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3話 悪役令嬢は宰相に感謝を捧げる

ブックマーク、評価、本当にありがとうございます。


ただ、あまりの勢いに作者の胃に穴が開きそうです。

手抜き、ごまかしが即バレしてしまいましたが、ある意味ホッとしております。


ビクビクしながら第3話です。

どうぞお手柔らかに、色んな事をスルーして読んで頂けると幸いです。




「…誰だ?」


「私だ。娘も来ておる。宰相殿少し良いか?」


「アーレスバッハ公爵殿、ローズマリー嬢もか…では」


「ああ首尾は上々。ここに婚約破棄の宣告書と見届けた証人達の署名もある」


「……これ程の人数が?バカどもが!」


「あの、宰相様。この度はご迷惑をお掛けいたしました事、本当に申し訳無く思っております。また、私の我が儘を許して下さり感謝申し上げます」


「ああローズマリー嬢が謝る必要は無い。悪いのは足元さえ見えず先を読めなかった殿下が悪いのだからな。だが殿下はともかく、殿下にへつらう、いや違うな。あの男爵令嬢に誑かされた者がこれ程多い事に頭が痛いわ」


「で、そちらの首尾は?」


「うむ…良くない。まともな思考を持つ高位貴族があまりに少ないのと、逆に中位、低位の伯爵、子爵の中に良い人材を見つけたのは僥倖であったが…」


「4侯爵は?」


「ああ、幸いにも4候の内2候は男子がおらぬ。ご令嬢がそれぞれいるがまだ社交界デビューもしていないし婚約者もおらぬゆえ被害は無い。後の2候も既に跡取りが妻帯しているのでな。今回の件では4候は見て見ぬ振りを通す様だな。目の上のたんこぶであった3公爵の力が削がれるのだ。むしろ支援に回るだろう」



「では我等が出国するに問題は無いのだな」


「アーレスバッハ公爵と一族の者達には感謝している。用水を利用し治水灌漑、盗賊どもを一掃して街道筋の治安に整備。全てアーレスバッハ公爵のお陰だ。まだまだ問題はあるが、それでもこの国は落ち着きを取り戻し繁栄しつつあるが、それを自分達の手柄だと勘違いし贅沢三昧する輩や公爵殿と共に頑張ってくれた民を忘れて虐げる貴族もいる。まったく腹立たしい事この上無いわ!後は私達がやらねばならぬ。いつまでも公爵殿達に頼り切りでは良い人材が育たぬからな。だが、それを良しとせぬ御方がいてな……」


「陛下か…」


「ああ。王太子殿下とローズマリー嬢の件はまだお耳に入れてはいないが、内々にアーレスバッハ公爵の意向を伝えたのだが……」


「そうだろうな。陛下からしてみれば私達が国を出るなどと許容出来まいな」


「大丈夫ですわお父様。私にお任せ下さいませ。このローズマリー、自分の幸せの為ならば泥水も飲みましょう。悪辣、悪女の罵りも喜んで受けましょう。全ては私が幸せに為るために!」



「………そこはアーレスバッハの為にと言う所では無いのかローズよ…」


「あ、あら?そう申したつもりでしたが?ゴホンッ良いのです。私の幸せがアーレスバッハの幸せに繋がるのですわ」


「開き直りおったか…」







「宰相は居るか‼」


「騒々しい!っこれはこれは王太子殿下。どうなされた?今日は学院へご出席だったのでは?」


「その様な事はどうでも良い!アーレスバッハ公爵とローズマリーは「ここにおりますが?」来て…ふんっ逃げずに来ていたか。それで書類は出したのであろうな?」


「これは王太子殿下。この度は娘との婚約を破棄なされるとか、娘から聞きましたが本気で仰っておられるのですかな?」


「むろんだ!お前の娘の卑劣な振る舞いは目にあま「ダリウス殿下!」る」


「お話中申し訳ございません。ですが廊下の方から何やら騒がしい声がしたものですから」


「ああそうだった。婚約破棄の書類を本当に宰相に渡すか心配だったのでな。急ぎ登城しようとしたのだが、本当に書類を提出したとしても宰相達が婚約破棄に反対するかも知れないと不安がるミシェルや証人として署名してくれた者達が一緒にこまで来たのだ」


「左様でしたか。ですがこの執務室まで通すとは…中には低位の者もおる様ですがここは国家の政治の中枢。関係無い者、たとえ高位貴族でも許可無く入れないはず。まして未成人、低位貴族などもっての外。警備の近衛は何をしておるのだ!」


「王太子たる私が許可したのだ。通すのが当然であろう。中には規則だと言い募る奴もいたが、私に逆らうなど許される事では無い。牢に行けと言ったら大人しくなったが宰相よ、騎士どもの教育がなっておらんな。私が王位に着いたら厳しく上下関係を叩き込んでくれる」


「はあ…。そうですか上下関係をですか」



「とにかく!アーレスバッハ公爵より書類は提出されたのだろう?ならばこれで私とローズマリーとの婚約は破棄されたという事だな?」


「書類は拝見致しましたが…これだけでは婚約破棄は認められないでしょう」


「何故だ⁉私とローズマリーの署名もある!更に証人もおるのだぞ!」


「ええ確かに署名は確認しましたが、この婚約は王命であり貴族会議でも承認されたもの。いくら当人同士が納得していようとも、そう簡単に破棄は出来ません。そもそも殿下は王太子と3公爵筆頭アーレスバッハ公爵令嬢との婚約の意味を判っておられますかな?」


「そ、それは判っておる。国への貢献度が高く、貴族の中でも最も高位のアーレスバッハの意向を無視出来なかったのだろう?だが私はそんな事よりも大事な物が有るのだ!」


「そんな事……ですか。まあ良いでしょう。ですがこの証人の署名ですが、何の意味も力にもなりませんな。見れば高位貴族のご子息の物も有るようですが全て未成人で爵位も無い。この様な署名は紙クズ同然、貴族会議に出せる代物ではありません。だいたい婚約破棄の理由が一行も書いて無いではありませぬか」


「紙クズとな!言わせておけば!この証人達は将来この国の重鎮となる者達だぞ!それを紙クズなどと!…まあ良い貴様が宰相でいられるのも後僅かの事だ。それで?婚約破棄の理由とな?良いだろう。ここではっきり「恐れながら殿下」」


「なんだ!さっきからお前は私の話の途中で口を挟んで!」


「ですから、先程も申し上げましたが廊下の方が少々騒がしゅうございます。このままでは警備の騎士様方が集まって来るのでは?この執務室には入りきりませんからどこか広いお部屋へと移動なさった方がよろしいかと思いますわ」


「ぐっ!その様な事は言われずとも判っている!ちょうど良い。このまま父上の所まで行こうでは無いか!謁見の間ならば広いから廊下にいる者達も皆入れるな。そこでお前との婚約破棄の理由を父上にも聞いて頂こうではないか!今さら恐くなって下がろうとするなよ!宰相!お前も来るのだ!行くぞ私に着いて来い!」







「宰相様……」


「大丈夫ですよローズマリー嬢。王太子殿下もこれ程阿呆だとは…いえ何でもありません。全て父上とこの私に任せておけばよろしいのです。必ず貴女の幸せの為にこの婚約破棄、貴女に傷1つ付けずに承認させましょう。そして身の程知らずにも勘違いしている者達には……ね?とにかく私とお父上を信じていればよろしい」


「はい。宰相様ありがとうございます。ローズマリーは宰相様に心からの感謝を捧げますわ」


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