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番外編 アーシャの日常

アーシャのおはなし。


 

 

 

 

 あたし……じゃなくて私は、アーシャ・シュタインベル16歳。

 開拓共同体フロンティアソサエティ受付嬢カーチャンを勤めて一年と少しになるかな?


 去年15歳になり成人して、私は開拓共同体フロンティアソサエティで働くようになった。

 一年ほど先輩について回り、仕事を覚えて、つい先日業務に携われる様になったんだよね~。


 えへへ。一人前というわけじゃないけど……それでもやっぱり嬉しいものがあるよ。


 何故受付嬢カーチャンを希望したかというと、私は人と話すことが好きだから。

 親にいつも「アンタうるさいよ」と注意されるくらいのおしゃべりだ。

 ついつい、今日あったことなかったことをぺちゃくちゃとしゃべってしまう。


 だって、しょうがないじゃない。離すことが好きなんだから……。



 だから、この職に就いたとき驚かれるとは思わなかったんだ~。

 原因は多分あのことだと思う。




 ――――小さい頃。


 親の手伝いをしていた頃に、スキル【料理】を上げてしまっていたことある。

 そのこともあって、周りからは食堂の方で働くと思われていた様なんだけど……、私はただ喜んで欲しかったからスキルを上げてしまっただけなのに。

 その事を知られていたからだと思うんだよね。不思議がらなくてもいいとおもうのに。

 だってどっちも好きなんだから……ね。



 まぁ、そんなことは置いておいて、受付嬢カーチャンの仕事をしていると変わった人と出会う事が多い。


 面白い髪型をしている人もいる。

 口の悪い人もいる。

 口が臭い人もいる。……歯を磨いてね♪


 服装もまちまちだ。

 一見装備に見えないモノでも魔獸素材を利用していて、金属以上の防御力があるらしい。聞いた話だからよくはわからない。

 でもなんとなく強そう……というのはわかる。だって高い素材で作られた防具なんだもん。弱かったら詐欺だよ!


 魔獣とは地上に現れる害獣。強さはピンキリであり、その素材の価値はまちまち。

 そんな魔獣の討伐を発注するのも、私達のお仕事。

 依頼に行ったまま返ってこない人もいる。そんなひとはおそらく、魔獣に食べられちゃったんだと思う。

 それを思うと魔獣素材の装備を見るのはちょっと怖いものがある。



 ここまではまだまっとうな人たちだと思うの。

 正直なところどうかな~~って思う人がいっぱいいるんだから!


 上半身裸の人とか、いったい何を考えているのかよくわからない。

 寒くないのかしら? ないなら問題はないのだけど……。汗臭いのが漂ってきて、受付嬢カーチャンスマイルというのが崩れてしまう。

 先輩にいわせると、「まだまだなっていないわね」ということらしいのだけど……正直我慢できるようにはならないと思う。


 他にもいるけど……いっぱいいすぎて語れないから、また今度ね♪





 受付嬢カーチャンはとても忙しい仕事。

 次から次へと人がやってくるのです。

 だけど私はまだまだ見習い……ということで、加入手続き窓口でしか仕事を許されていない。


 はやくもっといろいろな仕事をしてみたい! という気持ちもあるけど、ほどほどがいいかな。

 仕事命! ってほど他の事を投げ出すほどにはいかないし……流石にそれは無理。



 今やっている加入手続き窓口だけど……ここに来る人は、それほど奇抜な格好をしている人は少ないかな?

 ……まぁ、居ることはいるんですよね。いかにも田舎からやってきました! というていの人が。


 ――半袖のシャツに『海人』という読めない字? それとも絵?


 みたいなのが書かれているものを着ていたりのは、

 ギルドに憧れて気合いを入れて来ました! って感じでちょっぴりダサい。

 よくよく考えればギルドの名物で、あるよくわからない、『冷やし中華はじめました』

 と旗に書かれているアレ・・に似ている気がするけど……流行ってると思ってるのかしら?


 あと、「日本にはどうやったら帰れるか知っているか?」とか、

 全身黒ずくめで前をボタンで閉じた服を着ている人が、「僕みないな格好をしてた人とか知らないか?」とか言う人が数人いたのだけど、田舎の方で流行っているのかしら?


