95. 己の道
表情ひとつ変わらぬフェル・ダイが、腰の長剣に素早く手を伸ばす。
よそ見をしていた流護が、顔を正面に戻す動作のまま勢いよく身体を捻る。
刃抜く挙動よりも、弧を描く拳撃のほうが圧倒的なまでに迅く。
超速をもって唸った流護の拳が、フェル・ダイの顔面へと着弾した。
「……、…………ッ……!」
振り抜かれた拳の軌跡をなぞるように、鮮血が尾を引きながら散る。
フェル・ダイは剣を抜く間もなく、受け身も取れず、大の字になって石畳へと叩きつけられた。
その速度に置き去りにされたかのごとく、周囲が静まり返る。
「遅えんだよ」
中指を立てた流護の言葉を合図に、観衆たちも何が起こったのかを理解する。地鳴りめいた大歓声が爆発した。
「え、終わり!?」
「はっ、速えぇ! 何だ今の!? 何したんだ? 殴り倒したのか!?」
人々が沸き立ち、空気が興奮の渦に包まれる。地鳴りめいた――ではない。事実、大地が振動するほどの熱狂。
「………」
流護は仰向けに倒れた青年を見下ろす。
身長差ゆえ、オーバーハンドライトとも呼ばれる、自分の頭よりも高い位置から打ち下ろす一撃となった。手応えは充分。
しかし。
拳に残る、冷たく……硬い感触。そして。
まるで朝起きるかのように、ムクリとその身を起こすフェル・ダイ。
――パキン……
灰色の鋭い両眼。怒りを押し殺した無表情のまま、端正な鼻から溢れ出す鮮血。
その赤い血が、ピシリ……と音を立てて凍りつく。
フェル・ダイが鼻下を指で拭うと、固体となった血液がパラパラと石畳に落下した。拳の当たった頬からも、朽ちた石膏のように無色の薄氷が剥がれ落ちる。
属性は、氷。
先ほどから聞こえていた音の正体。流護の一撃を受けながら、起き上がることのできた理由。
流護は一歩踏み出し、ローキックの要領で、立ち上がりかけているフェル・ダイの顔面へ右の蹴りを放つ。
身体的に脆いグリムクロウズの人間であるはずの青年は、その一撃を左腕一本でガードした。まるで岩を蹴ったような衝撃が流護の脚を伝う。
フェル・ダイは、かざすように右手のひらを流護へと向ける。
素早く飛びずさると、直前まで流護のいた位置に、高さ二メートルほどもある先の尖った氷柱が屹立した。
その柱に向かって構えた流護は、右の手刀を一閃して真横から叩き折る。
「氷柱割り! からの――……」
さらに、崩れゆく氷柱の先端部――尖った部分を蹴り飛ばす。
へし折れて鋭利な凶弾となった氷の塊が、フェル・ダイ目がけて跳ね飛んだ。
青年が咄嗟に眼前で両腕をクロスさせる。氷塊はその腕に突き刺さ――らずに、直撃した瞬間、粉々の破片となって砕け散った。
「!」
流護がわずか驚く間に、立ち上がったフェル・ダイはバックステップで下がり、体勢を立て直し終えていた。中距離を隔て、双方睨み合う。
刹那の攻防に、民衆たちが白熱した。
「う、うおぉこいつら凄ぇ!」
「どっちが上なんだ!?」
「いや、小せぇ方はまだ神詠術使ってねえぞ……!」
先日の酒場で揉めたときもそうだったが、この国の人は心底こういう荒事やケンカみたいのが好きなんだな、と流護は内心で苦笑する。しながら、油断なく敵へと視線を向ける。
先ほどのローキックの感触。放たれた氷塊を防御、粉砕するその硬度。
まるで――氷の鎧。
あの異音の正体がこれだ。開始の号令までの一分間をたっぷりと使い、フェル・ダイはその身体を薄くも硬い氷で覆っていたのだ。氷の神詠術による身体硬化、とでも表現すべきか。
「強いねー、あんた」
「今さら後悔か? 遅いぞ、猿。俺に血を流させた罪は重い。神が許そうが、冥王が許そうが、この俺が許さん」
