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18.俺が手に取るべきもの

説明回。






「――命名」


「『命名――暫定を返上し、私は"コロナ・パディーフィールド"という名前になります』」


 コローがその言葉を口にすると、彼の身体は光り出した。

 それは自己能力ステータス表示と似たような、けれどもそれとは明らかに違う感覚だった。

 やがて光は収まり、それを見届けるなり牧師は言った。


自己能力ステータスを確認してください。

 変更されていれば儀式は成功です」


 コローは言われるがままに、自己能力ステータスを表示させる。

 ――『私を教えてステータスオープン』と今度は言わなかったが……。




===========================================


   自己能力ステータス


 名前:コロナ・パディーフィールド

 存在強度:18

 種族:渡界人

 職業:ぷーさん

 天職:発掘調査

 HP:378

 SP:88

 パラメータ

   攻撃力:15

   肉体強度:21

   魔力:35

   器用:30

   操作:5

   速度:13(min)-23(max)


 refinePoint:54

 AbilityPoint:54

 SkillPoint:54


固有能力ユニークスキル>

・スキル >

・魔法 >



===========================================




「大丈夫だ。暫定名がなくりなり、ちゃんと代わっている」

「そうですか。それは良かった」


 儀式の成功に牧師も表情が緩み、コロー改めコロナはちゃんと牧師に礼を言った。

 帰る牧師に、最初は教会までお供しようとした。

 しかし、必要ないと言われてしまった。

 ならわざわざ付き合う事もないだろうと、コロナはそのまま見送ることにした。



 成すべき事を成したことで、気分が高揚していた。喜び勇み、軽い足取り訓練所へと向かったのだった。





 ちなみに名前の由来は――

 田貫狐太郎たぬきこたろうからだ。


 田・抜き+コタロー


 田んぼ・無し+コロー(タは抜かれて消えてしまったのだ!)


 paddy field・no+コロー


 コロー+no・paddy field(この世界の様に順序を変え)


 コローノーパディーフィールドの『ーノー』→『ナ』と経て


 《コロナ・パディーフィールド》



 コロナは単語に置き換えただけで、英語の意味としては間違っている。


(だがそんなの関係ねぇ。ゴロが全てだ)


 抜かれた『タ』は使わなかった。

 あと暫定名のコローというのを入れないといけないと言われたが、深く『コロー入ってますよ』と念じたらできた。

 失敗したらもう一度執り行ってくれると、事前に聞いていたからだ。

 ――――ならば妥協はしたくなかった。


 某コローとかコロー某とか付けたくない。


(せめてゴローだったら拡張性あるんだけどな……)


 だから分解することができるなら、組み合わせもできるんじゃないかという発想をしてみた。

 それが成功したというだけの話。








 そして再び訓練所へ舞い戻った。

 思えば長く苦しい日々だった。そしてこここそが地獄の始まりだった。

 憎い――、あの職員が憎い……なんてことはなく、彼のことは正直なんとも思っていない。

 コロナはドヤ顔で自己能力ステータスを表示できたことを伝え、用紙に記入していく。


「ふむ、《魔力》はかなり高い……けど《操作》はギャグみたいに低すぎるな(笑)

 これが自己能力ステータスを出せなかった主な原因だな。

 しかしこのパラメータだと、何にしていいのか悩むな。

 《器用》は高いが、《操作》が低いから魔導武器は無理だな」


「魔導武器?」


「魔導武器っていうのは――

 《棘  剣ソーンブレイド

 《渦 槍ドリル

 《碇  鞭アンカーウィップ

 《鞭  刃ウィップブレード

 《奏  弓セレナーデ

 《盾  砲シールドカノン

 《斧  拳アックスガンドレッド

 《扇  杖アンブレラ

 《鎚  頭ハンマーヘッド

 ――のことをいう」


「どういう名前からは想像もつかん。いったいどういうものなんだ」


「どれもピーキーの武器さ。魔力操作が難しい。

 興味があったらあとで調べな。こちらの仕事は訓練を紹介する事で、武器を詳しく説明する事じゃない。

 教会に祭られている英雄が、それぞれ使っていたから簡単に調べられるからな。

 でもほんの少しだけなら教えてやる。どれもネタ武器だが……はまる・・・と半端なく強い。」


「ネタ武器なのか……」


 コロナはその時点で魔導武器を諦めた。


(名前は格好いいんだよな……)


