最終話~英雄の帰還、それは・・~
第三者side
愛「ご主人様ー!」
戦勝と和平の酒宴から一夜が明けた。現在、洛陽城内は騒然としていた。理由は三国連合の盟主にして英雄、御剣昴の姿が何処にも見当たらないからだ。現在、将兵が総出で御剣昴の探索にあたっていた。
星「主よ!何処に居られる!」
朱「ご主人様ー!」
将の皆が声を張り上げ、御剣昴を探す。
翠「駄目だ、何処にもいない!」
雛「もう城内には居ないのかも・・。」
愛「場外にも探索隊を出そう。お前達は近隣の邑に、お前達は森を探せ!」
「「「「はっ!」」」」
指示を受け、兵達が駆けて行く。
紫「ご主人様はいったいどちらへ・・。」
皆が御剣昴の行き場所を模索する。そこへ・・。
桃「皆ー!」
桃香が将達の元にやってきた。
鈴「桃香お姉ちゃん?」
桃「皆、これ・・。」
桃香が一枚の手紙を取り出す。
愛「桃香様、それは?」
桃「ご主人様の部屋に置いてあったの。これ、ご主人様の字だよね?」
その手紙の頭には御剣昴の字で『皆へ』と書いてあった。
桃「・・読むね。」
桃香が手紙を開き、読み上げた。
・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
皆へ・・。
まず最初に、ごめん。この手紙を読んでいる時には俺はもうこの国、この世界にはもう居ないだろう。俺は守り手、あらゆる外史を巡り、その外史を救う存在だ。目的を果たせば次の外史へ、また次の外史へと巡る。俺のこの外史の役割は乱世を治める事と、刃を討伐する事。その2つが果たされた以上、俺はもうこの外史に留まる事は出来ない。湿っぽいのは苦手だから手紙という形を取らせてもらった。
これから先、政に役に立ちそうな政策の草案を記したものを残しておく。是非参考してほしい。
最後に、黄巾の乱より始まりし乱世。その乱世で散っていった者達の願いが何だったのかを考えてほしい。その者達が何を想っていたか、そして、皆が何を想って戦ってきたか。俺の出来る事はここまでだ。後の事は、俺の想いと共に皆に託す。任せたぜ。
皆に、永久の平和と、幸せを・・。
御剣昴
・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
朱「そんな・・。」
愛「もう、ご主人様が居ないなんて・・。」
翠「酷いよ、あたし達に一言も無しだなんて・・。」
桃香が手紙を読み上げると、皆の目に涙を浮かぶ。
桃「帰って来るよ・・。」
愛「えっ?」
桃「帰って来るよ。だって、この手紙にはさよならって書いてないもん。」
鈴「桃香お姉ちゃん・・。」
皆が桃香を見つめる。そこへ・・。
雪「良い国にしなくてはね。」
星「雪蓮殿。」
雪「もし、この国に昴が降り立たなければ、私達がこうして一同に会する事は無かった。そして、五胡の侵攻を食い止める事も出来なかった。」
冥「我らは、いや、この国は昴に救ってもらったと言っても過言ではない。これまで、我らは昴に頼りきりだった。ここからは我らでこの国を守っていかないとな。」
愛「雪蓮殿、冥琳殿・・。」
華「精々後悔させてあげましょう。この国の成長を目の当たりに出来ない事を・・。」
華琳の言葉を聞き、皆が目尻の涙を拭い・・。
桃「皆、頑張ろう!ご主人様は私達にこの国を託してくれたんだから。皆で頑張って、ご主人様を驚かせてあげよう!」
愛「・・そうですね。ご主人様が帰ってくるその日まで、この国を守りましょう!」
桃「うん!それじゃあ皆、力を合わせて、頑張ろうー!」
「「「「応ーっ!!!」」」」
※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※
3年後・・。
※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※
桃香side
あれから・・。ご主人様が旅立ってから3年が経ちました。今でも華琳さん達の魏、雪蓮さん達の呉、私達の蜀は力を合わせて仲良く過ごしています。あれからいろんな事がありました。まずは五胡だけど、調印式から1年後、五胡の国から使者が来ました。内容は・・。
『五胡は穏健派で統一。和睦、和平と共に、同盟の締結を申し出たい。』
という事でした。
姜維さんは本当に五胡を1つにしてくれました。本当の意味で乱世が終わりました。
三国の国も、ご主人様が残してくれた政策のおかげで著しく発展しています。
そうそう!武官の人達の提案で、年に1回、天下一品武道会が開催される事になったんです!第1回、第2回大会は恋ちゃんが優勝しました。第3回大会はその恋ちゃんに勝利して遂に凪さんが優勝しました!凪さんは、この国で誰もが認める三国一の武人になったんです!
