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第6話~警備隊の発足、凪との修行

お待たせしました。いろいろ忙しく2日あいてしまいました。前半部分は原作の巻き直しみたいなものです。相変わらずの出来ですがそれではどうぞ。

昴side


大梁義勇軍との防衛戦から2週間あまりが過ぎた曹操の拠点陳留へとやってきた俺は客将として働いている。基本的に仕事は各部署の補佐や練兵、警邏等である。客将なのでわりと暇を持て余している。そういう時は大概街をうろうろしているか城で仕事を探しているんだが、・・・・ん?あれは曹操か?


昴「よう、何やってるんだ?」


曹「あら、御遣いじゃない。」


昴「昴でいいよ。」


曹「なら昴、どうしたの?あなたにはいくつか仕事を任せたはずだけれど?」


昴「全部片付けて今は仕事を探してるところだ。それより何か悩んでいたみたいだが?」

曹「悩みというものの程のものでもないけれど、・・・そうね、あなたにも考えてもらおうかしら。」


昴「?」


曹「これを見てちょうだい。」


曹操から渡された竹巻を見てみる。


昴「これは城の治安維持の計画書か。草案ってことはまだ完成してないってことだな。」


曹「あなたに意見を求めたいわ。」


治安維持の向上か。この街は曹操の治めている街であって基本的に治安がいい。しかし警邏をしてて感じたことがいくつかあった。


昴「警邏をしてて思ったんだが、地区によっては場所が遠すぎて騒ぎが起こった時にすぐ駆けつけられない。各地区に一定の間隔に詰所を置いて兵を常駐させてはどうだろう。」

曹「・・・いい考えではあるわね。でもそれだと人手と経費が高くつくわね。」


昴「人手に関してだけど平時は城から回すとして、足りない人手は募集を掛けるしかないだろうな。」


曹「それは義勇兵ということ?」


昴「いや、兵とは独立した治安維持の警備隊として募集を掛けるんだ。」


曹「それで人が集まるかしら?」


昴「ちゃんと給料は支払って後は・・・兵役や雑役は免除にでもすれば集まると思うぞ。本隊に行きたきゃ推薦状でも出してやればいい。」


曹「なるほど。」


昴「経費は商人達に出資してもらおう。治安が良くなれば安全に仕事が出来るようになるから商人達にも悪い話じゃない。きっと出資してくれる。」


昴「他国からの流民や仕事が見つからない者もいるから雇用対策にだってなる。こんなのでどうだ?」


曹「・・・・なかなか面白いわね。これはあなたのいた国で行われていることかしら?」


昴「俺の生国でもやっていたな。」


この方法は結構行われている。正史の警察を参考にしたものだがこれと似たやり方はどの外史どの時代にもある。


曹「あなたの意見を採用しましょう。この案、あなたを中心に動いてちょうだい。」


昴「いいのか?俺は客将だぞ?責任者ということは事実上警備隊の長だ。いずれいなくなる俺では都合が悪いだろ?」


曹「詳細はあなたの頭の中にあるのだからあなたを中心に動いた方が早いわ。後任はあなたがいなくなる前に適任者を見つけておきなさい。」


昴「了解、それならすぐにでも商人達の説得に向かうよ。詳細は明日にでも纏めて曹操のところに持って行くよ。」


俺が街に向かおうとすると、


曹「待ちなさい。」


昴「どうした?」


曹「華琳よ。」


昴「?」


華「これからは私のことは華琳と呼びなさい。」


昴「いいのか?」


華「これだけの貢献をしてくれた礼も兼ねているわ。それに皆にも慕われているようだしね。」


まぁ確かに凪、真桜、沙和に茉里、こないだの空き城の賊を殲滅した際に仲良く城のてっぺん旗を刺したことをきっかけに仲良くなり、真名を預けてくれた季衣等だ。夏候淵はともかく、夏候惇はなんかよそよそしく、荀イクに関しては何故かかなり嫌われている。


昴「わかった。では華琳、改めてよろしくな。」


俺は笑顔浮かべ華琳に言った。


華「//・・・話はそれだけよ、早く始めなさい!」


ん?顔が赤いなまぁいいか。


俺は街に向かった。




※※※※※※※※※※※※※※※※※

※※※※



当初の目論見通り、商人の説得はすんなり終わった。


わりとてこずるかなって思ったけど説得した商人が以前に俺が賊から助けた商人であった為、話を聞くと快く引き受けてくれた。それどころかこの街の商人達を説得して回ってくれるという。ありがたい話だ。警備隊の募集も順調で、当初人が集まるのはもう少し警備隊としての結果がある程度出てからの予想していたのだが集まった人数は2百人弱程だ。これには募集をかける際に、警備隊の隊長はあの天の御遣いであるということを大々的に公表したことが理由らしい。集まった人数のうち3~4割が女性というのが少し気掛かりだったが、さすがはというか何というか、この外史の女性は何故か男より強い。決して男が弱くなっているのではなく、単純に強い。警備隊志願者が集まった際に、俺の隊長としての地位は仮のものであり、いずれは後任に後を引き継ぎ俺はこの国を旅立つことを告げた。集まった志願者はがっかりしたみたいだが志願を辞める者はいなかった。

