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おっさんの冒険録  作者: おっさん
記録者:桜葉一郎 「三日目」
39/58

緑の世界の輸送事情



「……そうかぁ、おめぇとマリーちゃんが冒険者生活をねぇ。

 よし、話は分かった。おう、イチロー? ちょっとソコで待っててくれねぇか?

 これから冒険者生活を始めるおめぇさんに、持たせたいモンがあるんだわ」


「えっ? あ、あぁ。そりゃ構わねぇが……?」


 朝市で朝食に必要な物を買い揃え終えた俺は、最後にパンを買う為に、

顔馴染みのトーマスさんが経営しているパン屋へ向かったんだわ。いつもならよ、

トーマスさんの奥さんか娘さんのどちらかが店番やってんだけど、二人ともパンの

配達に行ってるらしくてよ、それで今日は珍しくトーマスさんが店番をしていたぜ。


 んで、そのトーマスさんに朝の挨拶を済ませた俺は、とりあえず店内の陳列棚から

焦がしチーズ乗せフランスパンを五本選び、その会計を済ませた後にトーマスさんと

世間話をしたんだが……その時に、俺が冒険者生活をするって事を彼に伝えたらさ、

そしたらトーマスさん。その話を聞くなり俺に、パンの代金を支払ったりする為の

カウンター前で待つ様に言い残すと、カウンターの中からパン工房へと通じている

入口の方へ歩いて行ったんだわ。……コレが今の、彼とのやりとりってワケさね。


 トーマスさんの口振りからすっと、なんか俺に渡したいモンがあるらしいんだが、

いったい何なんだろうな。……まぁ、慌てるなんとかは貰いが少ねぇっていう格言も

あるこったし、此処はトーマスさんが戻ってくるのを大人しく待つとしますか――


 そう気持ちを切り替えた俺は、ただ待ってるのも暇なんで、カウンター前からは

動かずに、その場で店内を見渡す事にした。店内には、早朝に焼かれたと思しき

パンから漂ってくる、食欲をそそる様な香ばしい匂いが、辺り一面に充満している。


 その香ばしい匂いの元となっているのは、植物由来の材料で編まれた網籠の中へ

突っ込まれてる、大中小とサイズ分けされたフランスパンとか、ハチミツか何かが

塗られているっぽい光沢のあるクロワッサンやら、小麦を材料にした上品な白いパン

とは違って見た目が黒っぽいライ麦パンであり、その他にも多種多様な菓子パンや

色とりどりな調理パンが香ばしい匂いを漂わせながら、所狭しと木製の陳列棚に

並べられていた。こんなに沢山の量のパンを作る事が出来るのは、パン職人である

トーマスさんの技量が優れているからなんだろう。だけどさ、どんなに腕の良い職人

だったとしても材料がなくちゃ……その腕は振るい様が無いよな。


 「材料」があってこその、この職人技ってモンだ。


 ……よし、丁度良い。トーマスさんも、まだ戻ってきそうにねぇからさ。

 この待ち時間を使って、さっき話した材料に関わる「この世界の輸送事情」を

話すとしようか。まぁ、とは言っても……俺自身、別世界から来たモンで「コレ」は

又聞きになるんだけどよ。……今から話す事は、博識なマリーから聞いた話だぞ。


 先程のパンみてぇなモノを作るには、様々な材料が沢山必要になるワケなんだが。

 そういった材料は、どういう方法でアースグリーン各地に流通していると思う?

