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5話 悪役令嬢は従者に感謝を捧げ…る?

後2話です。ホントです!


タグこっそり追加します。



ー謁見の間にて 再びー



「ローズマリーはどこへ行ったのだ…」


「ふんっ 自分の罪を認めたのだ。恥ずかしくて逃げたしたのだろう。おいっローズマリーを探しだして牢へ入れておけ!」


「殿下‼」


「当然だろう?王太子である私との婚約を嫌がり、ミシェルに嫌がらせをした事を認めたのだ。あの女には冷たい牢が相応しい場所だ」


「ダリウスよ…お前の言っている事はただの言いがかりにしか聞こえぬ。そもそも婚約破棄を言い出したのはお前からであろ?それともローズマリーと結婚したかったのか?それならばまだ間に合うぞ。わしが認めなければ破棄は出来ぬのだからな」


「ダリウス様?まさかローズマリー様の事を…?」


「い、いや違う!私はローズマリーが王太子である私との婚約を嫌がるのは不遜で無礼だと言いたいだけで、私の気持ちはミシェル、判っているだろう?」


「ダリウス様!」


「ゴホンッ ではなにか?自分は婚約破棄したいが相手が喜んで応じるのは許せないと?はあ…子供か。だがそれだけで牢へ入れるなど出来ぬわ」


「何故ですかっ?ローズマリーは王太子妃を拒否し、ミシェルに酷い事をしたのですよ!それは立派な罪です!」


「正気か?拒否されるだけの事をしていた自覚も無いのか?そのミシェルとかいう娘に酷い事をしたというのも、そもそもお前が婚約者が有りながら男爵などという低い身分の娘と親しくしていたからだろう?いったいローズマリーを何罪に問うのだ?だいたい高位貴族が下の者に嫌がらせなど、わしの後宮では日常茶飯事じゃ。知らぬ間に居なくなる女もおるわ。そしてその後宮を仕切っているのはダリウス、お前の母だぞ?お前は母も罪人にするのか?」


「そ、それは…ですが!「良い加減にせぬか!」」


「百歩譲ってローズマリーが罪を犯したとしよう。だが、それならばそこの娘も牢へ入れなければならぬが良いか?」


「な、何故ミシェルを牢へ⁉ミシェルは何も悪い事はしておりません!」


「そ、そうです!私は何も悪い事なんて…」


「不敬罪じゃ。公爵令嬢を糾弾するなど、貴様も貴族の端くれならば男爵が公爵に楯突く意味は理解出来るだろう?いや出来ぬか…理解していればこんなバカバカしい事にはならなんだな。更に貴様は誰の許可を得てここにいる?誰の許可を得て頭を上げて王を見ているのだ?誰の許可を得て王たるわしに直答しているのだ?」



「そ、それはダリウス様の…」


「そうです!王太子である私が連れて来たのです!それにミシェルはいずれ私の隣に立つ大切な女性なのですからかまわないと「反逆罪じゃな」は?」



「当然であろう。国家の中枢が認めわしが決めた婚約を破棄させようとするのは国家反逆罪にもなるな。これに関してはダリウスよ、お前も同罪じゃな」


「なっ⁉」





ー衣装部屋にてー



「不味いわね…」


(お嬢様、お声が…)


(あ、ああそうだったわ。だけど何だか不味い方向に話が脱線しているみたいなのだけど…困ったわ。国王陛下があんなにまともだとは誤算だったわね。それに後宮…怖い所ですわね。絶対入りたくありませんわ)


(そうですね。元々陛下はアーレスバッハを引き留めたいのですから婚約破棄をしようとしているダリウス殿下に腹を立てているのでしょう。ですが幸い陛下の直系男子はダリウス様だけですからダリウス様が廃嫡になればお嬢様との婚約も自動的に無くなりますよ?)


(そうねえ…でもだからこそ廃嫡には出来ないでしょう?陛下にはダリウス様しか息子は居ないし…)


(息子はダリウス様だけですが娘はいらっしゃいます)


(えっ?娘?ダリウス様に姉妹なんていたかしら)


(ええ、表向きは宰相様の娘となっておりますが、後宮の方との間に出来たのを宰相様が養女に迎えました。ちなみに母親はお子様を産んで直ぐに病死したとか)


(何それ…さっきの陛下のお話は……後宮って魔窟なのね)


(宰相様としてはダリウス様を廃嫡に持ち込み、養女にした姫君を次代の女王として自分の息子と結婚させて王配にすれば自分が采配を奮えると画策しているのでは無いかと…)


(そう…ジル!ジルはその…後宮とか…有るの?)


(お嬢様…いや、ローズ、俺が後宮を持っていたらどうする?来るのを止めるか?)


(え⁉後宮有るの⁉……そうね。もしも後宮が有るのなら私が行って潰すわ!どんなに美しい女の人がいても高い地位の人がいても私よりジルに相応しい女はいないもの。それで…本当に後宮が有るの?)


(クククッさすが俺の【お嬢様】だな。俺がそんな面倒臭い物を持っている筈無いだろう?俺の隣はお前だけだ。昼も夜も、な)


(っ!ジルベルト‼こんな時に変なコト言わないで!)


(お楽しみは国に戻るまでおあずけか?それは中々厳しい試練だな)


(そ、そうよ!今はそれどころでは無い筈よ!この婚約破棄が上手く行かないとお、お楽しみどころか私は王太子妃になってしまうのですからね!)


(ふむ、それは困るな。いざとなれば力でどうにでもなるが、それは嫌なんだろう?)


(ええ、この国に未練は無いけれどお友達もいるし、恩も恨みも無いしこの国が滅べば良いと思っている訳ではないわ。自分の事は自分で始末を着けるわ。貴方の力に頼りたくないのよ。でなければ私は貴方の、ジルベルト魔王陛下の横に立つ資格は無いもの。それに私はただ穏便に国を出られたら良いのよ)


(ローズ…やはりお前は面白い。今ここで俺の隣に立つ資格を違う形で与えてやりたいがどうだ?)


(ッアッ ンンッ こんな所で止めてっ もうっ【ジル】!)


(わかっわかりました【お嬢様】。ですが殿下が廃嫡になれば婚約が無くなる訳ですからこのまま見ていれば良いのでは?)


(駄目よ。そんな事になったらミシェルが牢へ入れられてしまうわ。殿下が廃嫡になろうがどうしようがどうでも良いけれど、ミシェルとダリウスは結ばれてくれないと彼女が悪堕ちゲフン可哀相ですもの)


(それでは…アーレスバッハ公と宰相に頑張って貰うか。今は聞かないがローズいつかお前の【予知夢】か?話してくれるのを待っているぞ)


…………間違っていないわよね。ミシェルとダリウスが結ばれる、としか視えなかったもの。別に王太子という肩書きは無くても問題無い筈だわ…………


(…さて【お嬢様】通信石は仕込んでありますので公爵様にお伝え願えますか?)


(え、ええ、何を伝えれば良いのかしら?)


(とっとと全てを丸く収めないと魔王が出るぞ、と)


(ジ、ジル?その笑顔は止めて下さるかしら?部屋の中が急に寒くなりましたわよ…)

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