6.新たな出会い
退院してからはほとんど側に理華がいた。自分のせいで悠真が傷付いてしまったことを後悔しているようだ
「理華」
「なに?」
「そんなに心配しなくてももう大丈夫だから」
「でも、わたしが走ったからゆうくんがケガしちゃって、わたしのせいであんなになっちゃって」
理華は悠真に抱きつきながらポロポロと涙を流し始めた
悠真はそんな理華の頭を優しく撫でながら
「理華を助けれて俺は嬉しいよ。理華もごめんなさいって泣かれるよりありがとうってお礼を言われた方が嬉しいでしょ?だから笑ってよ。」
「ゆうくん。.....うんわかった。ありがとうゆうくん」
その時の理華の顔は泣きながらも精一杯の笑顔を浮かべていた
本当に守れて良かったな
それからしばらく悠真は一人の時間を使ってスキルを使いこなす練習をしていた
それからしばらくして
明日から小学校か
既に幼稚園は卒園し、明日からは小学生になる。それまでに悠真は自身に与えられたスキルを一通り使えるようになっていた。
「ゆう君明日は入学式なんだから早く寝なさいね」
母さんがそう言ってくる
「わかった。そう言えば明日からだっけ?ソフトウェア開発チームに参加するの」
「そうよー。だから早く寝て体長整えておいてねー」
やはり母さんは悠真の心配というより頭脳の心配をしているようだ
「分かった。今日はもう休むとするよ」
「お休みなさい」
「おやすみ」
悠真は自室に行くと最近寝るまえにやっている日課をやり始めた
「さて魔法の練習しますか」
悠真はもう既にほとんどのスキルは使いこなせるが魔法だけはあまり使えないでいた。
その理由としては、この世界に魔力がほとんどないからである。
「1日たっても最大魔力の一割も回復してないな」
いくらスキルレベルを上げたところで魔法の源である魔力がなければなにも出来ない
仕方ない今日も瞑想だけして寝るか
悠真は心を落ち着かせ自分の中にだけ意識を集中する。体の中にある魔力の動きに干渉して活性化させる。最初は不規則に動いていた魔力も制御によって血液のように体を巡回するように動いていた
よし、魔力も体に馴染んだな
そのまま魔力を落ち着かせるようにゆっくりと巡回をとめる
ふぅー。魔力制御も随分出来るようになったな
そう呟いてから眠りに着いた
次の日
「ゆうくん一緒に行こ」
理華が誘ってきたので一緒に行くことにした
「ゆうくんと同じクラスになれるな?」
「どうだろうね、そんなに人が多いわけでもないから一緒なれる確率は高いと思うよ」
「ほんとう!?」
「あくまでも確率だけどね」
「ゆうくんの予想がはずれることのほうが少ないから一緒になれるってをしんじるよ」
理華は無邪気に笑いかける。二人はそんな話をしながら小学校に入っていった
入学式も終わりクラスに移動した
「ゆうくん」
「理華、やっぱり一緒だったね」
「うん」
「こんにちは」
二人の話に入ってきたのは年の割にはキリッとした将来が楽しみになる子だった
「初めまして。僕は磯貝雅人いそがいまさとっていうんだよろしくね」
「よろしくね~私は神谷理華かみやりかだよ」
「八雲だ」
「理華ちゃんに八雲君だね。同じクラスだから仲良くしてね」
「うん。こちらこそよろしくね」
悠真は理華以外の人とはあまり話さない、話しかけられれば話すが自分から話すことはほとんどなかった。親にだって敬語で話しているのだ
これが悠真、理華、雅人の出会いだった
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