 この世界にゃ自動車や飛行機なんて便利なモンはねぇし、ソッチの世界で言う所の

密林もねぇし、飛脚の人もいねぇし、黒いネコもいねぇのに……不思議な話だろ。


 ……まぁ、ネタばらしするとよ、この世界の物流輸送の主な役割を担っているのは、

帆船による海運と馬車による運搬、そして……この世界、アースグリーン各地に

点在している、ギルド経由に拠る人海戦術といったトコなんだわ。


 一見して、その輸送方法だけだとレトロチックで遅いように見えるんだが……

ソッチの世界には無くて、コッチの世界には「存在する」モンがあってだな。


 ……あぁ、先に言っとくが。その「存在する」モンってのはよ。


「おるかー?」「よっしゃ、いくわー」「ココ、ここやで」の、会社でもねぇぞ。

 長崎出身の、とある俳優の苗字が付いてる運送会社でもねぇ。

 麻雀で、一から九迄の牌を揃えると出来る役……あぁ、ありゃ「イッツー」か。

 それに似た様な呼び名の運送会社でもねぇし、シャコタンになってるイヌの絵が

描かれたトラックを持っているような会社でもねぇからな。


 ……まぁ、ボケはこんぐれぇにしといてだ。さっき話した人海戦術。

 その遅さを解消したのが、エリカの編み出した「魔法」なんだとさ。


 後で話そうと思うが、そこのキミ。そこのキミは、魔法なんて無かったソッチの

世界で帆船が活躍していた時代の、船乗り達が残した「航海日誌」とかを読んだ

事はあるかい。……俺は、中学の時にそういうのを読んだ事があるんだよ。


 その内容にはよ、ネットで閲覧できるグロい話の、更に上を行く様な感じの、

目を覆いたくなるような悲惨な話も沢山あったんだ。と、まぁ……

とりあえずその話は置いといて、コッチの世界の輸送事情に話を戻すが。


 魔法が出来た事によって、魔法を使える奴さえ船に乗せておけばな、

ソイツの魔法によって帆船であっても常に順風満帆の高速状態を維持出来るし、

食料や飲料の低温保存も容易に出来るようになったから、乗組員が食糧事情で

体調を崩すこともなくなって、この世界の帆船の輸送速度はさ、魔法が普及すると

同時に安全的に且つ、飛躍的に早く出来る様になったんだってさ。


 魔法が世に出る以前にも、精霊と直接契約を結ぶ事によって扱える精霊魔術ってのが

あるにはあったんだけどよ、その精霊魔術は、魔力……要は、簡単に説明すっと生物の

精神力になるんだが、その精神力の負担が多大となるので人族の身体では数発が扱える

限度だったそうな。……なので、魔法が出来る以前の輸送事情は、ソッチの世界の

大航海時代の帆船事情と代わり映えしなかったそうだぜ。


「そういう大航海時代の帆船」に乗り込んでいた、

当時の船乗り達の「労働環境の苛酷さ」とかを知ってるかい。


 ……あぁ、こっから先の話は、ちっとグロい表現も含まれるからさ。

 メシ食いながらの人は、メシを済ませてからな。じゃねぇと人に拠っちゃあ

気分を悪くして「マーライオン」の物真似をすっことになっから、宜しく頼むぜ――



 ……それじゃあ、ソイツを話す事にするが。帆船での船出や交易って言われたら、

どんな事を思い浮かべる? まぁ、有名な話じゃ香辛料を求める為とか、新天地や

未開の地への冒険だとか、金銀財宝を奪い合う海賊達が出てくる話や、植民地からの

奴隷交易とかの話や、無敵艦隊! とかの話が、思い浮かぶ話の相場だろうな。


 陸地から常に近い近海での交易船出だったら、そんなに危険な事はねぇんだが……

大洋航海の場合は、話が別になるんだよ。その大洋航海の場合は、一度出航しちまうと

……そりゃ途中で、水の補給等で寄港はする事くれぇはあるんだろうが、基本的に。