 前者は集落に名前でも付けているのか、そんなところは知らないわよ!


 ――――後者は文通相手との待ち合わせ目印にでもしたのかな? それとも騙されて、あんな服装を着てしまったのかな?


「全く同じではないけど、似たような人なら昔来ましたよ」


 と答えるなり、どこかへふらふらと行ってしまいました。

 どういった理由であのような格好をしていたか聞きたかったのですけど……。


 気になるけどまぁいいか、お仕事お仕事。






 加入窓口は正直、他の部署ほど忙しくはない。

 訪れる人も少ないけど、手続きも少ないからすぐに終わる。そうなると暇になってしまう。


 まぁ、暇なときは人を観察しているんですけどね♪


 それはさておき、業務内容は細々とした内容を相手に確認し、同意を取って署名して貰う。

 それだけなんだけど……色々説明することが多くて嫌になっちゃう!

 私は会話するのが好きなのであって、説明するのは正直ちょっと……。

 一方通行というのは寂しいし、間違っていないよね?


 それで説明がおわると、今度は所属証明のためのカードを作る作業なんだけど――

 書いて貰った書類をカード生成魔導具に入れるだけ!

 ま、書いて貰うというよりも、私が書くことの方が多いかな?

 あまりに字が汚いと、魔導具が認識されなくて、エラーとかいうの? それになって生成失敗しちゃうの。


 それで私達受付嬢カーチャンが代筆するっていうわけ。

 字が上手くないと受付嬢カーチャンになれないのは、こういったところにも理由があるってことですよ。


 で、カード生成魔導具が認識できる字で書いた書類を入れたら、しばらく待つだけ。

 そしたらカード吐き出(発行)され相手に渡しておしまいっ!



 規約とか難しいことは私も分からないし、相手もどうせわからない。

 ようするに、これとこれをしちゃいけませんよって内容なんだと思う。


 そんなことくどくど言われたって一度に覚えられるわけないのにね?


 ――――どうしていっぺんに説明するのかしら?


 上の考えていることはいまいちよくわかりませんね。


 

 特典についても、貢献していない人はあなたは信頼してませんよ。だから信頼の度合いによってこちらも贔屓しますよ、っていう感じだし。特に問題はないよね。


 ――たまに詳しく聞いてくる人がいることはいますが……。


 そういう人は大体生活保護を受ける人なんで、気にしても意味がない人達ですし。


 この前もコタローという変わった名前の人がそうでした。

 色々いじわるなことを言われたけど、『可愛いとか綺麗だ』とか言ってくれたから、悪い人ではないと思うんです。

 私に色目を使っていた……という感じでもないので、ナンパというやつ? とは違うと思います。

 だから本心からいってくれたのだと思います。


 私だって女の子です。だからそんな風に言われると、照れてしまいますし……やっぱり嬉しいっ!