計画の立案から2週間程が経ち遂に警備隊の発足が完了した。隊長は現在は俺。小隊長に大梁義勇軍の凪、真桜、沙和を任命した。これは街の人に顔を覚えてもらう意味合いもある。そして今4人と街の警邏に来てるのだが、


沙「あー!新しい阿蘇阿蘇が出てるー!」


真「発売中止になった超絶からくり夏候惇や!」


沙和と真桜は各々勝手なことをしている。


昴「おまえら仕事中だぞ。」

一方凪は2人と違って真面目だ。真面目なんだが、


凪「・・・・・不審者、不審者。」


真面目過ぎだ。殺気出しすぎで街の皆が怯えている。


昴「凪はもう少し肩の力を抜け。」


先が思いやられるな。


沙「今日の恋愛運は最高なの~!」


真「おっちゃん!もうちょいまけてーな。」


ったく仕方ないな。


昴「おい、おまえら、サボってないでそろそろ『待てぇーい!』何だ?」


声の方向を見ると凪が1人の男を追いかけていた。近くの店の店主に事情を聞くとあの男が盗みを働いたらしい。俺は凪の元へ向かった。


昴「凪、そいつを逃がすな!」


凪「はい、師匠!」

凪が後ろを追いかけるが男もなかなかすばしっこく、凪も苦労している。見ると凪ががだんだん焦れてきている。


凪「ええいっ、まどろっこしい!」


凪の脚に氣が集まってきている。まさか、


昴「こんな街の中心地で氣をぶっぱなすつもりか!?」


しかも込めた氣の量が多すぎる!あれじゃ盗人以外にも被害がでちまう!


昴「凪、よせ!」


凪「はぁぁぁ!!」


制止も間に合わず氣が飛んでいる。


昴「あぁもう!」


俺は縮地で盗人に近づきドロップキックで昏倒させる。盗人の後頭部を支点に氣弾に振り返りそのまま氣弾を空に蹴り飛ばす。氣弾は空中で霧散した。危ねぇ危ねぇ。


昴「凪にはこれから加減も教えないとな。



俺は気絶した盗人を引きずりながらしみじみ考えた。



※※※※※※※※※※※※※※※※※

※※※※


所変わって数日後、俺は凪との修行の為近くの森の中に来ていた。森でやる理由は凪は氣の扱いがまだまだの為、城じゃあちこち壊す可能性があるからだ。


昴「とりあえず俺が教えるのは氣の扱い方についてだ。拳法に関しては後回しだ。」


それは俺でなくても教えられるしな。


凪「はい!師匠!」


昴「氣の使い方はとりあえず大きく分けると4つ、硬化、身体強化、放出、治癒だ。最後の治癒は他の3つが出来なきゃ話にならないからまずは身体強化と放出だ。硬化はとりあえず問題なさそうだが放出に関してはまだまだだ。とりあえず・・・あの岩に氣をぶつけてみてくれ。」


凪「はい!」


凪は氣を手に集め、岩にぶつけた。


ドコーン!!!


岩に穴があいた。ふむ、なかなかだな。


昴「次に俺が同じことをする見ていろ。」


俺は手に氣を集め、凪が穴をあけた横にある同じサイズの岩に氣をぶつけた。


ドガーン!!!


岩はこなごなになった。


凪「すごい、岩がこなごなに、これが私と師匠の氣の量の差ですか?」


昴「いや、今俺が込めた氣の量は凪と変わらない。」


凪「ではどうして?」


昴「氣の練り上げ方が甘いんだ、だから氣が目標に到達する前に氣が霧散して威力が落ちちまう。これはひとえに集中力の問題だ。」


凪「集中力。」


昴「戦場ともなれば敵や味方の現状も気にしながら戦わにゃならないから集中力が乱れれば威力はなお落ちる。」


凪「なるほど。」


昴「次に氣の種類についてだ。今は破壊することを目的に氣を練り上げたから穴があいたりこなごなになった。氣を斬撃、つまり斬ることを目的とした氣を手に練り上げれば、」


俺は手刀に構え、研ぎ澄ました氣を手に集めた。そして目の前の木に手刀を一閃した。


バキバキバキドーン!!!


昴「このとおりだ。」


凪「すごい、まるで鋭い刃物を使用したような切り口だ。」


昴「まずはこの2つの種類の氣、破壊と斬撃を使いこなせるようになってもらう。」


凪「はい!」


昴「といっても小難しい理屈はない。頭の中で斬ることをイメージ・・・あぁつまり想像するんだ。」


凪「想像・・。」


凪はどうやら掴めていないようだ。


昴「俺はこの森を警邏がてら散歩してるから1人でやってみてくれ。」


凪「はい!分かりました。」


それを告げると俺はもりの奥へ向かった。



※※※※※※※※※※※※※※※※※

※※※※



2時間程森の中を警邏を兼ねて散歩した後河原で水を汲み、果物を持って凪の元へ戻った。


昴「そろそろ氣が尽きかける頃合いだろう。コツぐらいは掴んだかな?」


氣の扱いは感性や感覚の類いなのでどうにも説明が抽象的になる。しかしあれで分からなければ氣は操れないし、

出来る者はあの説明でもコツを掴むことはできる。


昴「どんな感じかな・・・ん?」


凪「はぁぁぁ!!」


シュッ!バキバキバキドーン!!!