 三ヶ月から一年以上は当たり前に、場合によっちゃ二年、三年も。

 何処にも逃げ場の無い船上で、海上生活を余儀なくされるそうなんだが。


 船員達は、機械じゃなくて生物だから当然食事をしなくちゃならねぇんだがよ、

出航した際には新鮮だった船員達の食糧も水も、保存技術の無かった当時は……

直ぐに腐っていたんだとよ。……まず最初に、ビタミン補給に欠かせない新鮮な野菜や

果物から腐り始め、喉の渇きを癒す為に必要な水も腐って悪臭を放ち、日持ちしそうな

穀物類とかビスケット(堅く焼いたパン)すらも、いったい何処から入り込んだのか、

いつの間にかに「コクゾウムシ」や「ネズミ」に全て食い尽くされて、その他の

保存食である塩漬けの肉、塩漬けの魚、チーズとかにもウジ虫が涌き上がったそうだ。


 ……そしてウジ虫は当然の事ながらハエに変わって、そのハエが再度ウジ虫を

発生させる様な悪循環になるワケだ。そうなっちまうと飲み水は雨水を溜め込む事で

なんとか代用出来ても食い物は全滅だ。食い物がねぇから食事を取れずに身体が弱って

昏睡状態に陥り、動けなくなっちまった船員達はよ……自分の身体から出る汚物の処理

すらも出来なくなるくれぇに体力を無くすから、ソレを船倉のそこら中に垂れ流しに

するしか他に処理方法が無い状態となるんだわ。


 追い討ちの如く、そんな昏睡状態の船員達の身体には……腹を空かせたネズミが

エサを求めて齧り付き始め……更にゴキブリも大量発生する。……こんな具合に、

食い物が全滅した時は、そんなネズミに食われるか、そのネズミを食うかの二択にも

なったそうだ。……船内の生活事情が、その状態まで行っちまうと悲惨なモンさ。


 ネズミの肉や魚の肉、そして海鳥の肉とかで腹は満たせても、そんな食事なんかで

ビタミンなんか満足に取れるワケもねぇから、ビタミン不足から発生する壊血病に

船員達の身体は蝕まれ始め……血液の通わなくなった手足や、歯茎は腐り始め、

その腐った部分にはよ、ハエがウジ虫の卵を産み付けるワケだ。


 ……それでもなんとか、比較的健康状態のマシな船員がさ、気力を振り絞って

何か食べ物を見つけ出して、ソレを食べようとしても、歯茎は既に歯槽膿漏状態に

なっちまってるから、食べ物があったとしても歯が使えなくて噛む事が出来ずに、

飲み込む事しか出来なくなってるんだわ。……生き地獄だな、ホントによ。


 陸地が近ければ、なんとかなったかも知れないが……見渡す限り海しかねぇ様な

逃げ場の無い海のド真ん中で、乗組員全員がそうなっちまった日にゃよ……後は、

言わなくても分かるよな。……遭難事例としては他にも、不衛生な環境だったから

ソレで疫病が発生して、乗組員全員が眼病にやられちまって測量士も掌帆手も

失明して、それで誰も操船出来なくなって遭難、全滅ってケースもあったらしい。

 コンピューター制御に拠る自動航行システムなんてモンは存在しなかった

時代だから、そういう事故は結構あったみてぇなんだわ。


 しかし、人間ってなぁ進歩するモンで、その辺に気付く奴もそのうち出て来てな。

 壊血病対策については船員達にライムジュースを飲ませたり、キャベツの塩漬けを

食わせたりでビタミンを補わせ、凌ぐ様な流れになったみてぇだぞ。


 ……んで、こりゃ余談だが。イギリス人はライムジュース、ドイツ人はキャベツの

塩漬けといった具合に壊血病予防に際して愛用してるモンは統一されずに、それぞれ

異なってたみてぇでよ、その流れからイギリス人を挑発する際は……その時のライム

ジュースネタを用いたりして「この、ラ○ミー野郎!」とか、言ってるワケなんだわ。