「あんまり強くてさすがに指一本じゃ倒せそうにねえから、拳で優しく撫でてやるよ」
フェル・ダイが眼光に殺意を込める。流護は鼻で笑い飛ばす。
舌戦もそこそこに、少年は左右のステップを踏み始めた。
――わずかな迷いがあった。
このままいけば、おそらくはベルグレッテやクレアリアが考えている通り、遊撃兵として誘われることになるのだろう。任務も過酷で、今は一人もいないという遊撃兵に。
今の学院の仕事に不満はない。リーダーのローマンや、他の作業者たちもよくしてくれている。
しかし。
このまま学院で働き続けたとして、あと二年。
二年後には、ベルグレッテたちは学院を卒業してしまうのだ。
そのとき、有海流護はどうするのか。
日本にいた頃は、高校を卒業した後どうするかなんて考えたこともなかった。
けれどここでは――本来なら居場所のないこの世界では、真剣に考えなくてはならない。
ベルグレッテたちが卒業していなくなった学院で、ずっと働き続けるのか。
(俺は……)
フェル・ダイが右手に剣を携え、左手に青い光を点しながら流護へと肉薄する。
横薙ぎされた剣をスウェーでいなし、突き上げる氷柱を飛びのいて躱す。と同時に素早く踏み込み、左の拳を繰り出した。
パァンと快音が響く。
「……が!」
フェル・ダイが声を上げてのけ反った。
硬い――が、問題ない。
フェル・ダイの剣が唸りを伴って突き出される。流護は首を捻ってかわし、左ジャブの二連打を叩き込んだ。
全く同じ軌道を描いて飛んだ二連の拳に、青年の端正な顔が弾け、赤い飛沫と氷の破片が舞う。
拳を受けながらも、フェル・ダイは左腕を横に振るう。直後、地面から屹立する氷柱。流護は足を使ってぐるりとこれを回避し、素早く踏み込んでさらに左拳を一発お見舞いした。
氷の青年が鮮血を舞わせてぐらつく。一点集中の打拳に、赤く濡れた薄氷が剥がれ落ちる。
――少年はただ当たり前のように、少女の側にいたいと願う。
ベルグレッテの側にいるのなら、騎士となるのが最良なはずだ。が、レインディールの人間でなければ、騎士になることはできない。『外』の人間に、選択肢は一つしかない。
そして仮に、彼女の側にいられなかったとしても。
『でもリーフィア。それだけのすごい力があるなら、使いかたさえ間違えなければ、誰かを助けることだってできるのよ?』
そんなベルグレッテの言葉が、脳裏に甦る。
これは昨日の会話でリーフィアに向けられた一言だったが、流護にも当てはまることだった。
例えばこのフェル・ダイとの闘い。
詠術士とは、この世界において強大な存在だ。彼らが悪意を持って牙を剥いたなら、恐るべき脅威となるだろう。まさにこのテロが、それを証明している。
が、有海流護は詠術士に対して優位に立てる。間合いにもよるが、基本的には詠唱というタイムラグが必要となる彼らを相手取り、比較にならない速度で攻撃を放つことができるのだ。決闘などと銘打って向かい合った時点で、流護が圧倒的有利となる。
無論、ディノのような例外も存在するうえ、このフェル・ダイも技量は高い。
開幕早々に手痛い一撃をもらい、そのままダウン。普通であればそのまま終わっているし、仮に立ち上がれたとしても、ダメージを引きずったまま闘うことになる。
ルール無用の闘いでは「初撃こそが全てを決める」と言われることもあるが、フェル・ダイはまさに『負けパターン』に入った――はずだった。
しかしそこは詠術士の本領とでもいうのか。ダメージを最小限に抑え、追撃を凌ぎ、形勢を持ち直すことに成功している。流護であっても決して、油断できる相手ではない。