 だが、ネタはいけない。


「あぁ。でもまぁ《操作》が低いあんたには、関係のないだけどな。

 まぁ強化ボーナスで《操作》極端にあげるか、血のにじむ修行をするとかしたら別だけど……。

 素直に別の武器を勧めるよ」


「それならどんなのがいいと思う? 一番いいのを頼む(キリッ」


「その前に一般の平均《パラメータ》を教えた方がいいかな。

 訓練前の一般人の平均は20だ」


 流されてしまった。

 流石に異世界人に通じるわけもない。


「全てか?」


「全てだ。だから《魔力》と《器用》が飛び抜けて高いと言う事が解るな?

 それに比べ《攻撃力》は低すぎると言わざるを得ないな。《操作》は論外だ」


「むぅ……」



 他人より低いといわれるのは面白くない。

 コロナは苦虫をかみつぶしたような顔に変わった。


「《魔力》と《操作》は関連性が強いため、あんたの場合は寧ろ暴発の危険性もでてくるから危険だな。

 つまり消去方から平均以上の《器用》《速度》に纏わる武器を選ぶのが正しい」

「ふむふむ、なんだか手数系の武器っぽそうだな」


「大体そんな感じだな――

 マニュアルによると……《鞭》《弓》《刺突剣》、あとは《槍》だな。

 《剣》《鎌》《斧》なんかは肉体強度が足りない。

 これは基本的なやつでそれぞれ『24』『29』『35』は必要になる。投擲武器に関しても同じだ。

 まぁ剣くらいなら……訓練中に装備できるようになるかもしれないな。

 《短剣》や《打杖》などは《操作》が低すぎる。

 こいつは反射が早くないと厳しいものがある」


「《操作》で反射?」


「あーそうか。《操作》が10ないと自己能力ステータスの詳しい項目が解らないか。

 ちなみにボーナスポイントの割り振りとかも10からだ。あんたは5しかないから無理なんだよ。

 仕方ない。説明するよ。


 《攻撃力》はその名の通り現状の攻撃力だ。

 『力強さ』と表記されている。


 《肉体強度》は筋力とかその辺だ。

 『身体の頑強さ、内臓強度』と表記されている。


 《魔力》は世界への干渉力。

 『この世の法則に接続する強さ』と表記されている。


 《器用》は細かい動きの能率とかだな。

 『肉体的な器用さ、手先とか』と表記されている。


 《操作》は魔力の扱いとか、とっさの判断の早さだな。

 『魔力の扱う器用さや熟練度合い。反射神経の鋭敏さ』と表記されている。


 《速度》は動きの速さと脚力みたいなものかな。

 『動きの加速度合。最低値が初速。MAXが最大速度。 ○○(min)ー○○(max)と表現される』と表記されている。


 んー、この際だし、他の項目も説明したほうがいいかな?

 名前と種族は特に必要ないと思うので飛ばすよ。


 職業と天職についてだ。職業は就いている仕事が表示される。

 ここに『ぷーさん』と記録されているあなたは無職ということ――」



(余計なお世話だ!) 



