表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
電子世界のVtuber  作者: 片倉優樹
第一章
6/9

悪夢

場面転換が続いて短めに…むむむ

 夢を見ていた。

Vtuberとして活動している夢だった。

周りには友達がいて、一緒にわいわいとゲームをやっていた。

配信はそれなりに盛況で、参加型にしたこともあってリスナーとも交流できていた。

ボクはそれを楽しんでいる。


 楽しんでいる、そのはずだ。


 だが声が聞こえる。


『虚構の存在に過ぎないのに』


 責めるでもなく、糾弾するわけでもなく、ただ事実を述べている、といった感情のこもっていない声。

ボクは何のことか分からず困惑していた。

気づけば周りにいた友達もおらず、何の音も聞こえない。


 誰?何を言っているの?ボクはここにいる!


 でも、なぜだかその言葉はボクの心を深くえぐった。


 ボクは必死に声を出そうとするが、何も発することができない。

ならば、と体を動かそうとしてもまるで金縛りにあったように、自由に動けない。

そして徐々に霞がかかったように意識が薄れていった─


     ◯


「……き…、ゆっきー!」


 はっとして目を開けると、クマさんがボクの体を揺すっていた。

どうやら寝てしまっていたようだ。


「どうしたん?めっちゃうなされとったで」

「んん、何か悪い夢を見てた気がする…内容は思い出せないけど…」

「そっか…もう大丈夫なん?」

「うん、心配かけてごめんね」


 胸の奥にもやもやとした何かが残っている気がするが、クマさんにこれ以上心配をかけまいと笑顔を作る。

チクリ、とおでこの裏側が疼いた気がした。


「とりあえず飯作ったし、食わん?」


 ボクが寝ている間に用意したのだろう、見るとたき火で木の枝を通した黒兎が焼かれていた。


「クマさん、サバイバル経験でもあるの?」

「スパイやと色々やるからなあ、道具がなくてもこれくらいは余裕よ」

「うーん、ボクも里の仕事、もっとよく見ておけば良かったかも…」


 クマさんには助けられてばかりだな、と少し落ち込む。

でも会っていなければ黒兎に殺されていたかもしれないと思うと、クマさんとの出会いは僥倖だったといえる。

これから役にたてばいいんだ、と自分を慰める。

その場面が来るかどうかは不明ではあったが…


「…とりあえず食べながら情報交換でもしよっか」

「せやな、俺もわからんことだらけやし」


 


関西弁って難しい…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