 ……しかしまぁ、そういった先人達の苦労の積み重ねを経て、そこから得た医学の

知識の発展やら、物流の発展やらの恩恵を授かって俺達は今を生きてるんだって

考えたらよ、なんとなく感慨深いモンがあるよなぁ。と、まぁ……ソッチの世界の

帆船事情と比べながら、コッチの世界の輸送事情を話したワケだが、コッチ世界の

輸送事情は大体こんな感じなんだよ。……魔法って奴ぁ、ホント便利なモンだな――



 ……おっ、そうこう話をしてたらトーマスさんが工房から風呂敷包みを持って

出てきたぜ。トーマスさんが持ってる白い布地の風呂敷包み、その大きさ的には……

よく漫画で泥棒が背負ってる感じの一抱え……ってトコだな、結構な大きさがある。


「……待たせたな。イチロー? おめぇに持たせたいって言ってたのは、コイツさ」


[……ゴンッ]


「……な、なんだい、こりゃあ? な、なんかいま『ゴンッ』って、

 なにかの堅いモンが木にぶつかった時に出るみてぇな音がしたが……?」


 トーマスさんは俺に声を掛けると工房から持ち出して来たのであろう、その手に

持っていた大きな風呂敷包みをカウンターの上へ無造作に置いた。この包みの中に

何が入っているのかは、彼に聞いてみねぇ事にゃ分からねぇが……彼が持って来た

風呂敷包みの中身は、堅い樫の木で出来てる丈夫なカウンターの堅さに負けねぇ

くれぇの勢いでカウンターを叩く様な具合に、なにやら重々しい音を出していたよ。


 その音を耳にした俺の、怪訝そうな表情や問い掛けから察したのか、

トーマスさんは苦笑しながら風呂敷包みの中身を俺に説明してくれたぜ。


「……ふっ、コレか? コイツはな? 今朝、焼き上げたばかりの特注品だ。

 水気や湿気にさえ、さらさなければ二年間くれぇは絶対に腐らねぇし、

 カビたりもしねぇし、虫も付くこたぁねぇ、保存用の二度焼き堅焼きパンなのさ」


「す、スゲェなソレは……そんなパンがあったなんて、知らなかったぜ。

 だけど、トーマスさん? どうして、そんなスゲェパンを俺にくれるんだ?」


「……あぁコイツはな、フィックスの、とある商船団から商人ギルド経由で依頼を

 受けて作ったモンなんだが……別に、代金を先に支払って貰ってる訳でもねぇしよ、

 材料費は今んとこ俺の手出しなんだ。だから、俺がコイツをどう扱おうが俺の勝手

 なのさ。ってなワケで、コイツはマリーちゃんと冒険者生活を始めるっていう……

 イチロー、おめぇに餞別代りにくれてやるよ。……遠慮はすんな、持っていきな」


「い、いや……しかし、そ、そんなスゲェパンをタダで貰うワケにもなぁ……。

 あ、トーマスさん? それなら俺、代金払うからソレで譲って貰うって事に……」


「……。」


[ダァンッ!!]


「……うおっ!? な、なんだよいきなりっ!?」


 ……彼の説明を聞く限りじゃ、この風呂敷包みの中身はタダのパンではなさそうだ。

 そんな大層なモンを幾ら餞別だっつっても、タダで貰っちまうのは流石に悪い気が

するからよ、そう感じた俺はソイツの代金を払おうとしたんだが……


 そしたらトーマスさんがさ、俯き加減で無言で黙ったまま、

いきなり左手をカウンターの上に振り下ろし、カウンターを叩いたんだ。


「……律儀な野郎は嫌いじゃあねぇが、律儀過ぎんのも考えモンだな。

 おう、イチロー? 俺に恥を掻かせるんじゃねぇぞ? 俺が、いつ……おめぇと

 商売の話をしたよ? くれてやるってんだから、金の話なんかすんじゃねぇ。

 俺は確かにパンを売って生計を立ててる商売人でもあるが、それと同時によ?

 ただのパン職人でもある。勝手に俺の価値を値踏みしてんじゃねぇぞ……?」


[ギロッ!!]