「――を意味している。

 ついで天職についてなのだが、これを取得するとパラメータが増減する。

 また、パラメータが増える事によって上級職になる。

 これは長年謎とされていたが、有志の研究で解ったことだ。


 それと1職しか得られないわけではない。取得スキル・魔法によって増えたりする。

 ただ、記入された『発掘調査』というのは聞いた事はないな。だからどういうのかもわからん。

 《操作》が10になったとき確認してみるといい」


 そこで男は飲み物を飲んだ。

 中身はわからないが、しゃべりすぎて喉が渇いたのだろう。


「続けるよ。《天職》の話だったね。

 固有能力ユニークスキルに纏わる天職も確認されており、これを取得すると大幅にパラメータに追加ボーナスが発生するそうだ。

 階級ランクの上の方を目指すなら天職を充実させることが必須だね。


 HPとSPについては、SPはなくなったら特殊技能は使えなくなるな。特殊技能はスキル・魔法・固有能力ユニークスキルの総称だ。

 HPが0になったらアイテム・スキル・魔法などの手段での回復を受け付けなくなる。

 自己回復できなかった場合、そのまま死に至る。


 最後にrefinePoint・AbilityPoint・SkillPointについてかな。

 それぞれパラメータ・固有能力ユニークスキル・スキル&魔法に割り振ることで自己を強化するためのボーナスポイント。これの運用こそが全てと言ってもいい。

 だいたいこんなところでかな。何か質問はある?」


「――パラメータについては後で解るようになるんだよな?

 それなら概要は把握できた」


 説明が長い……。

 だが、話題えさを与えてしまった原因はコロナにある。

 だからおとなしく最後まで聞くことにした。


「後は特殊技能についてかな?

