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第88話~生命を懸けた特攻、悲しみの七星閃氣~


第三者side


ぶつかり合った昴と刃。当初は刃を圧倒していた昴だが、刃の持つ魔術に徐々に劣勢になり、遂に致命的な手傷を負ってしまった。絶体絶命陥った所に愛紗、鈴々、星、翠、紫苑が援軍へと駆けつけた。










※※※※※※※※※※※※※※※※※

※※※※



昴「お前ら・・。」


愛「ご主人様、御無事ですか!?」


鈴「ここからは鈴々達に任せるのだ!」


昴「止めろ!お前達では・・。」


星「分かっています。我らとて、相手の力量が推し量れぬ程愚かではありません。ですが・・。」


紫「ご主人様が傷付いていくのをただ黙って見ている事も出来ません。」


翠「あたしらじゃ歯が立たないかもしれないけど、せめて一矢報いてやるぜ!」


愛「我らが時間を稼ぎます。その間にご主人様は体を休めていて下さい。」


昴「皆・・。」


5人が昴に笑い掛ける。


刃「正史の英傑の名を冠し、かつて、頂すら見ることが出来なかった山がどの程度のものなのか、見せてもらうよ。」


刃は刀を鞘に納め、5人の前に出る。


翠「おい!どういうつもりだ!」


鈴「鈴々達の事馬鹿にしてるのか!?」


刃「俺にとって戦いとは娯楽。楽しまなければ意味がない。このぐらいしなければ楽しめん。」


翠「舐めやがって!すぐに後悔させてやる!行くぞ、鈴々!」


鈴「合点!」


鈴々と翠が同時に刃に飛びかかった。


愛「鈴々!翠!迂濶だ!」


刃「ふっ・・。」


刃はそっと右手を下ろした。


翠「行くぞ!」


鈴「うりゃりゃりゃりゃーっ!」


鈴々と翠が同時に跳躍し、刃に襲いかかる。


刃「遅い・・。それに、軽い。」


刃は下ろした右手を手刀に構え、鈴々と翠の攻撃を振り払う。


ガキン!!!


鈴「にゃにゃーっ!」


翠「ぐおっ!」


鈴々と翠は刃の手刀で後方に弾かれる。


刃「話にならないな。次は誰だ?」


星「私だ。」


すると、刃の真上に、槍を構えた星の姿があった。


星「刃とか言ったか?貴様は強い。だがそれ故に驕りが過ぎるな。隙だらけだ!」


星は飛び降りる勢いを利用し、そのまま突き下ろした。


ガキン!!!


星「何っ!?」


刃は見向きもせずに槍の穂先を右手の人差し指で受け止めた。


刃「油断?違うね。これは余裕だよ。」


グググッ・・。


星は力を込めて槍を押しやるが槍は全く動かない。


刃「さて、まずは趙雲、お前から・・ん?」


刃は新たに近付いて来る気配に気付く。


愛「これで、どうだぁぁーーっ!!!」


愛紗が正面から青竜刀を刃に振るった。


刃「くくっ。」


バシン・・。


愛「何だと!?」


刃は左手で青竜刀を受け止めた。


愛「くそ!」


愛紗は青竜刀を外そうとするが、刃の手から青竜刀が外れない。


刃「そんなに死にたい?なら関羽、お前から・・。」


ヒュン・・。


刃は右手の手刀で愛紗を仕留めようとした所、左側から矢が飛来した。


刃「ちっ。」


パシン・・。


刃は鬱陶しそうにその矢を素手で弾く。


ドゴォォン!!!