昴「!?」


凪が手刀を一閃すると一本の木が倒れた。


凪「ふぅ。」


昴「お疲れさん。」


凪「あ、師匠!」


俺は凪が倒した木を覗いてみる。


昴「・・・。」


凪「どう・・・でしょうか?」


正直驚いてる。まだ氣の練り上げ方が甘い為、切り口は粗いが氣を確実に使い分けられてる。


昴「この短時間でさすがだよ凪。」


凪「!ありがとうございます!」


昴「だけどまだ氣の練り上げ方が甘い。この辺はもっと鍛練を積もうな。」


凪「はい!よろしくお願いします!」


昴「よし、一旦休憩にしよう。」


凪「いえ、まだまだやれます!」


昴「駄目だ、消耗した氣を戻さないと鍛練が出来ないから一旦休憩。」


凪「・・はい。」


しぶしぶといった感じで側の岩に腰掛けた。


昴「ほれ。」


俺は凪に水と果物と湿らせた布を渡した。


凪「わざわざすみません。」


昴「気にすんな。」


俺と凪は世間話をしながら休憩をとった。



※※※※※※※※※※※※※※※※※

※※※※



昴「次に身体強化だ。これはさっきのより単純だ。身体に氣を纏わせることを頭に浮かべるんだ。こんなふうにな。」


身体に氣を纏うと俺の身体が白く輝く。


凪「綺麗です。」


昴「どうも。この状態なら普段より膂力に疾さが上がる。脚に氣を集中させれば、」


脚に氣を集中させ、縮地を使い凪の背後をとる。


昴「こんなふうに目にも止まらない疾さになる。」


凪「!・これは!」


昴「特殊歩法の縮地という。」


凪「縮地。」


昴「とりあえず、今のやってみ?」


凪「はい!」


凪が目を瞑り、氣を集中させる。


凪「・・氣を・身体に・纏わせる・・。」


ゆっくり身体を動かし、


凪「はっ!」


縮地で前方に移動した。


凪「師匠!出来まし・・ギャン!!!」


凪は勢いあまり大木に激突した。


昴「まぁこれに関しては、発動より加減の方が難しいんだ。何せ目にも止まらない速度で動くんだ。慣れなきゃ目が追い付かない。・・・大丈夫か?」


凪「ふぁい、大丈夫です。」


凪は涙目で言った。


昴「よし、最初は少量の氣で少しずつ慣らそう。」


凪「はい!」



※※※※※※※※※※※※※※※※※

※※※※



修行を始め数時間が経ち、日も暮れかかってきた。


昴「よし、今日はこれまでにしよう。」


凪「はい・・・ありがとう・・・ございまし・・・」


凪は最後まで言い終わる前に力尽きた。


昴「ま、1日氣を酷使したから仕方ないか。」


俺は背中に凪を背負い城に戻った。



※※※※※※※※※※※※※※※※※

※※※※



城に戻ると途中真桜や沙和に見つかり、からかわれたが、とりあえずデコピンくれた後2人に凪を託し部屋に戻り。残った仕事を始めることにした。その道中。


華「お疲れのようね。」


昴「おー、華琳か。」

華「鍛練はどうだったの?」


昴「まぁ順調だ。」


華「そう。・・・あなたから見て凪はどう?」


昴「そうだな・・・正直素質はかなりのものだ。このまま順調に修行を重ねればいずれはこの国全土を揺るがす武人になるかもな。」


華「それは楽しみね。でもそれではいずれあなたが困るのではなくて?もしこの先敵となって合間見えた時、あなたはどうするの?」


昴「先のことはその時考えればいい。もし双方敵になったら、お互い武人だ。覚悟を決めるさ。」


華「そう。」


昴「仕事がまだ残ってるんだ。ここいらで失礼するよ。」


華「引き止めて悪かったわね。」


昴「それじゃまた明日。」


華琳に告げると俺は自室に戻った。



※※※※※※※※※※※※※※※※※

※※※※



昴「結構多いな。」


俺は自室に戻ると、書簡の多さに少し憂鬱になった。


昴「凪の分もあるしな。」


凪は修行後は政務どころじゃなくなるだろうからあらかじめ凪の分の書簡をある程度こっちにまわしてもらった。


昴「ちゃっちゃと終わらせて寝るか。」


俺の政務が終わったのは日が変わった頃だった。こうして凪との1日は終わった。







続く




真桜と沙和の話しは長くなりそうだったので分けることにしました。作者は凪が好きなので少し(いやかなり?)凪が贔屓になっています。このまま完結目指して頑張りますのでこれを見ている方々、末永く長い目でお付き合いください。それではまた。

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