街でも、邑でも、今では笑顔で溢れています。私が待ち望んでいたものが、私の目の前に・・。
「桃香様。まもなく街道です。」
「ありがとう、愛紗ちゃん。」
私は今、和平の締結3周年を祝う酒宴の為、今年の会場である魏領の許昌に向かっています。
「あっ!」
「どうかされましたか、桃香様?」
「うん。ちょっと寄りたい所があるの。」
「・・ああ、あの場所ですね?お時間はありますので立ち寄って行きましょう。」
「ありがとう、愛紗ちゃん♪」
・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
「では、私は周囲を見回ってますので、何かあればお呼び下さい。」
「うん!」
愛紗ちゃんはその場を離れていった。
「ふふっ・・。」
私が寄りたかった場所、それは街道の一角にある満開のお花畑。私のお気に入りの場所。
「・・・。」
私はしばらくそのお花畑を眺め続けていると・・。
「綺麗な花ですね。」
「ふふっ、綺麗でしょう?このお花は向日葵と言って、お空に向かってググーって伸びて、綺麗な花を咲かすんですよ。これはご主人・・この国の英雄様が大好きなお花で、その方から種をいただいていたのでここに植える事にしたんです。いつか、このお花をもっともっといっぱい咲かせて、この地をこのお花でいっぱいにするのが私の夢なんですよ♪」
「そうなんですか。」
「・・・。」
「・・・。」
「私、頑張れたかな?」
「君は立派だったよ。胸を張って良い。」
「寂しかった・・。」
「ごめんな、寂しい思いをさせて。」
「もう・・、何処にも行かないよね?」
「ああ、これからはずっと一緒だ。ずっと、傍にいるよ。」
「っ!、ご主人様ぁ!」
私は振り返った。そこには私が・・、私達が待ちわびた・・、大好きな人の笑顔がそこにあった・・。
もう離さない・・。これからはずっと一緒だよ!
ああ・・、俺も離さない。ずっと一緒だ―――。
※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※
英雄は去り、物語は終結した。
3年という長い年月を経て英雄は帰還した。
それは始まりを意味していた。
英雄、御剣昴と、彼を愛する恋姫達の、新たな物語が、始まった・・。
~ 終幕 ~
「どうも、御剣昴です!。」
「どうも作者です!」
「どうもーって、何だこれは?普段のあとがきは駄文の言い訳ばかりしているのに。」
「耳が痛いな。いや~、良く他の作品でやってるからついやってみたくて。」
「・・パクりか。」
「パクりじゃないです、カバーです。」
「・・ものは言い様だな。しかしまぁ、良く完結まで行ったものだな。」
「だよな~。」
「何度も投げ出しかけたり・・。」
「うっ。」
「別の作品書こうとしたり・・。」
「うっ。」
「だがまぁ、良く完結させたよ。たいしたものだ。」
「へへっ。」
「とにかく、これで話は終わるわけだ。・・最後はお前が締めろよ。」
「良いのか?主人公はお前だぞ?」
「良いから、・・これはお前の物語だ。」
「・・パク『カバーだ』そうですか・・。あ~ごほんごほん・・・・・・・では、これをご覧の皆様、私の二次小説を読んでいただき、本当にありがとうございます。皆様からの応援と感想もたくさんいただき、無事、この二次小説を完結させる事が出来ました。何度も投げ出しそうになりました。何度も挫けそうになりました。ですが、無事完結させる事が出来ました。本当にありがとうございます。以上をもちまして、本作品、真・恋姫†無双~外史の守り手は完結致します。本当に・・、本当にありがとうございましたぁ!!!」
「という訳で、次回予告!3年の年月を経て、恋姫達の外史に帰還した御剣昴。それは新たな物語の始まりを意味していた。御剣昴の事を想うたくさん恋姫達。彼女達の新たな戦いが今ここに始まる。次回!真・恋姫†無双~外史の守り手・萌将伝~サブタイトルは、『萌将伝という名の妄想伝・・という名の暴走伝』始まります!」
「・・続くんだな。」
「応よ!俺の妄想という名の斬〇刀の卍〇を見せてやるわ!」
「よせー!せっかく完結した小説を削除にするつもりか!」
「・・駄目?」
「やめとけ。始〇程度にしておけ。」
「ちぇっ。まぁ良いや。とりあえず、まだまだ続くぞ。お前も皆とまだまだ過ごしたいだろ?」
「まあな。」
「てな訳で、本編最終話のあとがき、いつもの・・、いつの間にか定着していたあれで締めるぞ。」
「あいよ。」
「それではこれをご覧の皆様!せえの!」
「「それではまた!」」