しかし、それでも――
流護は時計回りに足を運びながら――左拳を『握らず』に、素早く突き出す。そして、着弾の瞬間にのみ強く握り込む。
「がっ……、ば!」
拳速重視の左ジャブ。霞む残影を残す一撃に、直撃したフェル・ダイの顔が弾けた。
――有海流護ならば、詠術士という存在に抗うことができる。悪意持つ者を、ねじ伏せることができる。人質たちを、解放することができる。
つい先ほど、人質となった娘の無事を祈っていた老夫婦の姿を思い出す。終ぞ自力では『連れ戻す』ことができなかった、ミアの件を思い出す。
この自分の力に『法』を付与して、より多くの結果を齎せるのなら。
最短距離を飛んだ左に、またも青年の顔面から鮮血が舞う。もう、氷の薄皮は全て剥がれ落ちてしまっていた。
「……ぐ!」
フェル・ダイの膝が大きく揺れる。と同時、その表情が大きく変化した。
憤怒。歯を食いしばった、怒りの形相。
実際のところ、この男は紛うことなき手練に違いない。だからこそ、気付いている。
神詠術すら使われず、ほぼ左の拳だけで倒されかけていることに。圧倒的――フェル・ダイにとっては絶望的とも表現できるほど、力の差があることに。
「こ、の……小猿が――ァッ!」
鬼神の形相と化した氷の男は、銀色の剣を袈裟掛けに振り下ろす。
流護はその一撃に廻し蹴りを合わせた。横合いから蹴り飛ばされた剣が、風車みたいに回転しながら飛んでいく。
左の拳を構える流護だが、読んだフェル・ダイが素早く下がり、射程圏内から離脱する。
派手な交差に、民衆たちが沸き立った。
――ひどく危険だという遊撃兵。
しかし、そんなのは当然だ。騎士や兵士という職務が、危険でないはずがない。
ロイヤルガードであるベルグレッテたちも、それは同じこと。ならばせめて一緒に、肩を並べて闘いたい。
そもそもこんな決闘に駆り出されている時点で、今でも充分に危険だろう。
今後も事あるごとに協力を要請されたりするのなら、それはもう兵として働いているのと変わらない。
荒い息を吐くフェル・ダイ。その肩が上下するたび、赤い雫が石畳に染みを作る。その眼は、手負いの獣のそれだ。まだ死んではいない。
流護は油断なく敵を見据えながら、流れる汗を拭おうと頬に拳を当てて――
そこで初めて、己の口の端が吊り上がっていることに気がついた。
ディノ戦のときと同じように、嗤っている。
心の裡にある何かが、またも顔を出している。
危険? 今まで生き残った者がいない? 上等だ。
そう、高揚している。
(――よーし……)
流護は一際大きく息を吸い込んだ。
――遊撃兵、やってみようじゃねえか。
迷いは消えた。否、半ば強引に振り切って、勢いのままに覚悟を決めた。
本来であれば、ベルグレッテに意見を仰ぐべきなのかもしれない。しかし彼女なら、なるべきではないと言うのだろう。流護の身を案じて。
流護自身、ベルグレッテにそう諭されたなら、流されるまま従ってしまいそうだった。
だから尚更、自分だけの意思で決断した。これからの、己の道を。
「猿っ……、この、……猿、がァッ……貴様、なんぞに……」
血反吐と共に怨嗟を吐く敵に対し、流護はハッとしたように――小馬鹿にしたように言い放った。
「おっと悪い。あんたがあんまり弱ぇモンだから、つい考えごとしちゃってたんだよ。将来のこととか。で、もう終わらせてもいいよな?」
「猿、……ッ!?」
煽れば激昂する、分かりやすい性質。
フェル・ダイが怒りに身を震わせた一瞬の隙に、流護は一足で間合いを詰めきった。