刃がその矢を弾いた瞬間、その矢が爆発した。


愛「くっ!」


愛紗はその隙に青竜刀を刃の手から外し、距離を取った。


刃「先端に火薬を仕込んだ矢か・・。味な真似を・・。」


煙が上がる自身の手を振りながら左側にいる紫苑を見やる。


紫「愛紗ちゃん。大丈夫?」


愛「心配ない。しかし・・。強い・・。」


愛紗が刃に振り返る。


刃「弱い。正史の三国志の英傑の名を冠しているというのに・・。」


刃はため息をつきながら吐き捨てる。


翠「ご主人様はあんなのを1人で相手にしてたのかよ。」


鈴「強いのだ・・。」


改めて驚愕する。刃の実力を・・。自分達との力の差を・・。


星「1人1人の力では歯が立たん。我ら5人の力を結集し、奴に当たるぞ。」


星が龍牙を構えた。


愛「それしかないな。」


愛紗が青竜刀を構え・・。


鈴「力を合わせてあいつをぶっ飛ばしてやるのだ!」


鈴々が蛇矛を構え・・。


翠「おっしゃあ!やってやるぜ!」


翠が銀閃を構え・・。


紫「皆で力を合わせましょう。」


紫苑が颶鵬を構えた。


愛「では・・行くぞ!」


5人が同時に動いた。


愛「おぉぉぉーっ!!」


鈴「うりゃりゃりゃりゃーっ!!」


星「はいーっ!!」


翠「どっしゃおらーっ!!」


紫「ふっ!」










刃「つまらん・・。」










5人が同時に攻撃を仕掛けた。しかし・・。


刃「エアロブラスト。」


刃がそう呟くと、刃を中心に大きな竜巻が発生した。


ドカッ!!!


愛「っ!?」


鈴「にゃにゃーっ!」


星「ぐっ!」


翠「うぐっ!」


愛紗、鈴々、星、翠は竜巻により、上空高くに巻き上げられ、地に叩きつけられる。


紫「愛紗ちゃん!鈴々ちゃん!星ちゃん!翠ちゃん!」


刃「余所見とは余裕だな?」


紫「っ!?」


紫苑は声がした方に颶鵬を構えた。が、そこには誰も居なかった。


刃「こっちだよ。」


プツン・・。


刃は手刀で紫苑の持つ颶鵬の弓の弦を切断した。


ドン!!!