 固有能力ユニークスキルは持ってない人もいるから、これは運だね。

 AbilityPointで強化したり、違う系等に変化できたりするらしい。

 また持っていない人はこのボーナスを浸かってスキルを強化することができるよ。


 次にスキルだ。これは経験して身についたことが『スキル』として表示される。

 SkillPointで強化しない限り一定以上のことはできず、またいくら訓練しても上がる事はない。

 SkillPointでスキルをあげても訓練しないと上達もしないんだけどね。


 ――で、最後に魔法だ。

 これは魔法書を読んで覚え、一つ一つSkillPointで強化しないといけない。

 何が必要なのか厳選しないとボーナスポイントが足りなくなってしまうから、よく考えていかないと駄目だよ。


 固有能力ユニークスキルがある人なんか色々大変だから、持ってても汎用性ある魔法やスキルを強化してる人も中にはいるらしい。

 固有能力ユニークスキルだからって使える……とは限らないからね」


「そういうものなのか……。」


「うん。よく考えて方向を定めた方がいいよ。

 じゃ、長くなってしまったけど《鞭》《弓》《刺突剣》《槍》から選んで貰うけど、個人的には《弓》はないかな」


「何故だ?」


「ほら。《弓》って力が距離と命中に関わる訳だから……ね。

 いくら小手先の技で鍛えても同じ《器用》なら、《肉体強度》が上の人はより正確に狙えるって訳だからね。

 威力がないのはこの際仕方ないとしても、命中まで変わるとなると大変だよ。

 いくら《速度》が早く連射、弾幕が張れても正確な1射が求められる事の方が多いからね。

 まあ、傭兵ソルジャー志望ならそれでも構わないが……」



 別に、『人殺しはいけません』とか、他の文化のところで言うつもりはない。

 でも、敢えて殺したいとも思わない。

 何れ経験する事になるかもしれない。

 けれど傭兵ソルジャー方向性を狭めるだけだ。どうせなら探索者サーチャーの方がいい。



「それなら《弓》は諦めるよ。そもそも金の掛かる消費型の武器とか無理だしな」


「うーん、その考え方は古いね。間違っているよ。

 弓の整備はそれほど金が掛からないが……。

 むしろ他の武器の方が結構掛かる。標 的ターゲットによっては複数そろえる必要がある。

 矢はそれに併せた鏃だけを用意しておけばいい。回収して使えばいいだけだし安上がりだ。もっとも回収不可能なのは下手な証拠だけど……。

 他の武器の扱いが下手だと折れることを考えれば、弓が金がかかるというのは錯覚だ。

 そもそもどの武器も消耗品と考えなきゃいけない」



 ダメ出しされた。全否定である。

 ゲーム設定のような世界ではあるものの、やはり現実では違うということか……。

 アドバイスに従い《弓》は止めておく事にした。

 ロマンを感じる訳ではない。



「なるほど。為になった」


「あぁ、わかればいいんだよ。

 昔、弓使いに憧れる若い者を臆病者と馬鹿にしてたやつらが居てな。

 そいつらは同じ集落の出身だったんだが、弓使いの青年以外はろくに稼ぎがなかった。

 当然階級ランクがなかなか上がるわけがない。修理費用が祟り、大物を狙えなかったからだ。

 だが弓使いの青年は、修理する必要がなかった。そして修理が必要なときは、買い換えをしてどんどん階級ランクが上がっていった。

 そんな逸話があってな。

 ――そんな訳で《弓》はどちらかといえば金が掛からない武器なんだ」



 《弓》はオススメしないといいつつ、利点をアピールしてきた職員。



(使えない武器の利点をアピールするって一体何なの?)


 コロナは少しイライラとしてきた。


 ――――早く訓練を始め、この苛立ちを払拭したい!


 そんな気分になり、話を進める事にした。



「それで残りの3つの内、オススメな何なんだい?」

「個人的には《鞭》かな。

 教官が美人で、訓練中はステキな一時を送れるよ」



 どうでもいい理由だった。

 いやどうでもよくはない。

 素敵なお姉さまとの一時は素晴らしいものがある。

 一瞬悩んでしまった。


 だが、つい先日縛られたばかりのコロナに、《鞭》などの縛り要素のある武器は……勘弁願いたいところであった。

 しかし――


(スケベ野郎がここにも一人か)


 ――――まったく……どこにでも居るものである。



「――そいつは、心惹かれるなぁ……。だが、断る!

 美人のお姉さんは捨てがたいが、《鞭》にはいい想い出がない!

 故に別のものを希望する!!」


「……何があったかわからんが、気をしっかりと持てよ」


 何かを感じ取ったらしき男は、慰めてきた。


 ――――ますます余計なお世話である。



「それなら《槍》と《刺突剣》になるが、正直な話好みとしか……言えないな。

 ただ、《槍》は穂先を取り替えればいいだけだから、多目的に使える。だが、結構すぐ壊れる。


 《刺突剣》は急所を狙わない限り、まともなダメージを与える事はできない……が。

 【魔法剣】というスキルを使う事で劇的な威力を発揮したり、複数モノを用意する必要はなくなる」


「他の武器に【魔法剣】というのは使えないのか?」


「【魔法剣】は特殊でな。使える『魔法』を《刺突剣》に込める専用スキルなんだ。

 他の武器は【魔刃】といって、魔力を武器に乗せることしかできない。

 つまり威力アップだけしかできない。故に属性を乗せる素材などで武器を作らないといけない」


「なぜ《刺突剣》だけが例外なんだ?」


「それはな、――不明だ。

 ところで、急所を突くだけなら、より長く、より両手で持つ事ができ、力を込められる穂先の鋭い《槍》があれば、《刺突剣》など要らないと思わないか?」


「なんだいきなり……。まぁ普通そう思うな」


「そうだろうそうだろ。

 ――だが、何故未だに《刺突剣》が残っていると思う?

 それはな『原初の装備《オリジンズ》』の一つだからなんだ。」


「原初の装備《オリジンズ》?」


「原初の装備《オリジンズ》とはこの世界に初めから合ったとされる装備だ。

 《刺突剣》・《盾》・《鎧》これら三つは神が使っていたとされる装備で、原初の教会に安置されてあったらしい。

 そしてそれを使いダンジョンを開拓したのが、探索者サーチャーの始まりだ。

 またこの3つには専用スキルがあることから特別なものとされている。

 ほかの2つはともかく、《刺突剣》だけは【魔法剣】が使えるようになるまでは、大変だから使うモノは少ないが」


「始まりの武器……」



 一番いいのを頼んだ以上、神の武器と呼ばれるものが最上なのだろう。

 また《刺突剣》・《盾》・《鎧》は原初の装備《オリジンズ》という名前の三種の神器っぽくコロナの廚二心を刺激した。



「――なら決まりだ。《刺突剣》を頼む」

 

 

 

 

 

見やすくするために必要以上に改行してみました。

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