右の拳を腰溜めに構えると、辛うじて反応した青年が両腕で顔を庇う。
「――ふッ!」
流護はそのまま、フェル・ダイの腹へ中段突きを叩き込んだ。
「……、ぐ、ば……!」
ごきん、と何かが砕ける感触。
酒場でディーマルドが言っていたように、やはりフェル・ダイも腹当てを巻いている。さらにそのうえ、氷の防護膜で身体を覆っている。それを見越した一撃。ぶ厚い塊を殴ったような感触が流護の拳に伝わった。
単純なフェイント。散々に顔面を叩かれたフェル・ダイは、攻撃態勢に入った流護を見て咄嗟に顔の防御を固めた。しかしそれは狙い通り。流護はガラ空きとなった腹を叩いた。
タネも仕掛けもない、ごく基本的な上下の打ち分け。しかし最先端の格闘技知識など持たないフェル・ダイにしてみれば、なぜこうも拳をもらってしまうのか理解できないだろう。
「ご、……こ、の、猿、があああぁぁ!」
「サルサルうっせんだよ、サルって言う方がサル」
横に薙がれた氷の左拳を潜って躱し、返す刀で腹に左拳を突き入れる。
フェル・ダイの表情が苦悶に満ちる。感触的にも、肋骨の数本は砕けたはず。
膝から力なくくずおれ――ずに、男は歯を食いしばって流護へ掴みかかろうと手を伸ばす。
その手が触れるより速く、流護は割り込むように左拳をくるりと回して打ち抜いた。至近から放たれた、左のショートフック。無造作にも見える一撃が、フェル・ダイの顎先をかすめていく。
「――――」
その手は何も掴むことなく、フェル・ダイは前のめりに石畳へと崩れ落ちた。
流護は残心の動作を取り、うつ伏せとなって倒れた敵に背を向けて歩き出す。
「え、お、終わったの?」
「えぇ? 転んだだけに見えたぞ。まだ起き上がるだろ?」
観戦していた人々は、呆気なく倒れたフェル・ダイに――自分たちのほうへ歩いてくる流護に困惑する。
流護は経験から知っていた。
『前のめりにダウンした人間は、まず起き上がらない』。
人はうつ伏せで倒れそうになれば、反射的に手をつこうとする。それをしないのは、できないからだ。意識が飛んでいる――もしくはそれすらできないほど深刻なダメージを負っている、ということに違いなかった。
『それまでいッ! 勝者、リューゴとする!』
アルディア王の声に、困惑気味だった民衆たちも一斉に歓喜の声を爆発させた。
有海流護は、こうして――大観衆の前で、己が実力を証明した。
「すっげぇなアンタ! 何者だよ!」
「最後まで神詠術使わねぇなんて、どうなってんだ!?」
「あれ、あんたもしかして、学院救ったっていう……」
囲んでくる人々の波を抜けながら、流護はアルディア王の下へと引き返す。巨大な王は、豪快な笑顔を見せて流護を迎えた。
「なるほどなぁ。リューゴの闘いってのを初めて見させてもらったが、凄まじいまでの格闘術よ。こりゃぁ、デトレフ程度じゃ相手にならんワケだ」
その名前に、流護は少しだけギクリとした。アルディア王の笑顔に変化はない。
「ケッシュよ、お主ならどうだ? リューゴに勝てるか?」
王は傍らにいる騎士に声をかける。
「じ、自分でありますか!? し、しかし自分も騎士でありますので……!」
ケッシュは背筋をピンと伸ばし、答えになっていないようなことを言う。王の手前、王と国に仕える『銀黎部隊』の一員として、「勝てないかも」などと言えるはずもない。
「がははは! まぁ何にせよリューゴ、ご苦労だった。予想以上の働きだったぞ」
「あ、はあ……」
クレアリアの話を聞いていたせいだろうか。
流護にはその王の笑顔が、計算通りだと言っているように見えた気がした。
「陛下、賊の男をキャンプへ運び込みました!」