紫「ぐぅっ!」


切断した後、刃は紫苑の腹へ掌打を叩き込み、紫苑は後方に弾かれた。


刃「はぁ・・、かつて、登れぬと決め付け、登る事すらしなかった頂が、こうも低かったとは・・。今の俺には、低すぎて逆に見えぬな。失望したよ。」


刃はつまらなそうに愛紗達を一瞥した。


刃「俺自身が生みし物語、俺自身で幕を引こう・・。」


刃が昴の元にゆっくり歩み寄っていく。


愛「ま・・て・・。」


刃「?」


刃が振り向くと、そこには青竜刀を杖代わりにして立っている愛紗の姿があった。


愛「ご・・主人様には・・指一本・・触れ・・させん・・。」


鈴「鈴々・・は、まだ・・負けて・・ないのだ。」


鈴々も同じように立ち上がる。


星「まだ・・この程度では・・終わらんよ・・。」


翠「へっ!当然・・だ・・。」


紫「指一本でも・・動くなら・・私達は戦います。」


続いて星、翠、紫苑もよろよろと立ち上がる。


刃「・・お前ら揃いも揃って馬鹿?勝ち目は皆無だよ?理解出来ないよ。」


愛「だからどうした?そうであってもご主人様に仇なす貴様を討つことには変わりはない!」


鈴「お兄ちゃんを・・皆を守るのだ!」


5人の目にはまだ光があり、尚も刃に抗おうとする。


愛「我らの全力をもってしても奴の足元にも及ばん。ならば・・私達の生命を武器に奴にぶつかるのみ!」


愛紗が再び青竜刀を構える。


鈴「鈴々達の生命を懸けた一撃、見せてやるのだ!」


鈴々が蛇矛を真上でグルグル回転させ、構える。


星「翠よ、奴は何処にいる?」


翠「星、お前・・。」


星は先ほど地に叩きつけられた際に頭部を出血し、その血が目に入り込み、目が塞がっていた。


翠「へへっ!星、そのまま真っ直ぐに行けば奴が居るぜ。」


星「すまぬな。」


星と翠が自身の得物を構えた。


紫「ふふっ、一矢、報いてあげましょう。」


紫苑は弦の切られた颶鵬を捨て、懐が懐刀を取りだし、構えた。


刃「・・・。」


愛「では、行くぞ!」


「「「「応っ(なのだ)!!!」」」」


5人が同時に刃へと飛びかかる。


「「「「「我らの生命で!お前を討つ(のだ)!!!」」」」」


5人が生命を武器に、刃へと突撃・・・、特攻を敢行する。


刃「・・不愉快だ。」


刃が手を高く上げる。


ゴォォォォーーッ!!!


それを合図に再び刃の周囲に竜巻が発生し、5人が上空高くに巻き上げられた。5人は巻き上げられるとそのまま・・。


ドカッ!!!


愛「がはっ!」


鈴「ぐぅっ!」


星「ぐっ!」


翠「ぐあっ!」


紫「うぁっ!」


地に叩きつけられた。


刃「君達程度の生命では傷1つ・・。」


ピシッ・・。


刃「っ!」


刃の頬が僅かに裂け、血が流れた。


刃「前言撤回。おめでとう。君達の生命を懸けた一撃は俺に通ったよ。けど・・。」


刃の頬に淡い光が帯び、傷が塞がる。


刃「何て事はない。この程度だ。」


愛「くっ・・そ・・。」


愛紗が目の前にある青竜刀に手を伸ばす。


ガシッ!!!


愛「っ!?」


その青竜刀を刃が踏みつけ、蹴り飛ばす。


刃「諦めない事は良いことだ。僅かな可能性に賭ける事も良い。だが、無理に挑むのは愚か者のする事だ。いい加減気付けよ?」


愛「くっ!」


愛紗は苦々しい表情を浮かべた。


刃「さて、今度こそ・・。」


刃が言葉をそこで止める。


刃「・・一応聞いておこう。仲間がやられて気でも狂ったか?それとも、何者かが自分に力を与え、俺を討つみたいな夢物語のような事が起こるとでも夢見たか?・・・・劉備。」


愛「!?、桃香・・様・・。」


愛紗が前方に視線を移すと、そこには靖王伝家を構えた桃香の姿があった。


愛「桃香・・様、お逃げ・・ください・・。」


愛紗は声を振り絞って桃香に投げ掛ける。


桃「これ以上皆を傷付けさせない!」


刃「御剣昴に劣るこいつらより遥かに劣るお前に何が出来る?理想を謳い、後ろに立っているだけのお荷物でしかないお前に・・。」


桃「分かってる。でも私だって、いつまでも皆に護られてばかりの私じゃない!」


桃香は刃を睨み付ける。


刃「ふーん。じゃあ教えてやる。お前が国に取って必要のないお荷物でしかない事をな。」


刃が桃香の正面に高速で移動すると、手刀を桃香に叩き込んだ。


ギィン!!!


桃「きゃあ!」


桃香は靖王伝家で手刀を何とか防いだが、その威力に押され、倒されてしまう。


刃「おいおい、今のは精々、一般の親衛隊程度の力だぜ?しかも防ぎやすいように速度も抑えたって言うのに・・。」


桃香は靖王伝家を拾うと、再び構えた。


刃「何で無駄な事をするかなぁ。勝ち目は無いんだよ?理解に苦しむな。諦めろよ?」


桃「諦めない・・。私には力は無いけど、それでも私は諦めない!」


刃「・・・。」


桃「私には武術の才能は無いし、頭だって良くない。だけど、だからって私は今まで何もしてこなかった訳じゃない。私は私に出来る事をしてきました。私だっていつまでも守られているばかりの私じゃない。私も、この剣に私の生命を乗せてあなたと戦います!」


