1.プロローグ
初執筆、初投稿作です。ノリだけで書いている駄文ですが、お付き合いくださると嬉しいです。
男は誰しも冒険が好きだ。
ガキの頃の秘密基地とか、何も未知なる秘境に行くとか。
だがそれだけじゃない。
――そう、チャレンジ精神!
一般的に使われるとしたらこっちだろう。
自分の能力ではちょっとだけ足りない。そんなときに冒険する。こういうやつがほとんどだろう。
無謀なことに挑戦し続ける者もいる。
こいつらは……うん、まぁ頑張ってくれとしか言えない。頑張ればいいってものでもないからな。
俺は無謀だとわかってるなら頑張りたくない。
そんな俺こと『田貫狐太郎』は、周りと比べ、どちらかといえば才能があったほうなんだろう。
だが誇れるほどでもない。その程度だ。
なぜいきなり冒険云々言い出したかというと、いま冒険に出ている。チャレンジではない方だ。
チャレンジの方は割と最近大きな事をした。いや、周りから見れば……というだけのことだが――
高校在学中に高認をとって中退をしただけのことだ。
友人に『お前、馬鹿じゃね?』と言われる始末。散々言われてウザくなったから殴ってやった。拳は痛んだが、スッキリしたね。
だが次の日、辞めたはずの学校から呼び出された……。
――――どうしてこうなった(笑)
それも一年も前の話だ。
そいつとは既に連絡を取ってないから、殴った顔が現在どうなってるのか知らない。訴えられなかったしどうでもいい。
一応大学には行く予定だ。
某国立の入試を突破し、晴れて四月には文化部歴史文化・考古学科に入学することが決まっている(ドヤッ
志望動機はもちろん『冒険が好きだ!』という一言に限る。他に理由はいらない。
そしてゆくゆくは埋蔵金でも発見し、一部着服しウハウハしたいものだ。
――一部なのは、全部だと歴史的発見の栄誉が貰えないからだとだけ言っておく。
※ 犯 罪 で す
それはさておき、空いた時間で俺は発掘調査のバイトをしてきた。
将来のために、経験とコネが作れるし悪いことなどない。バイト代は安いけどな!
キツイ。ケムイ。カネ貰えないの3Kだ。
趣味でもない限り、ファーストフードとかでバイトしたほうがいいだろう。例えチーフやら店長に怒られても、そのほうが遙かにマシだ。
俺はやったことないけど、きっとそうに違いない!
バイト代は溜まっている。使う暇もなかったからな!
――塵も積もればってやつさ。
そこでこの資金を使って入学式までの間に、『ひと冒険』してみたくなった。
それで長々と冒険について語ってみたんだ。気持ちをわかってくれるとありがたい。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
俺は今、東京の某所に来ていた。
周りに居る奴らは、おそらく同業者――冒険者達だろう。
皆目が鋭く、ただならぬ気配を発している。
別に東京だからといって、交通機関――電車や高速バスを使って遠くへ出立するわけではない。
――こここそが目的地なのだ!
『風俗街』
男なら誰しも夢みるお宝が眠っている。男になろうとしている者ならなおさらだろう。
――登竜門といってもいい。初心者ダンジョンそのものだ。
安全な場所では決してない。
押し寄せる魔物を蹴散らし、悪徳業者を回避し、最後は性病に罹る恐怖まで覚悟しなければいけない。
危険故にパーティーを組んで探索している奴らもいる。
――――当然だろう。
分け前は減る――美醜の当たり外れ――が、その分情報も集まる。
これはある種の戦争だ。遊びでやっているわけではない!
見ろ! あそこを歩いているソロの男なんて、見るからに熟練の冒険者――常連だ。
浮ついた気配すらなく、ライバル達を気にしても居ない。きっとどこに罠があるのかは熟知しているのだろう……。
――いかん! 俺もまだまだだ。
同業者達よりも罠を看破しなければいけないというのに……。
ん? むむむっ! あそこの建物からただならぬオーラを感じる。
おそらく罠か、それとも一番のお宝が眠っているかのどちらかだろう。
悩む……、俺はどうするべきだろう。