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石をぶつけてみた

(;゜∇゜)何かカキコミのシステムがイマイチわからない。


家電もゲームも説明書読まないで動かすタイプ

オレの名前は神代大輔カミシロダイスケ

高校2年生。


昭和っぽい名前が少し不満だったが、カナダから交換留学に来てた女の子から「ダイスキ」「ダイスキ」と呼ばれるようになってからオレも大好きになった。


別に愛の告白をされたわけではない。ネイティブの英語では「e」の発音が「エ」ではなく「イ」になるので、「Karaokeカラオケ」が「カラオキ」に「Sakeサケ」が「サキ」、「daisuke」は「ダイスキ」になる。


年頃の女の子から「ダイスキ」と言われてイヤな奴はいまい。気に入りすぎて本気で海外留学を考えたくらいだ。


だが今は、神代大輔が「神よダイスキ」と読めることに怒り心頭の大輔であった。


「あんの、クソ神様!」


転移した先が山中で、回りが人の手も入らぬ原生林ときては怒らない方が不思議だろう。


何やら獣の気配やら鳴き声も聞こえてくる。しかもかなりヤバそうだ。


オレは軽くステップを踏みシャドーボクシングの真似事をやってみた。体に痛みもなくスムーズに動くし、服や靴も新品同様なので、復元は上手くいったようだ。


しかし、手ぶらで水も食料も武器もないときては、現状はただの遭難である。体力の奪われる山中で水なしで動けるタイムリミットは3日。それまでに人里に出ないとアウトだ。

生水なんか加熱しないと、バクテリアや細菌が怖くて飲めない。


だが心配ない。神様からプレゼントされた不思議な例のナニがあるではないか。ナニさえあれば全て解決だ。


「不思議なポッケはどこかな?」


ポッケを探して全ての服のポケットを調べてみたが何もない。


「まさか、お腹にポッケとか?」


青くなりながら、慌ててお腹を調べてみたが、やはり何もない。


しかたがないので


「いでませ!ポッケ」


とりあえず叫んでみた。


すると、目の前にフライパン位の大きさのサークルが現れた。空中に浮いた穴にも見えなくはない。


同時に何やらウインドウらしきものが現れて文字が表示される。


「アイテムボックス?」


初めて見る文字だが意味は理解できる。さっそく神様から貰った翻訳能力が役にたったようだ。しかし、収納は0となっている。つまり空だ。オレはその場に両手をついて崩れ落ちた。


「確かに何でも出し入れできる道具って言えば、こっちの世界ではアイテムボックスなんだろな」


異世界から100年ぶりに来た爺さんが、子供向け漫画の設定を知るわけがない。己のマヌケぶりに泣きそうになった。


落ちていたコブシほどの石を拾ってサークルに思いっきり投げつける。完全な八つ当たりである。


収納

石⇒×1


サークルに投げ込んだ石は消え、代わりにウインドウに表示が現れた。


「なる程、石が一個収納されたことになるのか」


それはわかるが、石の横の⇒は何だ? 1度取り出してみるか。


「石よ出てこい」


適当な命令だがそこはうまく翻訳してくれるに違いない。


ヒュン!


覗きこんでたオレの顔をかすめて石が飛び出し、そのまま後ろの木の幹にぶつかって砕けた。


「正面に立ってたら、今のはヤバかったぞ」


耳のない猫みたいに、青くなって尻からへたりこむオレ。異世界で転移したとたんにあの世へ再転移するトコだった。


気を取り直し。小石を拾って実験してみることにする。


石を手のひらに乗せたまま「収納しろ」 と呟くと石が消え。


収納

石 ×1


と表示された。

次にサークルに小石を軽く放り込んでみる。


収納

石 ×1

石⇒×1


ウインドウで石をタップすると、そのまま石が手のひらに現れ。

石⇒をタップすると、投げ込んだ石がピョンと飛び出して来る。


「運動エネルギーを保ったまま収納できるのか」


なるほど、『何でも』出し入れできるってこう言うことか。これは意外とアタリかも知れない。


「やるじゃん。神様」


オレは天に向かってサムズアップした。

( ;∀;)なかなかバトルにいかないなあ。


バトル書きたくて初めたのに。


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