桃香は靖王伝家を一振りした。


刃「あーうざい・・。」


桃「えっ?」


刃「うざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざい、ほんっとうぜぇ!お前を見てるとイライラするよ!」


刃は頭を掻き乱しながら叫ぶ。


刃「無能はそれだけ罪だ!罪なんだよ!・・・お前を見てるともはや吐き気すらしてくる。もう良い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・死ね。」


刃が村雨を抜いた。










※※※※※※※※※※※※※※※※※

※※※※



昴side


昴「く・・そ・・。」


愛紗達が・・皆がやられた・・。このままじゃ桃香が・・。


刃「もう良い・・・・・・・・・・・・・・・死ね。」


刃が村雨を抜いた。


止めろ・・。


止めろ・・。


止めろ・・!


昴「止めろぉぉぉぉーーーっ!!!」


俺は地を蹴った。


ガキィィィーーン!!!


刃「!?」


俺は体を奮いたたせ、刃に突っ込み、村雨を振り下ろした。


昴「おぉぉぉーーっ!!!」


ギィン!ガキン!ギィン!・・。


俺は一心不乱に村雨を振るった。もう構えも剣術も関係ない。村雨を両手で握り、残った力を振り絞って村雨を振るった。


刃「これは驚いた。そんな体でこれだけの一撃を放つなんて。正に奇跡だよ。けど・・。」


ブォン!!!


昴「!?」


奴が目の前から消えた。


刃「君の奇跡もここまでだ。」


昴「くっ!」


ガキン!!!


背後に気配も感じ、咄嗟に振り返り、斬撃を防いだ。


ガキン!ギィン!ギィン!ガキン!・・・。


昴「くっそ・・。」


防ぐので手一杯だ・・。反撃出来ない。このままじゃ・・。


刃「頑張るねぇ。けどそれももう終わりだよ。」


ガキィィィーーン!!!


昴「ぐあっ!」


刃の下からの斬り上げに俺の村雨は跳ね上げられた。


刃「それ!」


刃は斬り上げの勢いのまま一回転しながら・・。


ゲシッ!!!


昴「がはっ!」


俺の腹に蹴りを入れた。俺はその蹴りで数十メートル弾き飛ばされた。


昴「くっ・・。」


俺は立ち上がろうと試みる。そこに・・。


刃「これが現実だよ。縮まる事の無い力の差。埋まる事の無い力の差だ。君は良く頑張ったよ。これから後にも先にもここまで俺を楽しませる奴は現れないだろう。」


刃は村雨を俺の首筋に当て。


刃「さようなら、御剣昴。君の名は永遠に忘れない。あの世で後から来る仲間達と仲良く暮らすが良い。」


俺はここまでなのか・・。


俺は・・・誰も・・。










ザシュ!










あぁ・・。










あぁ・・!










刃の村雨は俺に届く事はなかった。それは俺と刃の間に遮るものがあったからだ。俺の目の前に移った光景は・・。


桃「だい・・じょう・・・ぶ。ごしゅじ・・ん様。」


昴「桃・・香・・。」


それは刃の村雨で胸を貫かれ、苦悶の表情を浮かべつつも笑みを浮かべた桃香の姿だった。


グシュ!


刃は桃香の胸に刺さった村雨を引き抜いた。


昴「桃香ぁ!」


俺はゆっくり倒れてくる桃香を抱きしめ、刃から離れた位置に縮地で移動した。


昴「桃香・・どうして・・どうして・・!」


桃「ごしゅじ・・ん様に・・死んでほしく・・・なかった・・から・・。えへへ・・やっと・・戦いでご主人様・・の・・役に立てた・・。」


昴「それで桃香が死んじまったら意味がないだろ!」


桃「意味は・・あるよ。・・私の生命を・・ご主人様に・・あげる事が・・出来た・・・から・・。」


昴「桃香・・。」


さっきから内功を施しているのに一向に傷が塞がらない。何で・・!?