 色々声を掛けてくれるおじさまたちは、


「あいつには気を付けろ」

探検家スペランカーは止めておけ」

「何かされたら俺に言え、ぶっ飛ばしてやる」


 とか言ってくださるのですが……。

 正直、想像力が豊かすぎるとしか、いいようがありませんね。





 お昼の時は、業務も休止して、仲の良い先輩達と一緒に食事をとります。


 その時愚痴ばかり聞かされるので、あまり面白くはありません。

 愚痴ではないときは、誰々が格好いい、誰々に告白されて悩んでるとか……そんな話ばかりです。

 先輩達はみんな綺麗ですから、それもわかるので少し羨ましくは思います。


 私なんかはおじさま連中に「今日も可愛いね」と言われ撫でられるばかり。

 いい加減に大人扱いしてほしい! でもそういっても聞いてくれないし……。

 せめてコタローさんみたいに――いえ、なんでもありません。

 いうだけむなしくなってきますから……。



 格好いい人ではなく、若く半人前の傭兵ソルジャーの人達には食事に誘われたりします。

 けど、何だかこちらを見る目が怖くて断ってしまっている。


 一度、断れなくて着いていってしまったけど、やっぱり告白とかそういうのではなかった……。


 ――――お酒を飲ませようとしてくるだけ。


 それを何とか断り食事を済ませる。

 そして帰るときになると――

 やっぱり肉体からだ目当てだったらしく、力尽くで私をモノにしようと薄暗いところへ引っ張っていこうとする。


 だけど私は先輩達や、親の言いつけから【ショック】の魔法を常に待機させていたので、油断した瞬間に「えいっ!」と発動しその男を吹き飛ばした。

 そして大声を上げながら逃げて事なきをえたのだ。やっぱり自己防衛っていうの? それは重要だよね。


 【ショック】っていう魔法はね、衝撃を放つ魔法だよ。

 唱えた後に待機状態にしておける特殊魔法でもあるんだけど……それを忘れてて、ついうっかり発動することもあるから注意が必要でもあるの。


 あっ、いけないいけない。

 【ショック】待機状態にさせておくの忘れてた!


「『拒みたるは神の右腕、阻みたるは神の左手』 ――――【ショック】。うん、これで大丈夫だね」


 魔法を唱えた私に、先輩が苦言を呈してきた。


「アーシャ! そういうのは人前でやらないの!!」

「す、すみません。ついうっかり……」

「もう、本当にあなたはいつまでも成長しないのね」

「うぅ……」


 またお小言貰っちゃった……。

 先輩は怒ると、ちょっと怖い。

 怒らせないように……って思ってるんだけど、中々に難しいです。


「でも……つい最近襲われたばかりなので・・「アーシャちゃん本当か!?」」


 途中でおじさまに言葉を遮られてしまった。

 いつも「何かあったら言え」と言ってたおじさまなんですけど、過保護すぎ……とはいまは言ってられません。


 私は思わず先日のことを話してしまいました。


「ほぅ……アイツか。いい度胸だな。

 アーシャちゃん安心しろ。もう二度とこんな事はさせねぇからな」


 そういって力強い足音を立て、どこかにいっちゃいました。




 ――――後日



 私に無体を働こうとした半人前の人は、この街を去って行きました。いえ、らしいです。噂で聞きました。

 注意深く、その男の人とかかわらないようにしていたので、正直よくはわかってません。


 でも、おじさまが何かしたのは間違いないでしょうね。一体何をやったのでしょうか……。


 終わったことですし、気にしても無駄ですね!

 やっぱり簡単に誘いに乗っては行けませんね。


 お誘いを受けるときはそういうことを覚悟して、そういう事をしてもいい人だけにするべきでしょう。

 先輩たちも母親オフクロもそういってますし、ちゃんと話は聞くべきでしたね。反省、反省。


 そんなことを考えながら、今も小言を言ってくる先輩の話を聞き流していく。






 そして食後も仕事は続き、それから6度ほど神殿の鐘が鳴り響くと、窓口の業務は終了となる。

 二週に一度は夜勤をする必要がある。


 ギルドは完全には閉鎖しませんからね。いつでも誰かがいないと駄目! ってことらしいです。


 私はまだ見習いなので、その業務はないのだけど……こればっかりはやりたくはない!! って思っている。

 母親オフクロも「夜更かしは肌の天敵よ!」と言っているし、正直ずっと免除されていたい。

 ――けど、無理でしょうね。わかってはいるんです。でもやりたくないものはやりたくないって思うことは悪いことでしょうか?


 まぁ、でもまだ私には関係のないことだし、別にいいか……。

 なんて思っていた。でも――



 仕事を終え帰宅の準備を終えていると、


「アーシャ。いままで頑張ったね、明日から総合窓口係へ配属が決まったわ」


 といつも私にガミガミ小言ごとをいう、窓口課の課長が告げてきた。


「え? あ…はい……」

「何よ、気のない返事して。実感がないのかしら?

 でも本決まりよ、もうあなたは大丈夫。これからしっかり頑張りなさい」


 言いたいことだけ言って、すたすたと帰って行きます。

 誰よりも遅く来て、誰よりも早く帰る課長。

 いつもは色々思うことはあるが、今日ばかりはそんなことを考えている余裕もなかった。


 ――――あたし……見習いじゃなくなる?