「うむ、ご苦労」
駆け寄ってきた兵の報告に王は頷きを返す。
「それで、宮廷詠術士に――」
「ふむ……」
話し込むアルディア王と兵を横目に、流護は美術館のほうへ視線を送る。
これで敵の駒を手中にできた。尋問するなり何なりで、情報を得ることもできるだろう。もっとも、この決闘に賭けていた条件が条件だ。もはやその必要もない気がするが。
兵士との会話を終えた王が、大きく通信を響かせる。
『――さぁて。決闘はこっちの勝ちで文句ねぇよなジンディムさんよ? それじゃあ、人質を全員解放してもらおうか。それともゴネてみるかい?』
『いいや。言う通りにしよう』
アルディア王の要求に対し、ジンディムは素直に応じる姿勢をみせた。
「……え?」
ケッシュが呆けたような声を漏らす。流護は釣られるように彼を見上げた。視線に気付いたのか、ケッシュは少し戸惑いながらも流護に説明する。
「あ、いえ。随分とあっさり従うんだなと。正直なことを言ってしまえば、敵は素直に人質を解放する必要はないんじゃないかと」
「……確かに」
ケッシュの言う通りだ。
この決闘は結局のところ、ただの口約束の下に行われている。こちら側としては人質たちの安否もかかっているため約束を守らなければならないが、敵側は守る必要がないのだ。敵に対して、約束の遵守を強制させる仕組みもない。
これは何だかんだで、対等な交渉などではない。人質を取っている以上、敵は無茶を通せるはずなのだ。ここで「やはり人質は解放できない」と約束を反故にしたところで、敵側にしてみれば問題はないはず。
人質を取って立て篭もるような連中が、正々堂々と交渉することを信条としているとは思えない。こちらの手中に落ちたフェル・ダイの身を案じて……とも思えない。
人質を解放してしまった時点で、敵の負け――こちらの勝ちは確定するようなものなのだ。
ジンディムは……素直に敗北を認めた、ということなのだろうか。
流護たちが惑う間にも、当のジンディムの声が響き渡る。
『さて……約束通り人質は全員解放するが、人数が人数だ。しばし時間をもらう。文句はないな?』
『おう、構わんぞ』
『そうだな……十分程、時間をもらおう。準備が出来次第、解放する』
上空に浮かんでいた双方の波紋が消えた。
アルディア王が、周囲の兵士たちに素早く指示を飛ばす。
「よし、人数を集めろ。人質たちが解放され次第、素早く罠の確認だ」
「はっ!」
兵たちが指示に従い、素早く散っていく。その様子を眺め、ケッシュが頷いた。
「……なるほど……、そういうことか」
「罠? とか言ってましたよね、今」
不思議に思った流護へ、ケッシュが神詠術爆弾について説明してくれた。
聞くところによれば、ようは人間爆弾だ。どこの世界でも、悪党が考えることに大差はないらしい。
一気解放する約三十人の人質たちに、爆弾を仕掛けた者を紛れ込ませる。何なら全員に仕掛けたって構わない。実際は処置に時間がかかる術だそうなので、全員に仕掛けるような真似はまず不可能とのことだが。
ともかく、人質を解放するまでに十分という時間を設けたのも怪しい。爆弾は充分に考えられる話だ。むしろ、敵が一矢報いる手段はもうこれしか残されていないようにも感じる。
ジンディムの通信技術から推測する限り、神詠術爆弾を使えるとしたら凄まじい威力になるだろうとも予想されているようだ。
――さて。
人質解放に見せかけて人間爆弾が仕掛けられているのか。それを見越したアルディア王によって、この事態は収束を迎えるのか。
解放まで、六百秒のカウントダウンが始まった。