7:00. でぃすかっしぉーん
「着きましたよ。」
バギーの速度が弱まり、やがて停車した、…どうやら目的地に到着したようである。
polはバギーについているソケットから這い出てバギーから降りた。
「ねぇ、pol!」
picoがバギーから降りながらpolに話かける
「なんですか?」
「さっきの戦争の話だと、戦争が終わったら”ひゅーめ”たちは起きてくるんだよね?」
picoもバギーから降りる
「えぇ、そのはずです」
「だったらもう戦争も終わったんだし”ひゅーめ”は起きてきていいんじゃないの?」
「…」
picoの言うとおり、もうすでに戦争が終わっているのであれば、人類がかねてより計画していたように戦争も終わり、安全となったこの世界でロボットによって作り直された都市などで平和に暮らして居てもいいはずである。
…しかし、そこに住むはずの人間も住み心地の良さそうな都市や文明も見当たらない、あるのは広大な砂漠と錆びた鉄のみである。
「先ほども言ったように私は待っているのですよ。
…私には、ただ待つことしかできないのです」
polは半ば人類に会うことを諦めているようで消極的な返事しかしなかった、ただ待つことしかできない、それしか出来ない、と考えているようだ。
「何言ってるのさ!
来ないのならこっちから迎えに行けばいいだけじゃないか!」
「?」
「起こしに行くんだよ”ひゅーめ”を!僕たちが‼︎」
Polは少しだけ驚いた、人類に対してpicoがこんなにも興味をもっていることにだ、存在すら知らなかったのになぜ?
確かにpicoのの言う通りである、来ないのなら迎えに行けば良い。
本来待つのはバスではなく人間であるはずなのであるから
確かにpol自身も人間達に会いに行きたいのは事実だ、しかし、polにはまだ気がかりがあった。
「それは…かないません」
「どうして?」
「それは今からお話しましょう」
polはバギーを停めた近くにある少し開けた場所へ向かった。
「椅子になるものを取ってきます。」
そう言うとpolは錆びたジャンクの山を漁り始めた。
辺りは少し暗くなってきており、次第に闇が空から降りてくる。
その開けた場所の中央には三角形のジャンクでできた椅子と四角いテーブルであろうジャンクが鎮座していた。
「ちょうどいいのが有りました。」
暫らくして、polが丸い、椅子の代わりになるものを持ってきてくれた。
「ありがとう」
picoは一言御礼を言うとpolから椅子を受け取り、テーブルを囲むようにして椅子に座った。
polも三角のイスに座る。
「さて、何故人間を起こしに行けないか…その理由をお話しましょう」
polのほうから話し出す。
「先ず、人間達が眠っているコールドスリープ施設の所在ですが…」
「もう見つかってるの?」
「ええ、あちらに古くなった高速道路が見えるでしょう。
あの道路を行った先にその施設があります。」
「じゃあ今からでも…」
「ここからが本題です。」
今すぐにでも施設に向おうとするpicoをとめるようにして言う。
「…施設への侵入を妨害する者がいるのですよ」