 嬉しさと同時に、先ほどまで考えていた夜勤への忌避、それを考えて複雑な気持ちになった。

 良いことなのは確かだけどね……。


 あっ、いけないけない。あたし、じゃなくて私ね、わ・た・し・





 そして少し薄暗くなった帰り道を歩いていく。


 ここ民都プロンティアに家族はいない。だからこの時間ともなると人通りが少ない。


 現在住んでいる家は、開拓共同体フロンティアソサエティに勤めることが決まってから親と一緒に決めた借家だ。

 内装は自由に変えていいとは言われているが、もともと可愛らしい状態だったのでそのままにしてある。


 しかも家具や壁紙など変えても、それは国の物となってしまい、引っ越す時に持ってはいけない決まりになっている。

 買い換える人は少数派だ。よほどお金のある人か、どうしても我慢のできない人はそれでも買い換えたりしているけど……。

 だからなるべく、私の趣味にあう部屋を探したのだ。


 母親オフクロはもっと品のある部屋にしたら?

 と言って揉めたけど、そういうものは家具の値段もそれ相応で家賃も高くなってしまう。

 もっとお給料が上がったらそうするという結論に達し、なんとか諦めて貰った。


 このままでもいいかな……とは思うけど、日払いなので、気分次第に変えてもいいかな、なんて最近思っている。



 家に着きお茶を飲んで心地着くと、軽くお風呂に入って身体を洗う。

 湯船でしっかりと足をほぐし、疲れを取ったあと、お湯を抜き、身体を拭く。


「『砂塵に没し、末期に求めたる其の一滴』 ――――【クリエイト(水)】」

 

 手に持ったコップを持ち、魔法で飲み水を作り出す・・・・

 この魔法は便利だ。 ver2にならないと飲める水は出せないけど、あると便利。というよりないとまともに生活もできなかったりする。

 水道とかあるにはあるけど、美味しくないし汚く、病気の原因とも言われている。


 魔道書を借りるお金も安く、子供のお小遣いでも借りることができる。

 初めて習う魔法だということもあって、世界で一番使われている魔法だと思う。



 そして肌のお手入れを終えたところで自己能力ステータスを見る。





===========================================


   自己能力ステータス

 名前:アーシャ・シュタインベル

 存在強度:30

 種族:人族

 職業:開拓共同体フロンティアソサエティ内務職員・受付嬢カーチャン

 天職:窓口業務 看護

 HP:

 SP:

 パラメータ

  攻撃力:13

  肉体強度:30

  魔力:25

  器用:29

  操作:20

  速度:10-20



 refinePoint:0

 AbilityPoint:0

 SkillPoint:0



固有能力ユニークスキル なし

・スキル >

・魔法 >



===========================================

・スキル

         【事務】     ver9.6

         【口述】     ver9.2

         【書記】     Active!!

         【敵意感知】   ver5.8

         【料理】     ver8.0

         【掃除】     ver5.0

         【操術(人形)】 ver0.9

===========================================

・魔法

         【ヒール】    ver9.5

         【メディカル】  ver9.9

         【クリエイト(水)】 ver2.9

         【ショック】   ver4.5

===========================================

メモ

 ・窓口業務 関連のある仕事で経験値増大

  【事務】+【口述】+【記述】

 ・看護 SkillPoint+10

  【ヒール】+【メディカル】+【料理】+【掃除】




 ちぇっ、今日も存在強度もスキルも上がらなかったなぁ~。


 早く【書記】みたいに上級スキルにしたいな。

 残り二つの【事務】と【口述】を上級スキルにして、《複合化》すれば、特殊スキル【秘書】になる。

 そうなったらもっと責任のある仕事につけるんだ。


 それにどうせなら出世もしてみたい!


 そしてあのいじわるなおばさんより上になって、ネチネチ言い返してやるんだから!



 ……

 …………

 ……………………



 はぁ、空しい――

 明日も早いことだし、今日はもう寝よう……。

 

 

 

 

 

日本人らしき人がでてきますが、しばらく物語には関与しません。


この世界の病気はなんでも【メディカル】で治します。

アーシャには妹がおり、病気がちだったので真っ先に9にして看病していました。

大きくなる頃には健康になりって必要なくなったので上位スキルにはしていません。もともと自然に罹る病気には上位スキルは必要ないので。

【操術(人形)】はまぁお人形遊びで取得。

この世界の女の子は割と持っていたりします。

上位スキルになると――――


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