刃『この刀で斬られた傷は如何なる医術、魔術、妖術を用いても治癒する事は出来ないから。』


昴「くそっ!!」


俺はそれでも内功を続けた。桃香はそんな俺の手を掴み、そっと首を横に首を振った。


桃「もう・・良いよ。・・私は・・。」


昴「諦めるな!死ぬなって、生きろって言っただろ!」


桃「ごめん・・ね・・。」


桃香が俺の手を強く握った。


桃「おね・・がい。皆を・・この国を・・まも・・て・・。」


徐々に桃香の手から力が抜けていく。


昴「守る。守るよ・・。だから桃香も・・。」


桃香はフッと微笑み・・。


桃「良かった・・。これ・・で、私も安心・・して、逝ける・・よ。」


昴「逝くな!逝くなっ!桃香ぁ!」


桃「悔し・・いな。皆で・・築いた・・平和な世界で・・。ご主人様・・と、皆で、暮らしたか・・・・た・・・・・な・・。」


桃香の手が俺の手からこぼれた。










桃『私はこの理想を諦めたくありません!甘いかもしれない。呆れられるかもしれない。それでも完全に理想を叶える事は出来なくても少しでも理想に近づけたい。その為に私は皆と力を合わせて戦います!』










桃『ご主人様は雨は嫌い?』










桃『ご主人様。もう無茶はしないで・・。もっと私達を頼って・・。1人で背負い込まないで・・。私にはご主人様が死にに行ってるようにしか見えないよ・・。』










桃『でも!それでも私は長く生きていてほしかった!死ぬ事が本望なんて、間違ってるよ・・。』










桃『皆で頑張って戦いを終わらせて、この大陸が平和になったら、皆で一緒に平和な国で暮らそうね。』










桃『皆で・・築いた・・平和な世界で・・ご主人様・・と、皆で、暮らした・・・た・・・・・な・・。』


智『願わくば、お前と・・共に掴んだ平和な国・・で、お前と・・・静かに・・暮らし・・たかった・・・・・。』


あの時と同じ・・。










桃香のあの眩しいはもうない・・。


鼓動も・・、脈動も・・、吐息も・・・もうない・・。


俺は・・。


また・・・。


守れなかった・・・・。










※※※※※※※※※※※※※※※※※

※※※※



第三者side


昴「・・・。」


昴は桃香をきつく抱きしめていた。


刃「お涙頂戴ご馳走様。ホント、つまらないお芝居を見ている気分だ。」


昴「・・・。」


刃「俺を恨まないでよ?悪いのは俺じゃない。君だよ?君が弱いからは悪いんだ。弱いから守れない。弱いから奪われる。」


昴「・・・。」


刃「もう良いよね?幕を引こう。この外史の物語も終幕にしよう。」


刃が村雨を構え、とどめを刺そうと昴に近付く。その時・・。


シュバッ!!!


刃「!?」


刃の眼前にいた昴と桃香が刃の目の前から消えた。


刃「っ!?」


刃が後ろを慌てて後ろを振り返る。そこには桃香を抱きかかえた昴が歩いていた。


刃「(速い・・。あの体でまだ動けるのか?)」


昴は桃香を抱え、愛紗の元まで移動し、桃香を愛紗に預ける。


愛「桃・・!、香・・様・・。」


愛紗は気付いた。桃香が既に息を引き取っている事に・・。


昴「すまない・・。」


そう呟き、愛紗に背を向ける。


昴「愛紗。桃香を頼む。動けるなら、俺から離れていてくれ。」


それだけ告げて、刃の元へと歩いていった。










・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・



刃「覚悟は決まったか?」


昴「・・俺が弱かったから・・、俺に覚悟足りなかったから・・、また同じ過ちを繰り返した。」


昴を伏せていた顔を上げる。


昴「俺も、この生命を懸ける。この生命で、お前を・・、お前を・・!」


昴の体から黄金色の光が溢れ出す。


昴「七星閃氣。・・武曲、解放・・。」


昴の体が黄金色の光に包まれた・・。











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