレベルアップごとに、全部ポイントを使い切らなければいけないという決まりはないのだ!


 ある程度ポイントを残しておけば問題はないだろうと結論を下し、次に進む事にした。


 それにしてもverアップすると熟練はやり直しらしい。世知辛いぜ……。



 えっと、他の魔法だったな。そうなると残り二つしかない。

 【ウィンドカッター】と【ブースト】だ!


 とりあえず威力に満足している【ウィンドカッター】はver1.0にしておくだけで充分だろう。

 いまいち実感のない【ブースト】だったが、これは軍曹殿のオススメだ。ということでver3.0にしておいた。




 ――次はスキルだ。


 俺はパッシブ重視派だった。アクティブスキルを使えこなせなかった……というのもあるが、面倒臭いっていうのは一番の理由だった。

 まぁ、それはゲームの話だ。今はどうするからちゃんと考えないといけないな……。


 ここで問題となるのが、《刺突剣》を最後まで使うかどうかなんだが……。

 一瞬の躊躇を覚えたはしたが【魔法剣】という名前にあこがれを感じる。なので、このまま使い続けることにした。



 【回避上昇】】 ver0.9 → 【回避上昇】】 ver9.0

 【刺突剣の心得】 ver0.7 → 【刺突剣の心得】 ver9.0

 【物理耐性】 ver0.9 → 【物理耐性】 ver9.0

 【恐怖耐性】 ver0.6 → 【恐怖耐性】 ver5.0

 【解体の心得】 ver0.9 → 【解体の心得】 ver3.0



 やはりパッシブスキルを優先にしてしまった。後悔はない!


 次いで、残りのアクティブスキルをあげた。

 まぁ、後回しにしたのは、【魔刃】が【魔法剣】になるという話も聞かなかったためでもある。

 いずれ使わなくなるスキルを上げるのは、馬鹿らしいからな!


 【魔刃】 ver0.3 → 【魔刃】 ver2.0

 【盾術】 ver0.5 → 【盾術】 ver5.0

 SkillPoint:11


 正直な話chapterならともかくverが9になるまで続いているソフトなんかねーよとは思った。

 が、『ソフトではないので、仕方があるまい……』と思ったのはこの世界の神には内緒だ。



 それはさておき、SkillPointも11あるしAbilityPointもまだある。

 もしスキル・魔法が突然進化したとしても、それが可能なポイントは充分残っているだろう。

 唱えれば表示される魔法――身体に刻まれる――と違い、スキルはおそらく……ある程度自分で身につけないとver0.1と表示――覚えることができないのだろう。


 もっと、ずら~~~と表示されて、そこから選ぶのかなと思っていたが、ちょっと期待外れ感があった。


 しかし、他にも何か手段があるのではないかと俺は思っている。

 でないと、レイニーが使った氷を出すスキルとか、自力で習得するとか無理なように思えたからだ。

 聞いたら教えて貰えないかなぁ……という楽観的な考えもなきにしもあらずだ。

 楽をすることはいいことだからな! すくなくとも俺にとっては、な!



 そして、最後に回した固有能力ユニークスキル


 ――――ユニーク、それは独自のスキル。

 つまり自分だけのオンリーワンだとでもいうか、とにかく憧れがある。


 ユニークチートTUEEEEは羨望の極みだ。

 思わず弾む胸を押さえながらも、ついには表示することにした。



===========================================

固有能力ユニークスキル

         【異界の旅人】Active!!

         【魔力の補助輪】 10

         【???】 ver0

         【???】 ver0.1

===========================================



 【異界の旅人】

 パラメータ《魔力》を35上昇させる。


 魔力のない世界からある世界へと渡界したことにより、身体が変質して魔法が扱える身体になる。種族渡界人とかいじんとなる。このスキルは成長しない。

 種族渡界人とかいじん:存在強化される度のボーナスがそれぞれ通常+2となる。



 【魔力の補助輪】

 魔力がない世界の住人はその操作など本来できるはずもない。


 渡界人とかいじんによる渡界人とかいじんのためのスキル。このスキルは30まで成長し、消失する。またこのスキルが消失しない限り、パラメータ《操作》をボーナスポイントで強化することはできない。



 【???】その1

 コロナ・パディーフィールドの固有能力ユニークスキル


 進化することによって、本来の効果を発揮する。



 【???】その2

 コロナ・パディーフィールドの固有能力ユニークスキル


 進化することによって、本来の効果を発揮する。






「………………」


 異世界だという証拠がここにあった。はっきりと書かれている。

 ――まさかこんな身近に証拠があったとは思いもしなかった。


 覚悟していたが、こう証拠を突きつけられると意外とくる・・ものはある。

 でも、この世界はそれほど嫌いになれないし、「このまま永住してもいいかな……」という気分にもなっていた。

 適当に生きて、それで帰る方法が見つかった時の気分で、帰るかどうかは決めればいいかな……なんて思う。


 というか、異世界どうこうというのは――既に忘れ去っていたからだ!



 それほどあのときおしおき記憶メモリーが印象深く、それ以外はどうでもいいことになっていた。


 あれを思い出すだけで、俺のが悲鳴を上げてしまう……。

 まぁ、過ぎた事だ。今は固有能力ユニークスキルだな!



 進化させないとどんなスキルなのか不明な分、ギャンブル要素があるのは確かだ。

 固有能力ユニークスキルがある人はそちらを強化していくという話を聞いたけど、内容を見て決めればいいと思っていた。


 だが、イージーモードではなかった!


 そのことは残念だが、明記されてない以上その手段は諦めなければならないだろう。

 俺は覚悟を決めて、弄れるスキルに振り分けることにした。



 【???】 → 【???】 ver9 → 【好奇心旺盛みようみまね】 Revolution!!

 【???】 → 【???】 ver7.0



 ――おやっ? 進化だけじゃなく、なんか増えたぞ?

 まぁ、また【???】なんだが……。


 【???】 New!!

 AbilityPoint:2



 固有能力ユニークスキル、これのverを1つあげるのに4も必要だった。スキル・魔法は1しか使わなかったにもかかわらずだ。

 成長微チートともいえる【異界の旅人】があるから俺は進化できたけど、本来は存在強度が36になるまで進化させる事などできないのだ。

 そんなスキルだ。当然かなり強力なスキルのはずと思ったのは仕方がないことだろう。

 俺は期待してそのスキル効果を注視する。



 【好奇心旺盛みようみまね

 好奇心旺盛なあなたに捧げる。


 人真似をしてそのスキルの習得が早くなる。興味があればあるほどその習得は早くなる。なおこのスキルは成長限界に達している。

 マイナス効果として周囲に「飽きっぽい奴」だと思われやすくなる。



 そして新たに増えた【???】その3



 【???】

 コロナ・パディーフィールドの固有能力ユニークスキル


 進化することによって、本来の効果を発揮する。このスキルはAbilityPointによる成長はない。

 【好奇心旺盛みようみまね】を利用し、一定以上のスキルを身につけたときに孵化する。



 これは派生スキルなのか?

 ポイントを必要としない分、お得なのだろうが……、いつ如何なる時に孵化するのか謎だし、一長一短だろう。


 さて特殊能力はこのくらいにしておこう。








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