7.朝
お読みいただきありがとうございます。
「こちらには段差がありますのでお気をつけください」
杉下さんに促されて和―って感じの部屋に入っていく。
八月三日。その日の朝食は和食って感じだった。白米とおでんっぽい具材が小さいお皿に入ったやつと灰色の魚……だめだ。僕に料理を聞いてはいけないな。
「っただきまーす」
りんがかぶりつく。それに誘われて全員が食べ始める。
空腹の朝に食べるというのはものすごく落ち着く。漫画みたいな世界だと庶民的な考え方なのか?
「昨日まともに寝れなかったな…」
カイがつぶやく。なんかあったのか?
「ねー、いびきがうるさくてうるさくて…」
鳥澤まで。
「はぁ?いびきうるさかったの鳥澤じゃねぇか」
「ゑ?」
ぽかーんとした表情を浮かべる鳥澤。もしかしてそのいびきって…僕?
「お父さんだよ。多分」
りんが割り込むようにつぶやいた。秀和さん…いびきかいてたっけ?
「あれ、そんなうるさかった?ごめんごめん笑」
笑いながら秀和さんがいう。
「軟だいじょぶだったの?」
りんが心配なさそうな口調でいうが、まったくいびきなんて聞こえなかった気がする…疲れてたのか?
「…って、軟って可能性はないのか?」
えっ?カイ僕を疑ってるのか?
「えーちがうとおもうけどなー」
っと、僕が言った同時に、全員が何を喋ったらいいかわからなくなったらしい。
数秒の沈黙……
「まっともかく昨日は寝れなかったってことで。解決解決!」
鳥澤がまとめた。まぁ犯人探しはくだらないからいっか。
「あっそれと一つ言いたいことがあるんだけど……」
秀和さんがさっきとは打って変わって違うテンションで話し出す。
「この島に着いた時、なんか変な音が船からしたんだよね。」
あっそういえば今思い出したが、船のどこかからドンッって音がした気がする。
「島に着いてから船確認したんだけど、ちょっと壊れちゃってて……ごめん、今まで言えなくて」
「えぇ!?」
急な知らせに、全員驚いた。船がなかったら帰れないんじゃ…
「大丈夫。ちょっと色んな人に来てもらって八月には帰れる…」
「よかった…」
カイが一番安心していた。気分がコロコロ変わるからなーカイは。
「だから、夏休み中はここで過ごすことになりました。もし何かあったら学校にも連絡するから…ごめん、ほんとに」
そんなこんなで、朝が過ぎ去った。
もしかしていびきうるさかったの鳥澤....汗??