プロローグ。
とあるなんて変哲もない土曜日でした。
どう、変哲もないかと言うと、太陽が東から昇り西に沈むくらいにでした。
平凡な街並みの中、平凡な佇まいで建つオンボロなアパートがありました。
その平凡な佇まいのオンボロなアパートから、平凡な一日が始まろうとする時、あまりにも大きな世界の中で小さな声が発せられたのでした。
「なあ、あの二人どう思う?」
その声の届け先は平凡なオンボロアパートの敷地内にいた、ごく普通のおとなりさんに向けられたものでした。
その問いに対してごく普通で平凡な彼女は答えました。
「何でアタシに聞くのよ……アンタの娘でしょ、本人に聞きなさいよ。」
その答えに対して彼は、こう答えました。
「聞けたら聞いてる、聞けないからお前に聞いてるんだ。」
「…………」「…………」
彼が次の言葉を発しようとした時、彼女がこう言いました。
「まぁ……自分の娘に何かしてあげたい気持ちも分かるけど…」
彼は呟きました。
「何か俺達には出来ないのか……」
そう言った矢先に彼女が言いました。
「あっ!アタシにいい作戦があるわ!」
そうして変鉄もない平凡な一日が彼女の有り難迷惑な閃きによって変わろうとするのでした。