「うっ……!? わ、わかったよ! 俺が悪かった! 有難く頂戴致しますっ!!」


[ビシィッ!!]


 ……五十路を迎えて、この眼力。伊達に「イマジン・メイカー」なんて周りから

呼ばれてねぇってワケだ。その眼光に見据えられた俺は、思わず直立不動の姿勢から

相手への最敬礼を示す、お辞儀を「ビシッ!」と、する羽目になっちまったよ。


 ……金儲け至上主義の商売人根性で商売やってる奴も居れば、損得勘定抜きにして

己の技と心意気一つでテメェの信念に沿った生き方をして、生計を立てる職人も居る。


 トーマスさんは、その後者の職人さんなんだわ。普段は冗談やバカ話にも付き合って

くれる気さくなおっちゃんなんだが……パン関係の話題で、職人魂に火が着くと必ず

こうなるんだよ。職種は異なれど俺が昔、世話になってた親方みてぇな考え方だわ――


 ……先程までは険しい顔付きをしていたトーマスさんだったが、

俺からの謝罪を受けると、一呼吸あけた後に、今度は彼の方から俺へ謝って来たよ。


 そのトーマスさんの表情は、いつもの穏やかな表情に変わっていたぜ。


「……ふっ、分かれば良い。俺の方こそ、いきなり悪かったな。おめぇは冒険者

 として駆け出しだから、まだ知らねぇだろうが……冒険者として何処かで生計を

 立てるんなら場合によっちゃ……長時間遺跡や迷宮に潜る事もあるんだ。武器や

 防具は確かに大事だが、食糧はソレ以上に大事なんだぞ? ……俺は、ソイツを

 おめぇに分かって欲しくてな。……探索中は魔法で飲み水は出せるが食い物は

 出せねぇワケだ。そんな時にコイツを使ってくれ。スープとかの汁物でふやかして

 食べるのが一番なんだが……水でもイケるように作ってあるから心配すんな」


「あ、あぁ……。な、なるほど。確かにそうだよなぁ……」


 冒険者生活を送る事になりゃ、迷宮や遺跡にも深く潜る事にもなるだろう。

 さっきの航海中の話じゃねぇけどソレと同じで、一旦何処かに深く潜っちまったら

食糧の補給なんて容易に出来ないワケだ。……その辺の事を失念してたわ。


 ……トーマスさんの言いてぇこたぁ骨身に染みて理解出来た。


 チームリーダーとして探索を円滑に進める為には、皆の糧食を確保する事も大事な

コトだと教えて貰ったぜ。……危うく皆を、餓死させるかも知れねぇトコだったわ。


「……あぁ、分かったよ。有難く貰って行くぜ。しっかし、スゲェパンだよなぁ……

 二年も保存が効くなんて。……なぁ、トーマスさん? コレ、トーマスさん以外の

 パン職人にも作れるのかい? こんなパン、俺は初めて見るモンだからよ……」


 トーマスさんからの心遣いに感謝の礼を述べた後に、俺は気になっていた疑問を

彼に聞いてみる事にした。……だって、そうだろ。脱酸素剤と一緒に真空パック密閉

とかをしてんのならともかく、普通、ただ焼いただけのパンだったらカビが生えちまう

ってモンだ。……有り得ないって、ぜってーに。ソッチの世界の常識的に考えて。


 そしたら、トーマスさんは自分の右手を眺めながら俺からの質問に答えてくれたよ。


「……うん? さて、どうかねぇ。俺と同じく『コイツ』を持ってる職人になら、

 作れるんじゃねぇのかな。俺自身、まだ、そういう職人と会った事はねぇんだが……

 なぁイチロー? おめぇが旅先で、そういう職人と出会えたら俺に教えてくれよ?」



 トーマスさんは、そういうと……

 男っぷりの良い笑顔を俺に向けながら、微笑み掛けてくれたぜ。




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